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小倉広メルマガvol.317 無理して誉めるな



vol.317 『無理して誉めるな』 
出典:33歳からのリーダーのルール



「まず誉めてから叱れ」「叱るより誉めて育てろ」。
管理職向けの本にはたいていそう書いてある。
しかし3万人の管理職を相手に研修を実施した僕に言わせれば、
それは無理というものだ。
なぜならば彼らのほとんどが、「叱る」ことは大変上手でも、
「誉める」のがとてつもなく下手くそだからだ。
何を隠そう僕は今でも誉めるのが苦手だ。
気がつけば誉める数倍は叱っている。
つまり管理職は皆「誉め下手」なのだ。

そんな君にアドバイスだ。「無理して誉めるな」。不自然になってしまうぞ。
「誉める」ことにかぎらないのだが、
管理職が身につけるべきコミュニケーション術を
「スキル」や「テクニック」と捉え、
そのままマネすると大変な失敗をすることだろう。
なぜならば、それはごまかしであり嘘だからだ。
本を読んだ新米上司の君が無理をしてぎこちなく「誉めて」しまうと、
部下は気味悪がってしまうだけだろう。
心の底から素直にそう思えたならば「誉める」がいいだろう。
しかし本能が怒りを覚えていたならば、
その怒りを真逆の「誉める」に転化してはいけない。

できるだけ感情を抑えて、
しかし正すべき点は冷静に正す方が部下には伝わる。
そういうことなのだ。

33歳からの新米リーダーの僕たちは管理職術を
付け焼き刃のテクニックと読み解いてはならない。
例えば「誉める」ことの大切さは
「感謝する」ことの大切さと翻訳して読まなければならない。
君が部下の存在を心からありがたいと「感謝する」ことができたならば、
君は頑張っている部下を
素直な気持ちでごく自然に「誉める」ことができるようになるだろう。
君が身につけるべきはテクニックではなくその裏にある心構えであり、
自然の摂理なのだ。

僕が若かりし頃、部下に感謝することなどとうていできなかった。
未熟で約束を守らず、怠け者で勉強をしない、
そんな部下に対して毎日イライラとしていたのだ。
しかし、彼らと少しずつ会話をし、
彼らの悩みや努力や恵まれているとは言えない環境を知った時に、
彼らを責める気持ちは自然となくなっていった。
彼らなりにできる範囲で頑張っている。
たとえ成果は出ていなくても必死に努力していることを知った時に、
ごく自然と頭が垂れていったのだ。
そして、ごく自然に彼らを「誉める」ことができるようになっていたのである。

無理してテクニックでごまかすな。
心を大きくする。そのために学ぶことが本筋だと思う。

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