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小倉広メルマガvol.344「「部下がなかなか動いてくれない!」と感じたら」



vol.344 『「部下がなかなか動いてくれない!」と感じたら』 
出典:「マネジャー」の基本&実践力がイチから身に付く本



◎「思った通りに人が動く」のは当たり前?

「いくら言っても部下が動かない」という上司の愚痴をよく聞きます。
「人は褒めて使え」などと言いますが、褒めても、脅しても、すかしても、
そうそう人は動いてくれるものではありません。
「何度言っても、毎日ちゃんと日報が出てこない。
こんな単純な指示も守れないなんて、
反抗しているのか、怠けているのか…… 」

こんな悩みを抱える新任の営業課長は、全国に山ほどいるでしょう。
しかし、マネジャーになったら、「指示に従うのが当たり前」
「思った通りに人は動く」という幻想を捨てることから
出発しなくてはならないのです。

なぜなら、部下が日報を書かないのは、マネジャーに逆らいたいわけでも、
とくにやる気がないというわけでもないからです。
部下にしてみれば、
「やらなければならないのはわかっているけど、できない」
それが実情なのです。

こんな場合にマネジャーがすべきことは、
叱りとばすことでも、褒めておだてることでもありません。
彼らが動かない原因が何か、考えを巡らせてみる必要があるのです。

◎「わかっているはず」という前提を疑ってみる

実のところ、たとえ日報のような「やって当たり前」と思える仕事でも、
次の2つが
部下の頭の中では明確になっていないことがほとんどです。

・why – 「何のために日報を書くのか」
・how – 「どうやって日報を書くか(日報を書くコツ)」

まず、「why」をしっかりと伝えることです。

日報を書くということは、自分自身で記録を残すということです。
自分が後で振り返ったとき、「あそこでこういう話をした」とか
「あのとき、先方は担当者のAさんとB課長が同席していた」とか
日報を見ればすぐにわかります。
これは、後日自分で提案書を書くときなどに役に立ちます。

また、周囲の人に情報を提供すると、周囲からも情報を得ることができます。
マネジャーに日報で仕事の進捗状況を報告しておけば、
アドバイスを受けることができます。

仲間から必要な情報を得ることができる場合もあります。
まさに、「日報は他人のためならず」で、回り回って自分のためになるのです。

さらに大事なことは、日報は他人のためにも非常に役に立つということです。
マネジャーは日報でメンバーの状況を把握できるし、
仲間は仕事の参考になります。

お互い情報を共有することで、みんなで助け合う風土が生まれ、
すごくいいチームができるというメリットがあります。
結果的に業績が上がって、給料も上がるという話もできるかもしれません。

そして、次に「how」があります。
書こうと思っても、どうやって書けばいいかやり方がわからない人は
けっこういます。

会社に帰ってきたらクタクタで、家に帰って書こうと思ったら、
疲れ果てて寝ちゃったという人もいるかもしれません。
そういう人は、日報を書く時間を作ろうとするからできないのです。

たとえば、日報は移動時間に書いてしまうことです。
商談が終わったら、ビルを出る前に階段などでメモを取る。
帰りの電車の中で書く。
携帯でパパッと書いておく。
そうしたちょっとしたコツをアドバイスしてあげるだけで、
書けるようになる人がたくさんいます。

プレイヤーとして実績を積み、マネジャーに着任したあなたから見れば、
ここで取り上げていることは、言わずもがなのことのように
思うかもしれません。
しかし、「これくらいはわかっているだろう」と
あなたが思うことのほとんどは、
メンバーにとって「初耳であり、目からウロコである」ことが多いのです。

ベテランから新人まで玉石混淆のチームを率いていくためには、
これを忘れてはなりません。

「メンバーが動かない」と不満を募らせるのではなく、
「彼らが率先して動けるように伝えるべきことがあるはずだ」
と頭を切り換えていくことが何より大切なのです。

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