作家、講演家、企業研修講師、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

小倉広メルマガvol.355 「一隅を照らす。これすなわち国の宝なり」



vol.355 『一隅を照らす。これすなわち国の宝なり』 



「私、アドラー心理学で学級運営をしたいんです。でも、先輩たちが、
『ビシッと指導しなくては生徒がつけあがる』とおっしゃるんです……」

小学校の教諭の方が、質問をされた。私も共に受講者の一人として学んでいる、
アドラー心理学の勉強会での、質疑応答の場面である。

すると、アドラー心理学の先生が、こうおっしゃった。

「『私のクラスです。私に任せて下さい』そう言ったらどうですか」

教諭の方は食い下がる。

「でも、先輩方や親御さんまで、私のやり方に反対されて……」

「関係ないでしょう。 あなたのクラスは、あなたが責任者なのだから、あなたが決めればいい」

「それでも、ごちゃごちゃ言われるとしたら、あなたの気迫が足りないのです。
信念が足りない。信念に基づいて、気迫を持って伝えれば、必ず伝わります」

僕は、このやりとりを聞きながら、それは企業の職場でも一緒ではないか、と
思った。僕自身が講師として登壇するセミナーや研修でも、同じ質問が出る。

「私は、小倉先生がおっしゃるような人材育成、チーム作りをしたい、と思う。
しかし、上司の部長や社長たちが、指示命令一辺倒でやっている。私一人では、
どうにもできません」

僕は、いつも、このように答える。

「本当に無理ですか? ご自身のチームの中だけで、できないのですか?
課の責任者は、課長です。自分の課の中をご自身の信念に基づいて運営する。
ごく、当たり前のことです。それで、きちんと結果さえ、出せばいい」

「課の運営に関して、部長も社長も関係ありません。
自分の課を運営するのに、全社全体を変える必要もありません。
ご自身のチームの中だけで、ご自身の思う課の運営をされたらどうですか?」と。

僕は、これを勝手に「小さな革命」と呼んでいる。

無理に全社を変革する「大きな革命」をやる必要なんて、ない。
自分が任されている範囲を、自分が信じる方法で運用し、
しかし、ちゃんと、成果は出す。

しかも、人が育ち、活き活きと楽しそうな職場をつくる。

「それで、何か問題はありますか?」

社長や部長に文句を言われる筋合いはない、はずだ。

一灯照隅 万灯照国
(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこく)

という言葉がある。歴代総理のアドバイザーを歴任された昭和の哲学者、
安岡正篤先生が好んで色紙に書かれた言葉だ。その元になる言葉は比叡山を
開いた最澄の言葉である。

照于一隅 此則国宝
(一隅(いちぐう)を照らす。これ、すなわち、国の宝なり)

僕たち一人がロウソクを一本掲げても、明るく照らすことができるのは、小さな
小さな一隅でしかない。しかし、その小さな灯りを灯す人こそ、国の宝である。
このような言葉だ。

多くの人は「どうせ、自分なんか、組織の歯車だ。自分が頑張っても無駄だ」
そのように言い訳をして行動を起こさない。

そうではなく、たった一人、わずかな力であっても、
自分にできる小さな一隅を照らす。その人こそが、尊い。国の宝なのだ。

できない理由を探して、何もしないこと、
「YES、BUT」を多用することを
「神経症的策動 Neurotic maneuver」と呼ぶらしい。

健康な人は、他者の助言を素直に取り入れ、たいがいの問題は解決する。
しかし、神経症的な人は、他者の助言に耳を貸さない。
「YES、BUT・・・」とできない言い訳を探して、実行しない。
だから、神経を病んでしまうのだ。


「一隅を照らす」のか。

「YES、BUT・・・」と神経症的策動を発するのか。

前者の仲間たちを支援し、共に学び合うのが、僕の使命である、と思っている。

「小さな革命」を起こす同士求む。

それが、僕の「社会へのお役立ち」なのだ、と、
僕は今、そう思っている。




株式会社小倉広事務所
代表 小倉 広



◎ほぼ毎日届く。メルマガの登録はこちらから
http://www.ogurahiroshi.net/

Top