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小倉広メルマガvol.365 「チヤホヤされると、淋しくなる」



vol.365 『 チヤホヤされると、淋しくなる 』 



下手に本が売れたり、マスコミにインタビューが掲載される
と、チヤホヤされる機会が増えていく。
最初はそれが嬉しかった。「調子に乗ってはいかんぞ」と自戒
しつつも、「あの有名な小倉先生ですか!?握手して下さい!」
などと言われる度に、恥ずかしながら、にやけてしまったのだ。

しかし、やがて、少しずつわかっていく。
僕の知名度にチヤホヤする人は、僕以上に知名度がある人を
見つけると、すぐにそちらへ飛んでいく。

僕と握手し、写真を撮って、SNSへ投稿すると、それで終わり。
要は、僕の知名度を「消費」しているだけ、だとわかったのだ。

きっと、そういう方々は、僕の本が売れなくなったり、知名度が
なくなれば、僕に見向きもしなくなるだろう。僕の機能価値を
買ってくれるけれど、僕の存在価値には興味がない方々なんだ。

もちろん、それは、当たり前といえば、当たり前のことだ。僕や
僕の著作という経済的商品はそのようにして資本主義社会で存在
していくしかない。でもね、同時に商品ではない生身の人間とし
ての僕、という側面もあるのだよね。

だから、最近は、知名度にチヤホヤされても、本当に嬉しくなく
なった。舞い上がらないどころか、淋しくさえなることさえある。
きっと、僕なんかよりはるかに知名度が高い著名人の方々も、
同じ思いをされてきたのだろうな、と感じている。

そして、知名度など関係なく、僕を、普通の一人の人間として。
52歳の、その辺にいる普通のおっさんとしてつきあってくれる
ことをとても嬉しく思う。一緒に酒を飲んだり、ライブに行ったり、
「ヒロさん、バカじゃないの!?」って突っ込んでくれる友人を
本当にありがたく思う。

本が売れているからつきあう。知名度があるからつきあう。
そんな条件付きの人づきあいではなく、
なんか、あのおっさん、オモロイからまた飲もうか。
そんな裸のつきあいができる友だちがありがたいと思う。

アドラー心理学では、「ほめる」のではなく「勇気づける」ことを
推奨している。

「ほめる」とは「成果」がプラスの時だけ、肯定的に「評価」する、
ことだ。成果がマイナスの時には、絶対にほめない。

「勇気づける」とは「成果」がプラスかマイナスか、に関わらず
相手の存在を無条件に価値がある、と感じ、どのような行動を取って
いても、その動機は善である、と人格(存在価値)を肯定することだ。

チヤホヤするのは、上記の「ほめる」に該当するだろう。思いっきり
条件付きの対応だ。
ただのおっさんとしてつきあうのは、上記の「勇気づけ」に該当する
だろう。ああ、周囲の人々は仲間だな。僕は、そう思えるからだ。

最近は、チヤホヤされることが減ってきたのは、僕の知名度が下がって
いるからかもしれないし、僕がそれを望んでいないことが少しずつ、
伝わるようになったからかもしれない。

そして、何より、僕自身が「成果」や「知名度」なんてない、「素」の
「裸」の自分を認めることができるようになってきたからかもしれない。
僕が、自分で自分自身を勇気づけることができるようになったのかも
しれない。



編集後記


思うところあって、クレジットカードを2枚だけ残して、
すべて解約しました。毎月、百万円以上使って、プラチナカードや
ブラックカードへ「昇格」したものや、永久に飛行機のラウンジに
入る権利がある特別会員付きのカードもすべて処分しました。

残っているのは、プラチナどころか、ゴールドですらない、カラフル
なSUICAカードとATMカード兼用の銀行カードだけです。

これまで、僕の長財布にズラリと並べていた、ブラックやプラチナ、
ゴールドカードが一切なくなって、カードスペースはスカスカの空き
だらけになりました。

ああ、僕は、見栄でカードをズラリと並べていたのだなぁ、とわかり
ました。人前でシルバーやカラフルなカードを使うのが恥ずかしい、
とさえ、思っていたのだと思います。

そんな条件なしで、無条件に生きていく。その覚悟が少しだけできた
のかな、と思っています。まだ、たまに、ホテルのラウンジなどで、
SUICAクレジットを使うとき「恥ずかしい……」と思っちゃう
ことがあるけどね。

では、また次回をお楽しみに!



株式会社小倉広事務所
代表 小倉 広

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