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9月20日配信 小倉広メルマガvol.286 一緒にハードルを飛び越える



vol.286「一緒にハードルを飛び越える」
出典:とにかくすぐに「稼げて・動けて・考えられる」社員のつくり方

◎小さなハードルを越えさせる

夢やビジョンを持つ、と同じくらいに本質的な「その気にさせる」方法が、
「成功体験を積ませる」ことです。
マネジメントの教科書によく出てくるこの言葉。
意味はわかるけれども、どうやって部下に
「成功体験」を積ませればいいのやら、皆目見当がつかない、
というリーダーの悩みをよく耳にします。

「目標達成できない部下だから悩んでいるんだ。
できない部下に成功体験を積ませるなんて矛盾しているよ」。
そんな声が聞こえてきます。それもそのはず。
なぜならば「成功体験」の定義が仕事の「目標達成」とイコールになって
しまっているからなのです。

そうではなく、例えば朝早くきて勉強やロープレをする、などの
もっと小さなハードルを設定する。そして、上司が部下と手をつないで
一緒に達成させ、徐々にはずみをつけながら、
少しずつ大きな目標にチャレンジさせる。
それが、ここで言うところの「成功体験」を積ませる、
という意昧なのだと僕は思います。

いきなり、大きな壁に挑まない。部下を放り出して一人でチャレンジさせない。
それが大切なポイントです。

◎ちょっとした工夫を奨励する

小さな「成功体験」を積ませることのひとつに、
「ちょっとした工夫」を奨励する、という手もあります。
僕自身の新入社員時代のエピソードをご紹介しましょう。
リクルートに新卒で入社し、求人広告の営業マンとして
飛び込みで新規開拓営業をしていた頃の話です。

僕は先輩からざっくりと教えてもらった方法で飛び込み営業をくり返して
いましたが、どうもうまくいきません。
そんな時、いくつかの方法を試し、試行錯誤しながらやり方を見つけ、
僕はいきなり全国トップの成績を
おさめることができたのです。そのちょっとしたひと工夫とは……。

・地域別に全産業をあたるのではなく、(上司からのアドバイスに従って)
 当時伸び盛りだった建築土木、ソフトウエア業界に的を絞ってアポ取りをした。

・先輩からもらった商品案内がわかりにくかったので、
 自分で調べたデータや先輩にヒアリングした話をもとに新たな商品案内を
 オリジナルでつくり活用した。

・アポ取りトークを工夫した。「ご挨拶したい」などのありきたりではなく、
 業界別に独自資料をつくり、その資料をお届けする、というトークに切り替えた。

などなど。
おそらく皆さんにも覚えがあるはずの、ありきたりの「小さな工夫」を
僕もたくさんしてきたのです。
そして、そのひとつひとつに手応えがあった。それが成果に結びついた。
工夫→成果という「成功体験」を経験することができたのです。

それからの僕は、上司に言われたから頑張る「受け身のサラリーマン」では
なくなりました。
自分の頭で考え、自分の意思で自発的に仕事を切り拓いていく
「稼げる社員」の仲間入りを果たしたのです。

小さな工夫を奨励する。
これもまた、「成功体験」を積ませることのひとつなのです。

◎イラショナル・ビリーフを書き換える

小さな成功体験を積むことがなぜ「稼げる社員」になることへ
つながっているのか?その理由を探ってみましょう。

僕たちは生まれたばかりの赤ん坊の頃、自分が世界の中心だと思っていました。
みんなからチヤホヤされワガママを言えばそれがかなう。

しかし、少しずつ大人になるにつれ、自分が世界の中心ではないことに
気づいていくのです。自分よりも頭のいい人がいる。足が速い人がいる。
やりたくてもできないことがある。それをくり返しているうちに、
やがて自信を失っていく。
そして、様々なイラショナル・ビリーフ(非合理な考え)を身につけていくのです。

例えば、「一度失敗したらおしまいだ」「完壁にできなければダメだ」
「どうせ頑張ってもうまくいくはずがない」などなど
自分を苦しみに追い込むようなネガティブな思い込みを
たくさん身につけてしまうのです。

だからこそ、小さな成功体験が重要なのです。小さなハードルを乗り越える。
小さな工夫をして手応えを感じる。
この体験がイラショナル・ビリーフを書き換える。
「やればできる」「きっとできる」という思いを身につけさせてくれるのです。

それを言葉で部下に教えてもムダなこと。
体験させなければ、部下はそれを信じません。
励ましの言葉ではなく成功の体験。
それが部下をその気にさせるのです。

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