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小倉広メルマガ vol.140 『アドラー心理学の早期回想分析でわかった小倉広の心の中』



vol.140「アドラー心理学の早期回想分析でわかった小倉広の心の中」

「私が小学校1年生の時の話です。黄色い菜の花畑が見えます。私は伯母と
 二人で早朝6時に犬の散歩をしていました。母と父が二人で京都旅行をする、
 ということで妹と共に一週間伯母の家に預けられていたのです。実はその
 旅行は、二人が離婚する前の最後の旅行だったのです。もっとも、その時の
 私と妹には知らされていませんでしたが・・・・・・」。

私はアドラー心理学を学ぶ神楽坂のヒューマン・ギルド社にて、カウンセラー
養成講座を受講していた。そのプログラムの一環で心理分析の技法を学んでい
た。早期回想分析。幼少期の思い出をクライアントに語ってもらうことにより、
その人のライフスタイル(性格)を分析するのだ。私は幼少期に強く覚えてい
る場面を2つ語った。

1つ目が今の場面だ。伯母に預けられた一週間の最終日。いつもと違って緊張
した面持ちの伯母が言った。「ヒロシ、明日の朝は伯母ちゃんと一緒に犬の散
歩をしよう。少し早起きするんだよ」私は何かある、とピンと来た。

畑の中の田舎道。一面に黄色い菜の花がびっしりと見える。伯母が言った。
「お母さんとお父さん、離婚することになった。別々に暮らすんだよ。ヒロシ、
おまえはどっちに行きたい?お父さんもお母さんも二人ともヒロシと一緒にい
たいって言っている」

私は既に泣きべそをかいていた。伯母は辛そうな表情で続けた。
「お父さんと一緒ならお金の心配はないよ。将来、好きな学校にも行ける。
 でも、お母さんも一緒にいたいって。ヒロシ、ヒロシが決めるんだよ」

私は迷わず言った。お母さんと暮らす。そしてまた泣いた。
「離婚した後、また結婚すればいいのに。もう一回結婚できないの?」
伯母は優しく言った。それはできないんだよ。

私は、その時、母を守ろう、と決意していた。最近ずっと泣いてばかりいた
母。弱い母を守るのは僕しかいない。選択肢なんかない。僕が守らなくて誰
が守るんだ。僕は「どちらにする?」と尋ねる伯母が不思議でならなかった。
そんな、ある春の日の早朝の思い出が一つ目だ。

二つ目は、母が義理の姉をいじめている時の思い出だ。
「飲みなさい!もっと飲みなさい!あんた水が飲みたい、って言っただろ!
 もう1杯飲みなさい!」鬼の形相で母が迫る。

「ごめんなさい。もう飲めません。ごめんなさい」泣きながら謝る義理の姉。
私はおそらく幼稚園の年長さん。父の連れ子である義理の姉は小学校3~4
年生だろうか。我が家では食事の時に水を飲むのは行儀が悪い、とされていた。
しかし、子どもでわがままな私はいつも水を飲んでいた。しょうがないわね、
母は小言を言いながらも私には水を飲ませてくれた。だが、同じことを義理
の姉が言った、その時だ。

「あんた、水飲みたいの?じゃあ飲みなさい。ほら、飲みなさい。もう一杯!」
母親が義理の姉に何杯も水を飲ませた。義理の姉は泣いていた。母は尋常では
ない顔をしていた。その姿がよみがえる。

食卓に父の姿はなかった。建築設計士業界の理事長を務め、会社を経営してい
た父は忙しく、いつも家にいなかった。母は義理の姉にだけ冷たかった。今な
らばわかる。母だって辛かった。そして義理の姉はもっと辛かった。

泣きじゃくりながら部屋に戻る姉。私と二人で同じ部屋だ。暑い夏だった。
エアコンなどない時代だ。扇風機がまわっていた。姉はまだ泣きじゃくって
いる。そのままゆっくりと二段ベッドの上の段で横になった。

