作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

小倉広メルマガvol.308 柔道話法とスポットライト話法を使うと伝わる


vol.308 柔道話法とスポットライト話法を使うと伝わる。 
出典:なぜ、上司の話の7割は伝わらないのか



柔道話法とは「まさにおっしゃる通りです」と返すこと。
スポットライト話法とは「まさにそこがポイントです」。
この2つの話法を使って上司が話をすると、
部下の情熱や、やる気を引き出せます。
それはなぜか? 部下の発言に紐付けて上司の話をすることになるからです。
人は自分が聞きたい話しか聞きません。
ならば、上司のしたい話を部下の聞きたい話に紐付ければよいのです。
その時に使うテクニックが、この柔道話法とスポットライト話法なのです。

◎人は聞きたい話しか聞いていない

人は話を聞く時に、自分の聞きたいことしか聞いていません。
たとえば、お腹がいっぱいな人に料理の話をしても、
聞いてはくれないでしょう。
また、車に興味がない人にスポーツカーの魅力を話しても、
聞いてくれるはずがありません。
相手は「なるほどね」とうなずいているだけで、
実は全く聞いていないのです。

ですから、上司が部下に伝えたいことがあるならば、
まずやらなければならないのは「部下の聞く姿勢を作る」ことです。
逆説的に言えば、人は自分の聞きたいことや、
自分に関係すると思うことであれば聞いてくれるのです。

そこで本章では、
さまざまな「部下の聞く姿勢を作る」方法を述べてきました。
たとえば、部下のお腹の中に詰まっている「黒い石」を取り出して、
それに対する解決法を示したり。部下の黒い石に紐づけて話したり。
もしくは、ベネフィットと貢献に翻訳して話したり。
部下のビジョンを聞き出して、
会社のビジョンと重ね合わせるお話もしました。

そして、これらに関連したスキルが、
次で説明する「柔道話法」と「スポットライト話法」なのです。

◎「まさにおっしゃる通りです!」「まさにそこがポイントです!」

たとえば、会社で新商品を出すことになったとしましょう。
ところが現場は非常に忙しい状態だとします。
「新商品が出たからこれも売ってくれ」と上司がそのまま言えば、
部下たちが「またですか」と、うんざりするのは目に見えています。
そこで上司は「柔道話法」を使うのです。

上司はまず部下に現状を尋ね、部下のお腹の中から黒い石を引き出します。
すると、部下からはいろいろな不平不満が出てきます。
そのうちに部下が、こんな話をし始めました。
「今でも忙しくて大変なのに、
最近はお客さんから不満を言われることが多いんです」
「うちの商品のここがダメとか、あそこが足りないとか」
「他社の商品のほうがいいとか言われるんです」と。
その時、上司は「まさに君が言った通りのことなんだよ」
「実はね、それを全部クリアしている新商品が出るんだよ……」と、
上司が話したかった新商品の話に持っていくのです。
これが柔道話法です。

「柔よく剛を制す」という言葉がありますが、
柔道で体の小さな人が自分より大きな人を投げとばせるのは、
相手の力を使って投げるからだといいます。
同様に、柔道話法も相手の力を使います。
部下に不平不満を言わせ、それを「まさにそれだよ」「君の言った通りだよ」
「これが君の言っていたお客様の不満を解消する新商品なんだ」
と、上司のしたかった話にグイッと紐づけるのです。

次に「スポットライト話法」です。
柔道話法が上司と部下の1対1で使うのに対し、
スポットライト話法は上司対メンバー全員など、1対多の時に使用します。

そして、スポットライト話法を使う時も、
上司がまずは部下に先に話をさせます。

では、先ほどと同じく、
上司が部下に新商品の話をしたいと考えているとしましょう。
そこで上司は会議を聞き、皆の話を聞き出します。
すると、各人がさまざまな不平不満や疑問を出します。
上司はその話を「なるほどね」「そういうことがあるのか」
と一つ一つ聞いていきます。

