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2月20日配信 一偶を照らす vol.19『手をつけるのがおっくうなとき~始める技術~』



vol.19 「手をつけるのがおっくうなとき~始める技術~」
    
    出典:やりきる技術(日本経済新聞出版社)


■「始める」までが一番遅い

「よし、一冊仕上げたぞ。早速、次の本に取りかかろう!」単行本の執筆と
いう長いトンネルを抜けた僕の気分は最高潮。次もいい本つくるぞぉ。僕
のやる気は満ち満ちていた。しかし、それは長くは続かなかった・・・。
最高潮の気分は長くは続かない。次の本にとりかからなくてはならないと
わかっていながらも、なかなか手をつけることができないまま、時はなん
と六ヶ月も過ぎたのだった。テニスや野球のグラウンドに置いてあるコン
クリートでできた整地用の重いローラーがあるのをご存じだろうか。選手
が二人掛かりで押さねば動かせないほどに重い、そして、でこぼこを平ら
にしていく、あのローラーだ。もう、おわかりだろう。ローラーは転がし
始める最初が一番重いのだ。しかし、転がり始めたら軽くなる。二人掛か
りなどはもう不要。慣性が働いて、一人が片手でも引っ張れるほどに軽く
感じるようになるのだ。仕事においてもそれは同じだ。最初が一番重い。
そして、動き始めたら加速がつく。だからこそ、「始める」技術が必要だ。
「始め」さえすれば加速がつく。後は慣性が背中を押してくれるのだ。

■先が見えない恐怖や不安

では、なぜ僕は2冊目の本を「始める」ことができなかったのだろうか?なぜ
「始める」ことがそんなに重かったのだろうか?おそらく答えは二つある。
一つは物理的な重さ。もう一つは精神的な重さだ。一つ目の物理的は重さ
とは、「始める」段階に困難な業務が集中している、ということだ。たとえ
ば本を書くことを考えてみよう。書き始める前に必要な行程として「構成
を考える」「目次をつくる」「見出しをつくる」があげられる。一見するとご
く普通の行程に見えるこれらだが、実はここが一番大変だ。なぜならば「
構成」や「目次」をつくる、ということは、本全体をまるごと一冊、矛盾無
く一貫させ、過不足なく全体を設計しなければならない、ということなの
だ。これは、設計図をほぼ完璧に書き上げる、ことに該当する。この工程
は執筆においてとてつもなく重い。しかも、この物理的な重さに加えて、
精神的な重さがさらに加わるのだ。暗闇を歩くのは怖い。足元に大きな穴
があいているかもしれない。すぐ先に断崖絶壁があるかもしれない、とい
う恐怖があるからだ。しかし、実際にそれらがあったとしても、目に見え
てさえいれば大丈夫。よければいいだけだ。つまり、目に見えないと恐怖
が膨らむ。仕事を「始める」ということは、この「見えない恐怖」と戦うこと
にほかならない。僕が執筆を「始める」腰が重いのは、先が見えない恐怖や
不安と戦うことが大きな原因となっている。極めてストレスの大きい工程
が最初にある。だからこそ、余計に「始める」ことは敷居が高い。物理的に
も精神的にも、「重い」のだ。

■毎日が「始める」の連続だ

締切を半年以上も経過して、ようやく僕は2冊目の本を書き始めた。物理的
にも精神的にも「重い」、全体の「構成」や「目次」を徹夜という力技で書き上
げ、ようやく設計図を手に入れたのだ。さあ、後は設計図に従い一つずつ
部品を組み立てるのみ。目次に沿って書いていくだけだ。重いローラーに、
いよいよ弾みがついたのだ。しかし、またもや、僕の筆は止まってしまった
。「構成」や「目次」に比べればはるかにハードルが低く「軽い」はずの執筆なの
に、それがまたもや「重く」感じられるのだ。確かに、執筆は「構成」や「目次」
をつくるほどには「重く」ない。なぜならば、「執筆」という作業は「構成」に続
く第2ステップであり、「始める」ことではないからだ。しかし、考えてみれ
ばわかる通り、それはあくまでも全体における第二ステップということであ
り、こと「執筆」の中においてもまた、「始まり」と「途中」と「終わり」があるわ
けだ。つまり、書き始めは、程度の差こそあれ、やはり「重い」。それは第1
章が第2章に比べれば重いということだけでなく、第2章の中でも、さらに
最初の方は同じく「重く」なる。つまり「始める」はただの1回だけではなく、
いわば「毎日」が「始める」連続なのだ。このように毎日が「重い」、「始める」で
あるが、最初の工程だけに力を注げばいいというわけではない。毎日のよう
に「始める」技術を駆使することがすることが必要となる。この後に、詳しく
展開していく「始める技術」を毎日活用する。「やりきる」ためには、毎日「始
める技術」を使いこなすことが必要となってくるのだ。

出典:やりきる技術(日本経済新聞出版社)

【 編集後記 】
本日はいつもお世話になっている日経ビジネスさん主催の課長塾で「任せ
昨日は、SMBCコンサルティングさんにて「やりきる部下のつくり方」
「任せる技術」のセミナーを開催してきました。ところが、会場へ行って
みると、よく知っている友人の名前が二つも並んでいるではありませんか。
『残業ゼロ!仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術』などで有名な吉山勇樹
さんと、「あなたの仕事が劇的に変わるメール術」などのベストセラーを
持つ平野友朗さんです。

SMBCさんでは、たくさんのビジネス書作家さんが講師として立つ大き
なセミナーを開催しています。それにしても同日に私たち三人とは。。。
お互いに、会場へ顔を出し「やあ!やあ!」挨拶をしてから一斉にセミナ
ーをスタートさせました。世間は狭いですね。さてさて、明日はいよいよ
4月1日に出発するサハラ砂漠マラソンの準備の一環として、負荷心電図を
取りに行きます。ここでOKが出ないとレースに参加できないのです。

20kgのリュックを背負ってトレーニングしていて膝を痛めてしまった最近
は、まったく練習ができていません。気は焦るのですが、ムリをして出場
できなくなっては元も子もありません。後1週間ほど安静にして、それか
ら最後の追い込みをしようと思っています。そうそう。3月26日(火)の
19:00から飯田橋にて友人と合同で「サハラ砂漠壮行会」を開催します。メ
ルマガ読者の皆さんもどうぞお越しいただき、私を応援して下さい。サハ
ラへ持って行く日の丸に寄せ書きをお願いしたいと思います。来週には本
メルマガで詳細をお伝えします。では、次回をお楽しみに!

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