作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

小倉広メルマガvol.356 「それぞれみんな意味がある」



vol.356 『それぞれみんな意味がある』 



諸法実相という仏教の言葉が好きだ。

簡単に言うならば
「あらゆる者は、あるがままですべて真実であり、正しい」
そんな意味だ。

宗教学者のひろさちやさんが「般若心経入門」の中で、
こんなエピソードが紹介されていたのを覚えている。

良寛さんが五合庵というあばら家に住んでいる時に
泥棒が入った。

しかし、盗むものが何一つない。
困った泥棒は、眠っている良寛さんがかけている布団を
引きはがして盗もうとした。

すると、良寛さんは、本当は目が覚めて気づいているのに、
眠っているふりをして、布団を盗ませてあげた、という話だ。

それが、禅僧である良寛和尚の諸方実相、あるがまま、だというのだ。

それを読んだ僕は思った。

「僕には無理だ!諸法実相なんて、できっこない」と。

しかし、続けて読んでみると、僕の理解が浅かったことがわかった。

「僕には無理だ!」

それもまた、諸法実相だというのだ。

良寛さんは禅僧だから、泥棒が盗みを働くことを許す。
それが「禅僧」としての諸方実相だ。

では、泥棒はどうかというと、
泥棒にとっては「盗む」ことが諸法実相となる。

では、警察は?
そう。泥棒を追いかけて逮捕することこそが諸法実相となる。

全員が全員、良寛さんのようになったら、世界は回らない。

泥棒は泥棒の。警察は警察の。
それぞれがお役目を果たせばこそ、世界は回っている。

なんだっていい。全部、意味がある。
味噌もくそも一緒。それが諸法実相だ、と言うのだ。

そう、考えると。

会社で嫌みばかり言っている数字に細かい経理部長も。

がみがみ叱ってばかりいる社長も。

勢いだけで考えの浅い営業部長も。

めそめそ弱音を吐いているダメ社員も。

お節介ばかり焼く口うるさいお局様も。

みんな、みんな、意味がある。
彼らがいるからこそ、ウマくいっている。
全員が役割を果たす諸方実相なのかもしれない。

そんな視点で会社や家庭を見回してみると、
少し景色は違って見えてくるかもしれない。

憎らしいあいつが、本当に意味があるかどうかは、
神様にしかわからない。

でも、意味がある。諸方実相だと思った方が、きっと、
対人関係も仕事も家庭もうまくいく。

なら、そんなファンタジー、フィクションを採用するのも悪くない。

憎らしいあいつも、こいつも、みんな意味がある。
そんな風に思って暮らしたいと思う。年末、師走でありました。

小倉広事務所は本日をもって仕事納めとさせていただきます。
本年も大変お世話になりました。皆様、良いお年をお迎えください。



株式会社小倉広事務所
代表 小倉 広



◎ほぼ毎日届く。メルマガの登録はこちらから
http://www.ogurahiroshi.net/

Top