するとその中に、
上司が「待ち構えていた」不平不満が出てくることがあります。
それをキャッチした上司はすぐさま、「それは大事なことだね」と
その話にスポットライトを当てます。
そして「それね、もしかしたら解決できるかもしれないよ。
実は新商品が出ることになってね……」と
柔道話法で自分が話したい話題に持っていく。
これが、スポットライト話法から柔道話法へ持っていく連続技です。

上司は部下の話を聞き、上司の話と一致するものにスポットライトを当てます。
そして、その部下の話に上司の話を紐づけて話すと、
部下は「自分の話を聞いてくれた」「自分の考えていたことが会社に伝わった」
と感じます。
そして、上司の話は自分が考えていたことと同じだと思った部下は、
身を入れて上司の話を聞いてくれるようになるのです。

◎詐欺でも嘘でもない、演出

この2つのテクニックの話をすると、「ちょっと詐欺欺っぽくないですか?」
「なんだか下をだましているようで……」と言われることがよくあります。
部下が言うことと逆の方向に上司が話を持っていくのであれば、
これは上司が部下をだましていることになります。
しかし、この2つのスキルを使う時は、上司と部下の方向性は同じなのです。
上司がこのスキルを使うと、部下は自分の意見が通ったと錯覚します。
錯覚はするけれど、部下の意見が通っていることに変わりはありません。
詐欺でもなければ嘘でもない。これは「演出」だと私は考えています。

大切なのは、柔道話法もスポットライト話法も、
部下から話を聞くことが前提にある、ということです。
上司が部下から話を聞き出さなければ、どちらも使うことはできません。

つまり、上司が部下に話を「伝えたい」と思うのであれば、
逆に「まず聞くこと」が何よりも大切なのです。
先ほどもお話ししましたが、人は自分の聞きたい話しか聞かないからです。
そこで上司は部下の話を聞き、この人は何が聞きたいのだろう、
この人は何に興味があるのだろう、
この人は何に不満があるのだろうといったデータを集めます。

そしてそれらを全部つかんだ上で、
その中にスポットライトを当てて柔道話法でつなげます。
そうすることで初めて、
「実はあなたの言いたいことと私の言いたいことは一緒でしたね」
と上司は演出をすることができるのです。

多くの上司は、部下がお腹がいっぱいでも食べさせ、
部下が聞きたくもない話を延々と話し続けます。
つまり、一人相撲を取っているわけです。
しかし、優秀な上司は部下に合わせます。
部下の話を聞き、部下が聞きたいと思っている話をします。
部下の聞きたい話が、結果的に上司が話したい話になっている。
これが部下の情熱や、やる気を引き出し、
上司の話を部下に伝える理想的な状態なのです。

1月10日配信 小倉広メルマガvol.301 「店員さんに「ありがとう」と言う。」


vol.301「店員さんに「ありがとう」と言う。」
出典:何をやってもうまくいかないあなたがたった1分で自分を変える100の方法


お昼ごはんを買おうとコンビニに立ち寄ったときのこと。
お弁当とお茶を持ってレジに行きお金を払いました。
店員さんに「ありがとうございました」と
品物が入った袋を差し出された私は、
品物を受け取りながら、うっかり「ごちそうさまでした!」と言ってしまいました。
しまった! と思い、慌てて「いやあ、アハハ。ありがとうございます」
と照れ笑いをしながら言い直し、
私はそそくさとコンビニを出てきました。
「またやっちゃったなあ」「ありがとうございますって言いたかったんだけど」と、
つぶやきながら。

長い間、私が店員さんにお礼の言葉をかけることといえば、
飲食店での「ごちそうさま」くらいでした。
「ありがとうございます」と言われでも、
「ありがとうございます」と返すことはありませんでした。

しかし関西では売る側・買う側も関係なく、
気軽に「ありがとう」と言い合っていることを知りました。
たとえば八百屋のおじさんから野菜を買い、
おじさんが「おおきに」と言うと、
それに対し買った人は「ありがとう」と返します。
大阪勤務時代に「おおきに」「ありがとう」のやりとりを見て素敵だなと思い、
それからは私も「ありがとう」を言うようになりました。

