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小倉広メルマガvol.331 部下の晴れ舞台を横取りするな



vol.331 『部下の晴れ舞台を横取りするな』 
出典:33歳からのリーダーのルール



「原さんが見事にやってくれました!」
四半期の振り返りミーティング。
上司はみんなの前で上司として部下の偉業を称えていた。

彼のすごさをきちんと伝えるのに原さん自身のプレゼン力では
能力不足だろう。この件はノウハウとしてきちんと全社員に伝えたい。
そう思った上司は、原さんが成し遂げた素晴しい仕事の一部始終と
その意義を上司自身が整理して伝えることにしたのだ。

上司の説明が分かりやすかったのだろう。
聞いている他部署の社員たちは大きくうなずきながら
原さんに拍手をしてくれた。
よし、これでいい。上司は満足だった。
しかし気になっていたことがある。
それは、原さんのコメントが極めて短かったことだ。
「本当にありがとうございました。これからも頑張ります。」
ほんの一言だけの月並みなコメントしかなかった。上司はちょっと物足りなく感じた。
しかし、後になってその原因が判明した。
物足りなく短いコメント。それは彼のせいではなかったのだ。
何ということはない。上司がしゃべりすぎてしまったのだ。
いいところを上司が全部話してしまった。
だから、彼は一言お礼を言うしかなかったのだ。

上司は部下の晴れ舞台を奪ってはならない。
たとえたどたどしく分かりにくかろうと、
偉業を成し遂げた本人に話させるべきだったのだ。
上司は後からいくらでも彼をフォローすることはできたはずだ。
ただし、それはあくまでもフォローでなくてはならない。
主役の座を奪ってはいけないのだ。

つい最近まで、トッププレイヤーだった君は、
華やかなスポットライトを浴びることに慣れていることだろう。
そして周囲も君にそれを期待する。
なぜならば君の技はプレイヤーとして一流だからだ。
それに比べれば君の部下の振る舞いはまどろっこしい。
それよりは君の名人芸を見たい。周囲もそう思うのだ。

しかし君は引退した身なのだ。
野球の監督は決してマウンドに立ってはいけないのだ。
33歳からの新米リーダーの君たちは、部下に晴れ舞台を
用意してあげることを忘れてはならない。
いくら君の唄がうまいからといって、1人でマイクを独占してはいけない。
スピーチ、司会進行などあらゆる檜舞台を後進に譲るようにしよう。
君はもう主役ではないのだから。

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