作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

小倉広メルマガvol.330 ウエの方針は「現場レベル」に具体化するのがコツ



vol.330 『ウエの方針は「現場レベル」に具体化するのがコツ』 
出典:「マネジャー」の基本&実践力がイチから身に付く本



◎マネジャーは組織の上下をつなぐ「連結ピン」

「社長がまた無理難題を言ってきたよ。
僕は無理だと言ったんだけど、まあウエの言うことだから
仕方ないよな」
「われわれは期待されているからこそ、
高い目標をもらった。むずかしいが挑戦してみよう」

ウエからの難度の高い要望をメンバーに伝えるとき、
どちらの伝え方が有効でしょうか? 
答えは誰の目にも明らかでしょう。

会社はトップリーダーを頂点としたピラミッド型の組織です。
このピラミッドは、上と下をつなぐ、
いわば「連結ピン」の役割を果たす人がいるから、
組織として成り立ち機能していくことができます。
「連結ピン」がなければ組織はバラバラ。
まさに組織の要となるのが「連結ピン」です。
もうおわかりですよね。そう、マネジャーとは組織の「連結ピン」なのです。

◎ますはウエの要求を自分のものにする

「連結ピン」には、上の言葉を下に「翻訳」して伝えるという
大事な役割があります。「翻訳」とは、言い換えるということです。
ウエの言うことをそのまま伝えて、「ウエが言っているから」では、
動こうという気になりませんよね。
これでは、マネジャーの役目を果たしているとは言えません。

そうではなく、ウエの方針を現場レベルに具体化して、

現場のやる気を引き出すような言葉で伝えていくのが
マネジャーの仕事なのです。
それには、まずマネジャー自身がビジョンや方針に
真剣に取り組む姿勢を持つことです。
「不本意だけど、仕方ないな」程度にしか思っていなければ、
メンバーは動いてくれません。
マネジャーが本気でないことが自然にメンバーに伝わってしまうのです。

ウエの意見を丸のみするのではなく、徹底的に噛み砕いて、
ウエが言ったのを忘れるくらいに、完全に自分のものとして語っていくことです。
「これが俺の考えだ!」と本人が信じるものが、
完全にウエと重なっているのがマネジャーの理想像です。

もちろん、ウエからの指示は常に全面受容しなさい、
と言っているわけではありません。「ノー」なら「ノー」と言っていいのです。
提案したあなたの意見のほうがいいと思えば、
その意見をウエは取り入れてくれるはずです。

議論を尽くして頭でも心でも納得して、ウエと一体になっていく。
その上で、今度はメンバーたちにあなたの言葉で伝えて、
メンバーと共に解決策を考え、全員のベクトルを合わせていきます。

こうしたマネジャーの働きによって、
初めて組織全体が同じ方向に向かって動いていくことができるのです。

◎メンバーには「翻訳」して伝えよう

では、具体的にはどのような言葉で伝えればいいでしょうか。
それには次の2つを組み合わせていくことが欠かせません。
簡単な例で考えてみましょう。

① コンテキスト(文脈)を伝える

「下半期は売上2割アップ」というウエからの決定事項を
メンバーに伝えるとします。
そのとき、次の2つの伝え方があります。

A「下半期は売上2割アップです」

B「大変だけど、下半期2割アップで巻き返しを目指そう」
「2割アップで、今年の目標が達成できたら嬉しいよね」
「2割アップで、業界内のシェアが上がるよ」
「2割アップで、営業マンとしてレベルアップできるね」
「2割アップで、全員年収アップしようよ」

「コンテンツ」を語っているのがAで、
「コンテキスト」を語っているのがBです。

「コンテンツ」とは、内容を語ることです。
端的で理解しやすく、論理性(左脳)に訴えます。

一方、「コンテキスト」とは、背景や文脈たっぷりに物語で語ることです。
コンテンツに比べると冗長ですが、共感を生みます。
人間の感情(右脳)に訴えるのです。

厳しい条件をメンバーに伝える場合は、
コンテンツだけで賛同を得るのはむずかしいでしょう。
コンテキストでさまざまな具体的なイメージを絡ませることで、
初めてメンバーの理解は深まり、心からやってみようという気になるのです。


②具体的な方法に落とし込んで指示を出す

また、ウエから出た方針を、メンバーたちが行動に移しやすいように、
具体的な方法を提示して伝えていくこともマネジャーの重要な役割です。

どのようなスケジュールで、どのような手順で、
どのような人員配置でそれぞれが動いていけばよいか、
具体的な指示を出していきます。

もちろん、マネジャー一人がこれらの方法を考えるのではなく、
メンバーたちからも意見を募り、一緒に作戦を練り上げていけばいいのです。

最終的に、明日からすぐ動けるような指示にまで落とし込んでしまえば、
チーム全体が目標に向かって一斉に走り出すことができるのです。

Top