作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

小倉広メルマガvol.329 手加減せずにベストを求める



vol.329 『手加減せずにベストを求める』 
出典:任せる技術



◎仕事のレベル・アップを求める

育成のために部下に仕事を任せた以上、
レベル・アップを求めるのは当然のこと。
ここで手加減しては元も子もない。任せた意味がなくなるのだ。

しかし、形だけ任せたはいいが、
その達成を求めることができない上司が非常に多い。

「ここまで求めたらムリだろう。
潰れられたら困るからこの程度にしておこう……」
「昇給したいわけでもないのにここまで求めたら申し訳ない……」
「彼にはまだこれくらいしかできないだろうから
後は自分がやってあげよう……」

そんな理由から手加減をしてしまう。
ハードルを下げる上司が多いのだ。しかし、それでは本末転倒。
部下が育つことはないだろう。

楽々持ち上げられるダンベルを何十回持ち上げても決して筋肉はつかないのだ。
20~30回持ち上げるのが精いっぱい。
筋肉がプルプルと震えるくらいの重さのダンベルを持ち上げるからこそ
筋肉がつく、という話を前に書いた。

部下を育てるためには、その限界値を求めなくてはならない。
そうでなければ最初から任せない方がいいのである。
中途半端な任せ方は部下にマイナスの教育効果を与えることになる。
「適当にやっておけば後は上司が手伝ってくれる……」
「この程度やっておけばいいのか……」
彼らは、あなたから間違ったメッセージを受け取ってしまうのだ。

そんな逆効果をもたらさないためにも、
任せたからには100%以上の達成を求めよう。
それが部下のためなのだと信じて堂々と求めるのだ。
経営の神様、松下幸之助もこう言っているではないか。

「経営の要諦とはつまり、
誰にどの仕事をどこまでぎりぎりの要望をするかやな」と。

◎同僚への影響力・リーダーシップを求める

任せた役割がリーダーであれば当然のこと。
仮にそうではなく、スペシャリストの役割を与えたとしても、
同僚への影響力・リーダーシップを求めることを忘れてはならない。

リーダーシップとは組織を目標達成へ向けて動かす影響力のこと。
それはリーダーだけの仕事ではない。
チームのメンバー全員が同僚へプラスの影響力を与える必要があるのだ。

例えば、営業マンの例を取るならば、
自分が使ってうまくいった提案資料を仲間と共有する。
先輩営業マンが若手の後輩へロールプレイング型の勉強会を開催してあげる。
チームの会議で積極的に発言する。困っているメンバーに手を貸す。
これらはすべてリーダーシップの発揮例。
管理職でないスペシャリストであっても十分にチームに貢献できる方法だ。

人は誰でもその場にいるだけでチームに対してプラスの影響力、
もしくはマイナスの影響力を与えているものだ。
決してゼロ、ということはない。
例えば会議室に15人のメンバーが集まったとしよう。
司会はリーダーの高橋課長が務めている。発言はベテラン・メンバー数人のみ。
残りの十数人は皆、眠そうな顔をしてうつむいていたとしよう。
この覇気のないチーム会。
僕がその場にいたとすれば必ずやこんな声をかけるに違いない。

「皆さん、こちらを注目! 今から僕が皆さんに質問をします。
自分はどちらにあてはまるか手をあげて下さい。
この場にいる全員はこの会議の重要なメンバーです。
全員がこの会議に影響を与えている。何も、発言している人ばかりではない。
黙って聞いている人もこの場に対して影響を与えているのです」、
そしてぐるりと全員を見渡した後でこう続けるのだ。

「こちらを熱いまなざしで見つめて、ウンウンとうなずいている君。
あなたはこの場にプラスの影響力を与えています。
いい雰囲気をつくっていますね。ありがとう! 」
「そしてこの場にはいないと思いますが、
暗い表情でつまらなきそうにあくびをしている人。
その人は確実にこの場に対してマイナスの影響を与えています。
本人はおそらく気づいていない。
自分の影響力はプラスでもマイナスでもなくゼロである、
と勘違いをしているのです。しかしそれは違います。その人はマイナスです。
ゼロはないのです」
「影響力にゼロはない。プラスもしくはマイナスのどちらかです。
では、全員目をつぶって。さあ手をあげて下さい。
自分がプラスの影響力を発揮していた、と思う人! 次、マイナスだと思う人!」

これがリーダーシップの考え方だ。
一段上のレベルを求めるのなら、部下が一人でやる「作業」レベルの向上だけを
求めてはならない。例え相手がスペシャリストであったとしても
チームに対するリーダーシップの発揮を求めるのだ。
それが彼の成長を促すのだから。

◎自己成長を求める

一段上のレベルを求める以上、
部下には自己成長のための努力も求めなくてはならない。

以前と変わらず、勉強をしない、本を読まない、
乱れた生活リズムのままだとしたら、新たに課せられた仕事をこなすのは
難しいだろう。

レベル・アップを期待するのであれば、
当然のように勉強することも求めなくてはならない。
そうでなくては、できるようになるはずがないだろう。

我が社ではコンサルタント、プランナーのレベル・アップのために
読書レポート制度を運用している。
課題図書を定め、1冊の本を1カ月で読破してもらう。
その本を4つの章分類に分けて毎週、読書レポートを書いてもらうのだ。

あなたの職場にどのような勉強が必要だろうか。
作業の完遂だけを求めるのではなく、リーダーシップの発揮と
自己成長への勉強も求めていきたい。

そうでなければ部下が継続的に目標達成し、成長することはないだろう。

Top