レストランや店だけでなく、タクシーに乗ったときも降りるときは
運転手さんに「ありがとうございます」とお礼を言うようにしています。
「ありがとう」の気持ちを口にするだけで、すがすがしい気持ちになれます。

一方で、長年の癖はすぐには抜けず、
つい言い慣れた「ごちそうさま」を言ってしまうこともしばしば。
自然に「ありがとうございます」が口から出るようになるには、
もう少し時間がかかるかもしれません。
しかし失敗することがあっても気にせずに、
自分に自信をつけるためこれからも「ありがとう」の気持ちを
伝えていこうと思っています。

12月26日配信 小倉広メルマガvol.300 「顔で笑って心で泣いて、 武士は食わねど高楊枝」


vol.300「顔で笑って心で泣いて、 武士は食わねど高楊枝」
出典:任せてもらう技術


辛いときこそ笑うのが上司のつとめ

20代のころ、僕は上司に指摘されたことがある。
「小倉、ストレスが全部顔に出ているぞ」
よほど僕が仏頂面をしていたのだろう。
うまくいかないことやイライラすることがある度に、
何も考えず、そのまま顔に出していたのだと思う。
そんな僕が上司になってみてわかったのは、
「上司はいつも笑っていなくてはいけない」ということだった。

組織のリーダーが怖い顔をしたり、不安そうな表情をしていると、
部下はとても不安になる。
「大丈夫かな、何かあったんだろうか」
そんなことを考えていると落ち着かないし、目の前の仕事に集中できない。
上司が仏頂面をしているチームほど、マズいものはないのだ。

会社を立ち上げて社長になったとき、僕はそのことに気づいた。
そして、どんなに大変なこと辛いことがあっても、
いつも笑顔でいようと心に決めたのだ。

これを実践するのは想像以上に難しい。

特に、会社の資金繰りが悪化したり、
企業同士の業務提携でもめたりといった深刻な場面では、
笑ってなんていられないことも多かった。
ふと気づくと、眉間にしわを寄せて、
ものすごい目つきで考え込んでいる自分がいることもあった。

だから僕は、つくづく、お笑い芸人はすごいなと思う。

明石家さんまさんは、いつも楽しそうにゲラゲラ笑っているけれど、
人問なのだからしんどい日だってあるはずだ。
それでも彼は絶対に人前では顔に出さない。
あれこそがプロというものだろう。

会社の上司も、管理職としてのプロ意識が高い人ほど、
笑顔の裏で辛いことや大変なことを隠しているはずだ。

だけど、怒りも不安もストレスも顔には出さない。

たとえ「下手をしたら、うちの会社はつぶれるかもしれない……」
というときでさえ、平気な顔をしているのが上司のつとめだ。

それはまさに「武士は食わねど高楊枝」の精神といえるだろう。

◎自分の意思に反する決定ものみ込まなくてはいけない

それに、上司にだって上司がいることを忘れてはいけない。
部長や課長といった中間管理職は、
さらに上の人たちの意見に従わなくてはいけないこともしょっちゅうだ。

たとえ自分はA案がいいと思っても、経営会議でB案だと決まれば、
それをのむしかない。
だが、B案に決まったことを現場の部下たちに伝えるのは、
部長や課長の仕事だ。

自分の意見と異なる案でも、
それを会社の決定事項として話さなくてはいけない。

ここで、ダメな上司はつい、こういってしまう。
「俺は本当はB案には反対だったんだよ。
でも、会社が決めたことだから、仕方ないよね」

しかしそんなことをいったら、組織の統制はメチャクチャになる。
「そうか、課長も本当はやりたくないんだ……」、
そう思った部下たちは、B案の仕事を一生懸命やらなくなるだろう。

だからこの場合、たとえ本心ではA案がいいと思っても、
B案に決まった以上は、それを自分の意思として伝えるのが、
正しい上司のあり方だ。

不満そうな表情など一切見せず、
笑顔で「今回の選択はB案がベストだ」といい切るのが優秀な上司なのだ。

だが、想像してみてほしい。

これって、ものすごく辛いことだと思わないだろうか?

