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2月20日配信 小倉広メルマガvol.307「なぜ愛してくれないの?」と、言う人は、人から愛されない。 



vol.307「なぜ愛してくれないの?」と、言う人は、人から愛されない。 
出典:成長する人は知っている28の小さなきっかけ



「本当にひどいんです。うちの旦那」
そう言って青山さん(仮名)は口をとんがらせました。
「仕事、仕事って言いながら、毎日飲み歩いて。
そのくせポケットからキャバクラの女の子の名刺は出てくるし。
本当に仕事してるのか? って思いますよね」
はあー、とため息をつきながら続けます。

「で、休みの日は休みの日でゴルフだ、釣りだ、麻雀だって、
ほとんど家にいないんです。家事と育児を全部私に押しつけて、
自分一人で毎日遊び歩いて。全然私のことなんか、かまってくれないんです。
小倉さんはいいですよね。
お優しそうだから、ご家庭を大事にされているんでしょ?」

突然、突っ込まれてドキリとした。
まさに、青山さんの旦那さんと自分が重なって聞こえたからです。
私は正直に、自分も家にいる時間はほとんどないんです、
と告白した上で、
いくつか質問をしてみることにしました。

「青山さんは、旦郡さんがなぜ毎日遊び歩いていると思うのですか?」
「え!? それは、旦那が遊び好きだからじゃないですか?
あれだけ毎日飲み歩いて、ゴルフしているのは
好きじゃなければできないですよねえ。
遊びが楽しいから? でしょうか?
そういう答えでいいんですか?」

えぇ、いいですよ。
私は続けて質問をします。

「他には理由はないでしょうか?
遊び好き、は一つ目の理由として置いておいて」

「え!? 他の理由ですかぁ? やっぱ仕事?
さすがにまったくしていないわけじゃないだろうし。
まあ忙しそうにはしていますからね。
残業で遅くなったり、会社のつきあいもあるでしょうね」
なるほど、なるほど。
私は、うなずきながら、わざと沈黙を続け、
青山さんが続けるのを待ちました。
すると、青山さんは首を傾けながら目綿を上にして、
うーん、と考えた上でこう言いました。

「もしかしたら、家に帰りたくないとかぁ?
私と一緒にいるのがイヤなんですかねぇ?
だとしたら、それもひどい話ですよね。
好きで結婚しておいて、その奥さんと息子と一緒にいるのがイヤだとは。
どうなのかな? 今度、旦那に聞いてみよう」
そう言って少し引きつったような表情で無理矢理笑いました。

聞いて、どうします? 私はさらに質問を重ねました。すると。

「責め立てますね」
きっぱりと宣言して続けました。
「あなた、もうちょっと家庭を大事にしなさいよ、
私のことをもっと大事にしなさいよ、と、そう言うでしょうね」

私はそれを聞いて、笑い出してしまいました。
青山さんならやりかねないな。そう思ったからです。
私はそれに対してこう答えました。

「それはやめた方がいいですね。旦那さんを責めるのではなく、
自分を反省した方がいいですよ」
「えっ? 私が反省するんですか? 反省すべきは旦那の方じゃないんですか?」
不思議そうな表情で目を大きく見開きました。

私は以下のような話を青山さんに伝えました。

確かに旦那さんの身勝手なところもあるように聞こえます。
しかし、相手を責めても、いいことは一つもありません。
人間は相手から責められると必ずやり返す動物です。
もし仮に青山さんが100%正しくて、
旦那さんが100%間違っていたとしても、
旦那さんは無理矢理にでも理由をつくって青山さんを責め返すでしょう。
「そんな言い方はないだろう」とか「おまえだって昔は……」などと、
やられたらやり返す。これが人間の基本的な習性なのです。

相手を変えることはできません。
相手が自分から変わりたい、と思わない限り、
無理矢理、力尽くで人を変えることは絶対にできないのです。
その際に正しさや道理は関係ありません。
どんなに自分が正しく、相手が間違っていたとしても、
それでも相手を変えることはできません。
不可能なことをやろうとする。
そうすると苦しくなるのです。

だからこそ。自分を変える。
たとえ相手が悪くても自分が変わる。
それこそが唯一の解決策であり、苦しみから逃れる方法です。
この場合であれば、青山さんが旦那さんを変えようとするのではなく、
自分自身が変わること、がそれにあたります。

「私を愛して!」というのではなく、「愛される自分」になればいい。
「家に帰ってきなさいよ!」ではなく、
旦那さんが思わず家に帰りたくなるような家庭を作ればいい。
その努力をするのです。

おそらく現在の青山さんはその逆でしょう。
たまにしか家にいない旦那さんを見つける度に
「またこんなに遅くまで飲み歩いて!」とか
「せっかくの休日なのにゴルフに行くの?」などと
責め立てているのではないでしょうか。
旦那さんからすれば聞きたくない、
うんざりするセリフばかりを突きつけられているはず。
これでは、まさに「家に帰りたくなくなる」ように、
旦那さんを追い込んでいるのと同じです。

相手を責め、変えようとするのではなく、自分自身が変わること。
「なぜ愛してくれないの?」ではなく「愛される自分になる」こと。

難しいことかもしれませんが、とても大切な考え方だと思います。
青山さんは、私の話に無言で何度もうなずき、
じっと考え込みながら帰って行きました。

小さなきっかけ

「愛してくれない」と相手を責める前に
「愛してもらえる自分」になるよう努力しよう

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