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小倉広メルマガvol.361 「犯罪者だって、人格は善」



vol.361 『犯罪者だって、人格は善』 



アドラー心理学を学んでいて、驚いたことの一つが、
この「犯罪者だって、人格は善」ということだ。
何を言っているんだ?
犯罪者の人格は、悪に決まっているだろう。
話を聞いて、そう思った。

それから、少し考えて、気がついた。
そうか。これは理想論なんだ。きれい事としてなら、意味はわかるぞ、と。
「罪を憎んで人を憎まず」
そういうことだろう。

しかし、アドラー心理学の目ざすところは、そんな甘っちょろい話ではなかった。
「問題行動を起こす人だって、すべての人の人格は善」
これを毎日の日常で、あたりまえのように活用しましょう、というものだったのだ。

例えば、電車で割り込んで来る人だって、人格は善。
例えば、人の陰口をあることないこと言いふらす人だって、人格は善。
例えば、自分勝手な行動をして他者に迷惑をかける人だって、人格は善。

そう認識し、相手に対して陰性感情(怒り、不安、後悔)を発生させず、
協力的な行動を選択しましょう。
相手を叱ったり、怒ったりせず、協力できることを探し、
「何かお手伝いできますか」と質問し、「要らないよ」と言われれば、
いつかきっとできる、と信じて見守り、時には、身を引く。
毎日をそうやって穏やかに過ごしましょう。そういう意味なのだ。

これには、正直ぶったまげた。
どうしても、納得できなかったからだ。
だが、先生の解説を聞いて納得した。

「行為と人格を分離しましょう」

そして、こう学んだのだ。

「問題行動を起こす人は2種類です。
 1つは、適切な行動を知らないから。
 もう1つは、適切な行動を知っていても、どうせ、
 自分にはできっこない、と思っているから。
 だから、不適切な問題行動で所属を目ざす」

適切な行動を取る人は社会への所属を目ざしており、
不適切な問題行動を起こす人も社会への所属も目ざしている。

あらゆる人の目的は社会への所属だ。
だから、動機はどちらも善。あらゆる人の人格も善なのだ。

これを理屈ではなく、日常の周囲の人に対して、心から思い続ける。
それがアドラー心理学的な生き方だ。

問題行動を起こす人。むかつく人。自分勝手な人。
「ああ、彼も彼女も所属したくてしょうがないんだな」
「劣等感が強くて、自分には適切な方法で所属できないと思っているのだな」
「だから、ああして不適切な行動で所属を目ざしているのだな」
「きっと、淋しいんだろうな。切ないんだろうな」
そんな風な目で、あらゆる人のあらゆる行動を見る。
行為は間違っていても,その人の人格は善。
そう思って協力的に接していく。それがアドラー心理学的生き方らしい。

これは、すごいことだ。
とてつもなく難しいことだ。

でも・・・・・・・・・・・・。
とても素敵だ。

そんな人になりたいな。
なれるかな・・・・・・。

もしかしたら、いつか、なれるかもしれないな。
100%完璧にはなれなかったとしても、少しでもそんな風に近づきたいな。

アドラー心理学を学んでから、そんな風に日々思っている。

犯罪者に比べれば。身の回りの家族、同僚、上司、友だち。
彼らの問題行動など、かわいいものだ。

それに目くじらたてて、相手を裁き、嫌みや皮肉や怒りをぶつける必要はない。
「ああ、彼や彼女もさびしいのだな。自分は無力だと思っているのだな」
そんな慈しみの目で相手を見ることができるようになりたい。

アドラー心理学を学びながら、そう思う。
できている時より、できていない時の方が、まだまだまだまだ多いのだけれど。

常に意識をし続けながら、できない時よりもできる時の方が多くなれるよう。
日々、鍛錬、訓練、振り返りをしていきたいと思っている。




編集後記

なまじ心理学など勉強すると、相手の行動の意図や目的が透けて見えて
それをもとに相手を裁きたくなります。
「ああ、この人は間違った考え方をしているのだな」
「この人の言葉と態度の裏にある魂胆はこれだな」

そうして、相手の人格をジャッジしようとしてしまうのです。
これは、自らの優越感を感じるために、相手を利用している行為です。
まったくもって協力的ではない。競合的な思考です。

そうではなく、先に学んだリスペクトをするのです。
「この人は悪だ!」が一回目だとすると、
リスペクト(もう一度見る)する。
「この人の行動は間違っているけど、動機は善=所属だ。人格は善だ」
そうやって見るのです。

練習、練習、それに尽きます。すぐにできなくたっていい。
できるようになりたい、と思うことがとっても大切。
そう自分に言い聞かせています。
興味のある方、一緒に練習、お稽古を続けましょうね。
では、また次回!


では、また次回をお楽しみに!




株式会社小倉広事務所
代表 小倉 広


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