自分の意見とは異なる決定をのみ込むには、心の整理が必要だ。
とことん議論して、意見をぶつけ合った末でなければ、とても納得などできない。
だが、毎回それをやるにはパワーも時間も必要だし、心身ともに消耗する。
だから、上司は会社の決定に100%納得ができないまま、
生煮えの状態で上の意見をのみ込んでいることもよくあるのだ。

上司は部下の見えないところで、
そんなバトルや葛藤を日々、繰り広げている。

キミの前でニコニコしている上司を、そっと観察してみてほしい。
もしかしたら今この瞬間も、心のなかで泣いているかもしれないのだから。

12月19日配信 小倉広メルマガvol.299 「評価は不満抑制ではなく人材育成のためにある」


vol.299「評価は不満抑制ではなく人材育成のためにある」
出典:とにかくすぐに「稼げて・動けて・考えられる」社員のつくり方


◎パイを切り分けるのではなく大きくする

そもそも評価制度とはいったい何のためにあるのでしょうか?
多くの人は評価制度を「不満なくパイを切り分ける」ためのツール
つまり「不満抑制」の道具と誤解しています。

しかし、本来の目的はそうではありません。
評価制度とは「パイそのものを大きくする」ためにある。
つまりは評価制度の運用を通じて人材を育成し、
その結果として売上や利益を大きくする。
まさに「稼げる社員」と「儲かる会社」をつくるためにあるのです。

となれば、上司に求められる行動も大きく変わるはず。
上司は決められた手順通りに進める役所仕事のような
「守り」の運用ではなく、「攻め」の運用をすることが必要となる。
部下に対して積極的に仕事上のアドバイスをしたり、
手伝いを買って出る。面談を活用して日頃中々話せないような
突っ込んだコミュニケーションをとってみる。
そんなきっかけとして評価制度を使えば人材育成も進むはず。

上司が評価制度を見る目を変えれば、
制度の効果がガラリと変わるに違いありません。

◎ベーコンエッグのニワトリではなく豚になれ

評価制度は部下のどこができていて、
どこが足りないかを明確に示してくれる便利なツールです。
では、上司はこのツールを活用して、
どのように部下育成をすればいいのでしょうか。こんな言葉があります。

「ベーコンエッグをつくるには、ニワトリは参加(卵を提供)すればいいが、
豚は献身(自らの体を提供)しなければならない」。

僕たち上司は往々にして、「献身」をせずに、「参加」してしまう。
上司として誰からも攻撃されない安全地帯に身を置きながら、
部下の問題点を指摘するだけの評論家になりがちです。

つまり僕たちは部下の足りない点を指摘するだけの評論家であってはならない。
部下の不足を自らの責任と痛感し、共に痛みを感じ、
部下のために自分の大切な「何を」投げ出して献身をしなくてはならない。
そう言っているのではないでしょうか。

では、投げ出すべき大切なものとは何なのでしょうか?
それは、上司にとって最も大切な自分の時間であったり、
価値観であったり、プライドのようなものなのかもしれない。
僕はそう推測をしました。
上司はそれらを投げ出した時に初めて、
参加ではなく献身をしたことになる。

そして、その時初めて評価制度を通じて部下が育ち始めるのです。

「ベーコンエッグにおけるニワトリと豚。自分は果たしてどちらだろうか?」。
心して覚えておくべき言葉ではないでしょうか。

◎フィードバックで部下に謝る上司
「君はココとココがこんなにもできていない。
期初に定めた目標だって達成できていない。取り組み姿勢だって物足りない。
だから評価はCランク。次回、頑張ってくれよ」。
「はい……。頑張ります」。
上司とのフィードバック面談を終えて部下がとぼとぼと部屋を出ていきます。
ダメなところをこれでもか、と指摘され、
挙げ句の果てに低い評価を提示された部下。
自業自得なのかもしれませんが、その部下は果たして
次の期に心機一転頑張ることができるでしょうか?

