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12月19日配信 小倉広メルマガvol.299 「評価は不満抑制ではなく人材育成のためにある」



vol.299「評価は不満抑制ではなく人材育成のためにある」
出典:とにかくすぐに「稼げて・動けて・考えられる」社員のつくり方


◎パイを切り分けるのではなく大きくする

そもそも評価制度とはいったい何のためにあるのでしょうか?
多くの人は評価制度を「不満なくパイを切り分ける」ためのツール
つまり「不満抑制」の道具と誤解しています。

しかし、本来の目的はそうではありません。
評価制度とは「パイそのものを大きくする」ためにある。
つまりは評価制度の運用を通じて人材を育成し、
その結果として売上や利益を大きくする。
まさに「稼げる社員」と「儲かる会社」をつくるためにあるのです。

となれば、上司に求められる行動も大きく変わるはず。
上司は決められた手順通りに進める役所仕事のような
「守り」の運用ではなく、「攻め」の運用をすることが必要となる。
部下に対して積極的に仕事上のアドバイスをしたり、
手伝いを買って出る。面談を活用して日頃中々話せないような
突っ込んだコミュニケーションをとってみる。
そんなきっかけとして評価制度を使えば人材育成も進むはず。

上司が評価制度を見る目を変えれば、
制度の効果がガラリと変わるに違いありません。

◎ベーコンエッグのニワトリではなく豚になれ

評価制度は部下のどこができていて、
どこが足りないかを明確に示してくれる便利なツールです。
では、上司はこのツールを活用して、
どのように部下育成をすればいいのでしょうか。こんな言葉があります。

「ベーコンエッグをつくるには、ニワトリは参加(卵を提供)すればいいが、
豚は献身(自らの体を提供)しなければならない」。

僕たち上司は往々にして、「献身」をせずに、「参加」してしまう。
上司として誰からも攻撃されない安全地帯に身を置きながら、
部下の問題点を指摘するだけの評論家になりがちです。

つまり僕たちは部下の足りない点を指摘するだけの評論家であってはならない。
部下の不足を自らの責任と痛感し、共に痛みを感じ、
部下のために自分の大切な「何を」投げ出して献身をしなくてはならない。
そう言っているのではないでしょうか。

では、投げ出すべき大切なものとは何なのでしょうか?
それは、上司にとって最も大切な自分の時間であったり、
価値観であったり、プライドのようなものなのかもしれない。
僕はそう推測をしました。
上司はそれらを投げ出した時に初めて、
参加ではなく献身をしたことになる。

そして、その時初めて評価制度を通じて部下が育ち始めるのです。

「ベーコンエッグにおけるニワトリと豚。自分は果たしてどちらだろうか?」。
心して覚えておくべき言葉ではないでしょうか。

◎フィードバックで部下に謝る上司
「君はココとココがこんなにもできていない。
期初に定めた目標だって達成できていない。取り組み姿勢だって物足りない。
だから評価はCランク。次回、頑張ってくれよ」。
「はい……。頑張ります」。
上司とのフィードバック面談を終えて部下がとぼとぼと部屋を出ていきます。
ダメなところをこれでもか、と指摘され、
挙げ句の果てに低い評価を提示された部下。
自業自得なのかもしれませんが、その部下は果たして
次の期に心機一転頑張ることができるでしょうか?

一方で、ダメな部下に対してまったく違うフィードバックをする上司もいます。
「今回君の評価はC評価だ。目標の達成度や取り組み姿勢から考えれば、
これは受け容れざるをえない現実だ。
しかし、こうなったのは君のせいだけではない。僕にできることが
もっとあったはずだ。もっと早くから巻き返しをすべきだった。
もっと君を手伝うこともできたはずだ。君の頑張りも足りなかったが、
上司の僕も足りなかった。すまない。しかしこのままじゃ悔しいじゃないか。
これから君への関わりを僕は変えていく。厳しいことも言うだろう。
ぜひ、もう一回やり直そうじゃないか」

さて、どちらの上司がニワトリであり、
どちらが豚の献身をしているでしょうか。

評価制度を活かすも殺すも上司次第。
僕たち上司は部下とチームに献身し「稼げる社員」をつくらなくてはいけません。
評価制度はそれを後押ししてくれる強力なツールなのです。

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