私はどうしていいかわからなかった。そして、黙って扇風機の角度を変えて、
風が姉に当たるようにした。それくらいしかできなかった。これが2つ目の
思い出だ。

この2つから、私の性格(ライフスタイル)が分析できる。それがアドラー心
理学のライフスタイル分析だ。もちろん、厳密に言えば他の分析も併用する。
家族の関係図を書き、父、母、兄弟姉妹の性格や能力、学歴や職歴を分析する。
さらに家族間の仲の良さ、同盟関係、競合関係などを明らかにする。家族布置
分析だ。

さらに、家族の雰囲気、家族で共有されていた価値感なども言葉にする。それ
らを下敷きとして、先の早期回想分析に着手する。すると、かなりのことがわ
かる。その人の「現在」の性格(ライフスタイル)がわかるのだ。

それらのことを私の師匠である、ヒューマン・ギルド社の岩井俊憲先生が教え
てくれた。「アドラーは早期回想を最も重視しました」と。

私は、岩井先生が指導するカウンセラー養成講座の受講生の一人であった。
そして、岩井先生のご提案により、実験台となった。受講生を代表してクライ
アント役としてまな板の上の鯉になるのだ。私は皆の前で上記の早期回想を
語った。そして、岩井先生の指導に基づき、私の早期回想から他の受講生さん
が私のライフスタイルを推測した。それは以下のようなものであった。

●モサックとシャルマンによるタイプ類型では以下に近い。
ドライバー:私は有能である。努力しなければならない。社会適応する。過適応。
俺がやらなきゃ誰がやる。勝ち負けにこだわる。支配的。称賛を求める。
ヴィクティム:自分から苦難を呼び寄せ、不幸を他者のせいにする。他者は私
に同情すべき。私は無実の犠牲者だ。人生は苦難に満ちている。

●自己概念(私はどのようであるか)
・受動的ではなく能動的である。自分の力で運命を切り開くことができる
・私は早熟であり、場が読めている特別な人間である
・私は人を助ける人である。私は誰かの役に立つことができる人間である

●世界像(自分をとりまく社会、世の中、人々はどうであるか?」
・世の中には、乗り越えるべき苦労や課題が多い
・人の感情は複雑で誰もが理不尽な一面を持っている
・人々は助けを求めている。私にも助けを求めている

●自己理想(私はどうあるべきか)
・私がやらなきゃ誰がやる。私がやるのだ
・私には責任がある。責任を背負いたい
・私は善人でありたい。良き人であらねばならない
・私は人々を救いたい。苦しむ人を助けたい

さて、どうであろうか。現在の私を表しているであろうか。私の現在の行動、
価値判断の基準、性格などが現れているだろうか。

私はこの分析により、自分自身の謎が解けた。なぜ、いつも責任を感じてしまう
のか。いつも過度に自分ごととしてプレッシャーを感じてしまうのか。なぜ、
対人関係で支配的に過干渉になりがちなのか。それがわかったのだ。

私が体験した早期回想分析と家族布置分析。それによるライフスタイル(性格)
分析を自分の力で解き明かすワークショップを開催する。

少人数限定。私が皆さんに、早期回想分析と家族布置分析の方法を
お伝えし、自分たちで自己分析、他者分析をしていただく。さらに、私は
付きっきりで皆さんのそばで過ごし、一人ひとりの早期回想に助言をしていく。
そんな少人数のワークショップを開催する。

そして、必要があれば、性格を変えていくことにチャレンジする。現状を知り、
変えたいのであれば、ワークショップを通じて皆さんの性格を変えていくこと
にチャレンジをする。

自分の性格を分析してみたい人。自分を知りたい人。自分の性格を変えたい人。
将来、心理カウンセラーを目指したい人。ぜひ、こちらのワークショップにご
参加いただきたいと思う。

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