一方で、ダメな部下に対してまったく違うフィードバックをする上司もいます。
「今回君の評価はC評価だ。目標の達成度や取り組み姿勢から考えれば、
これは受け容れざるをえない現実だ。
しかし、こうなったのは君のせいだけではない。僕にできることが
もっとあったはずだ。もっと早くから巻き返しをすべきだった。
もっと君を手伝うこともできたはずだ。君の頑張りも足りなかったが、
上司の僕も足りなかった。すまない。しかしこのままじゃ悔しいじゃないか。
これから君への関わりを僕は変えていく。厳しいことも言うだろう。
ぜひ、もう一回やり直そうじゃないか」

さて、どちらの上司がニワトリであり、
どちらが豚の献身をしているでしょうか。

評価制度を活かすも殺すも上司次第。
僕たち上司は部下とチームに献身し「稼げる社員」をつくらなくてはいけません。
評価制度はそれを後押ししてくれる強力なツールなのです。

12月5日配信 小倉広メルマガvol.297 「君の許可なしに 誰も君を侮辱することはできない」


vol.297「君の許可なしに 誰も君を侮辱することはできない」
出典:35歳からの生き方の教科書


20代のころの僕は、人の目ばかりを気にする小さい奴だった。
自分の中に軸がなかった。
だから、他人の風評に左右され右往左往していた。
他人から批判されたら落ち込んだ。相手から侮辱されたら腹を立てた。
刺激、即反応。
餌を出されたらヨダレを垂らす、まるでパブロフの犬のようだ。

しかし、20代の僕にまだ余裕はない。
だからそれがおかしなことだと気づきもしなかった。
そして人の顔色を気にすることで毎日忙しかった。
相手が僕を傷つけませんように、僕を嫌いになりませんように。
バカみたいに相手の反応ばかりを気にする不健康な毎日を送っていたのだ。

30歳になろうかというある日のこと。
こんな苦しい思いをするのはもうまっぴらだ、と僕は考えた。
そして、なぜ僕はこんなに苦しいのか、と考えた。
考えること1週間。
ようやく僕は気がついた。
苦しいのは、僕を批判する奴がいるからじゃない。
批判する奴の言うことをバカ正直に真に受けている自分が悪いのだ。
僕を批判する奴と一緒になって、
自分を責めている「僕」自身が原因であることに気がついたのだ。

僕の許可なしに、誰も僕を侮辱することはできない。なんてこった!
僕はバカみたいに僕を侮辱する奴に、
僕を侮辱する「許可」を与えていたんだと気がついたのだ。

そうとわかれば話は早い。
まず僕は自分を侮辱する奴に「許可」を与えないことにした。
あんたが何を思おうが言おうが、それはあんたの勝手だ。
でも僕はあんたの言葉に左右されたりはしない。
僕が左右されるのは、僕の内なる基準、内なる声だけだ。
そう自分自身に宣言したのだ。

そうしたら、とたんに気持ちが楽になった。
他人の反応に右往左往しなくなり、
どっしりと心に余裕ができるようになった。
僕は他人に人生を支配されることをやめた。
僕はようやく自分の人生を自分の手に取り戻したのだ。

35歳、人生の折り返し地点が近づいた僕たちは、
そろそろ自分の人生を取り戻してみてはどうだろうか。
そのためには、誰かが君を侮辱しようとしても
それに「許可」を与えるのをやめることだ。

それだけで君の心は格段に軽くなるはずだ。

11月21日配信 小倉広メルマガvol.295 「“まずは部下に話させる”と伝わる」


vol.295「“まずは部下に話させる”と伝わる」
出典:なぜ、上司の話の7割は伝わらないのか


多くの上司は部下に話を伝えたいと思うと、真っ先にその話を部下にします。
そして、「どうも部下に話が伝わっていないようだ」と感じると、
さらに重ねて話し続けます。
ですから、いつまでたっても上司の話は部下に伝わらないのです。
上司が部下に話を伝えたいのであれば、まずは部下に話をさせること。

部下に話をさせ、部下から不平不満や疑問を引き出し、
その解決策を示してから、上司は自分の話を伝えます。
この順番が非常に大切なのです。

◎お腹を空っぽにする

人はお腹がいっぱいの時は何も食べられません。
もしそこで口の中にパンを詰め込まれたら、
「食べたくないよ」と吐き出そうとします。
「部下に話が伝わらない」と嘆く上司は、
部下にこれと同じことをしているのです。

部下に話が伝わらないと、上司はもっと話そう、もっと話そうとします。
つまり、お腹がいっぱいの部下の口の中に
上司がぐいぐいとパンを詰め込むのです。もちろん部下は食べません。
すると上司は「なぜ食べないのだ?」と尋ね、さらに口の中にパンを詰め込む。
これが、話が伝わらない上司の典型的なパターンです。

部下に話を伝えたいのであれば、まずは部下のお腹をすかせることです。
部下のお腹をすかせるためには、
上司が部下のお腹の中に詰まっているものを引き出さなければなりません。
では、部下のお腹の中にはいったい何が詰まっているのでしょうか?
それは「黒い石」です。

黒い石とは、会社や上司に対する不平不満や不信感、疑問、
もしくは自分自身の頑ななこだわり、などです。
部下のお腹の中には、これらの黒い石がぎっしりと詰まっているので、
全くスペースがありません。
それなのに上司は、さらにそこに詰め込もうとします。
それでは「伝わる」わけがない。

そうではなく、上司はまず、部下のお腹の中にある黒い石を取り除き、
部下のお腹を空っぽにすること。
そうしなければ上司の話は全く部下に入らないのです。
部下のお腹を空っぽにするには、部下に話をさせることです。
そこで私は、話の「最後」ではなく「最初」に質疑応答をすることに
しています。たとえば私が、今月の部署の方針を部下に伝えるとしましょう。
会議室に集まった皆を見渡して、
私は「どう、最近?」
「これから今までと違う新しい方針について話そうと思うのだけど、
これまでやってみて、皆どんな気持ち?」
「わからないことはある?」と聞きます。

このように「最初」に質疑応答をすれば、部下からさまざまな不平不満や意見、
疑問などが出てきます。部下にそれらを吐き出させることで、
部下のお腹の中にはどんどん隙間ができていくのです。
そこで初めて「実は新しい方針というのはね……」と自分の伝えたい話をする。
すると、できた隙間に伝えたいことがスッと入っていきます。

多くの上司は質疑応答を最後にし、「では今月の方針ですが……」と
いきなり部下の口の中にパンを詰め込もうとします。
そして、パンを詰め込んだ後に「何かある?」と質疑応答をします。
これでは部下には何の話も入らず、しかも部下からは何の質問も出てきません。

ですから、上司が部下に話を伝えたいのであれば、
自分の伝えたいことをいきなり部下に話すのではなく、
まずは最初に部下に話をさせること。
これをぜひやってもらいたいと思います。

◎聞きっぱなしにしない

そこで、上司が「よし、まずは部下の話を聞くことにしよう」と
決心したとします。
早速、上司は部下に質問し、
「そうか、そういう問題があるのか。なるほどね」と部下の話に
あいづちを打ちます。そして「ところで、新しいうちの方針だけどね……」と
自分の話を続けたとしたら。これではせっかくの質問も台無しです。
部下は「なんだ、上司は全然話を聞いていないじゃないか」
「聞くだけ聞いて、何も解決していないじゃないか」と失望するでしょう。
上司が部下の話を聞き、部下のお腹の中から黒い石を取り出したらそれで終わり
ではありません。
上司がその黒い石をトラブルシューティングしないと、
黒い石はまた部下のお腹の中に戻ってしまうのです。

しかし、部下の黒い石はすぐに解決できないものばかりだと思います。
そういう場合、少なくとも上司は、「すぐには解決できないけれど、
まずこれだけは手を打つよ」と、何かしらの着手を示すことが大切です。
もしくは「すぐに解決はできなくても、近い将来には解決していくよ」と、
しっかり言葉で表すことが重要です。

そうやって上司が何らかの解決の一歩を見せないと、
部下は次のステップに進むことができません。
上司が部下から取り出した黒い石に手を打ち、その後に、
部下に自分の伝えたいことを話すと、上司の話を聞き入れる余裕、
スペースが部下には生まれるのです。

◎紐づけて話す

上司が部下に話を伝えたいならば、まず部下の話を聞き、
部下から出てきた不平不満や意見、疑問に対し
トラブルシューティングをすること、と言いました。
これは上司の話を受け入れるスペースを部下の中に作る意味でお話ししました。
しかし、それ以外にもう1つ、部下の話を聞くと、それが部下の情熱や
やる気を引き出す強力な働きがあるのです。

たとえば、部署の新しい方針をあなたが部下に伝える、としましょう。
あなたは先ほど学んだように、まず部下の話を聞くことから始めます。
会議室に皆を集めて「どう、最近? 今までのやり方で気になることはある?」と。
すると、皆はいろいろな黒い石を吐き出します。
「今の目標数値が厳しくて……」
「これをやって本当に達成できるんでしょうか?」
「お客様から最近、こんなことを言われまして……」
「チーム内でこんな問題が起きているんです」
「僕はこう思っているのですが、どうでしょうか?」と、
さまざまな不平不満や意見、疑問が出てきます。その時、上司は、
出てきた黒い石から部下のさまざまな情報を得ることができます。

たとえば、「A君はお客様にもっと貢献したい、と考えているんだな」とか
「Bさんは、もっと違う方法でやりたいと思っているんだな」などです。
そこで上司が話をする時は、
インプットした部下の情報に紐づけて話をするのです。
「A君、今度の方針はお客様の要望に応えるものだ。だから、きっと
お客様に喜んでもらえると思うよ」とか
「Bさん、会社の新しい方針はBさんがやりたかった方法とかなり近い内容だよ」と。
こんなふうに上司が部下の疑問や要望に紐づけて話すと、
部下は「自分の意見が通った」「自分のことをわかってくれた」と感じます。

そして、「では、これからも頑張ってみよう」と部下のやる気や情熱が
引き出される。これが「紐づけて話す」というスキルです。

上司がまず部下に話をさせ部下の黒い石を引き出すと、
部下の中に上司の話を受け入れるスペースができます。
そしてそれだけでなく、上司が引き出した部下の黒い石に紐づけて話すことで、
部下の情熱ややる気をさらに引き出すことができるのです。

11月14日配信 小倉広メルマガvol.294 「何かあったら言ってきて!」と、言う上司は、トラブル対応に追われ続ける。


vol.294「「何かあったら言ってきて!」と、 言う上司は、トラブル対応に追われ続ける。」
出典:成長する人は知っている28の小さなきっかけ


「なんでもっと早く相談してこなかったんだ!」
伊藤マネジャー(仮名) に怒鳴られ、
私はビクッと後ろに下がりました。
そして小さな声で「伊藤さん、いつも忙しそうだったんで……」と
言い訳をしてしまいました。
それが伊藤さんの怒りの火に油を注いでしまったようです。

「言い訳するな! 忙しそうに見えても、上司を捕まえるのが部下の仕事だろう!」
「何かあったら言ってこい、と言っておいただろう! 
もっと早く相談してくれたら、ここまでひどくならずに済んだはずだぞ」
なにしろ、今回のプロジェクトで失敗をしてしまったのは私です。
言い訳をし続けることはできません。
「すみません……」そう謝ってこの話を終えました。

プロジェクトの進行が遅れ遅れになっているのは、
ずいぶん前からわかっていました。
しかし、いくら催促しても、他部署からの資料は出てこないし、
伊藤さん自身も会議に出てくれません。
私は立場上プロジェクト・リーダーという形になっているものの
役職が上のメンバーばかりで、実質的にはリーダーでも何でもない、
と考えていました。

そこで、責任を放棄して、下働きの事務局的動きしかしていませんでした。
言うことを聞いてくれない目上の方々の相手に嫌気が差し、
もう、どうでもいいや、
と半ばリーダーの職を投げ出してしまっていたのです。

そんな苦い思い出があるにもかかわらず、
私は上司という立場になった途端、部下に対して、
かつての伊藤マネジャーと同じ対応をしてしまいました。
「何かあったら、言ってこいよ!」とだけ言い残し、
早めに報告、連絡、相談に来ない部下に怒鳴り散らしていたのです。
「『何かあったら言ってこいよ』そう、言っただろう!」と。

そもそも、部下は上司への報連相が大嫌いな動物です。
皆さんが現在もしくはかつて部下だった頃、上司へ報連相をしたときに、
どのようなことが起きたか覚えていますか?
私は、講演会などでよくこれと同じ質問を受講者の方々へ投げかけます。
「皆さんが上司に報連相をするとどのようなことが起きますか?」と。
するとほぼ100%に近い確率で、このような答えが返ってきます。
「はい。『面倒』なことが起きます!」と。

行動科学マネジメントの世界で、
人の行動を強化する因子を「好子(こうし)」と言います。
たとえば、子どもがお使いをしたらお小遣いをもらえて嬉しかった、とします。
そして「お母さん、僕、もっとお使いに行こうか?」と
積極的にその行動を繰り返そうとします。
この場合、「お使い」という行動に対して「お小遣い」が好子として働いた、
ということができます。

一方で、お使いに行ったら、今度はお父さんから
「そんなことをしている暇があったら勉強しなさい!」と叱られたとします。
すると、お使いをするとろくなことがない、と思い、
子どもはお使いに行かなくなります。
これは「お使い」という行動に対して「父からの叱責」が
「嫌子(けんし)」として働いた、ということです。

先の「報連相をしたら面倒なことが起きる」という体験は、
報連相に対して嫌子として働いている、ということが言えるでしょう。

つまり、ほとんどの部下は報連相をしたらろくなことがない、
という経験を持っており、報連相が大嫌いである、といえるのです。

にもかかわらず、そんな部下に対して「何かあったら言ってこいよ!」と言う
上司はいったい何を考えているのでしょうか?

部下が大嫌いなことを、自主的に自発的にやらせようとする。
そして、一言言っただけで、そのままほったらかしにする。
それは、失敗を自らの手で確定させている、と言っても過言ではないでしょう。

「『何かあったら言ってきて!』。上司はこのセリフを言ってはいけません」
私が講演で繰り返し伝えているメッセージです。
もしも、あなたが私のメッセージに反して
そのセリフを言い続けているとしたら……。おそらくあなたは、
永遠に部下から報連相を受けることはできないでしょう。

なぜなら、部下は「何かあっても」決して「言ってはこない」からです。
そして、ギリギリもギリギリ。もうどうしょうもなくなって、
手遅れになってから上司に報告に来るのです。
かつて、私が伊藤マネジャーからどやしつけられたときのように。

そうではなく、定期的に部下の進捗をフォローするのです。
私がお勧めしているのは、週に1回、仕事の進捗をチェックし
支援する1対1の面談を行うこと。
可能であれば1回1時間、それがムリならば30分、いや、15分でもいい。
一人ひとりに「今週の進捗はどう? 困っていることはない?」と
話しかけるのです。

その際に注意してほしいことがあります。
それは上司が部下を「取り調べ尋問」しない、ということ。
「例の件、どうなっている? なにぃ? まだできていないだとぉ?
この1週間いったい何をやっていたんだ? 昨晩は何をしていた?
おとといは?」

このような面談をしてはいけません。
これは刑事が犯人を追い詰めているようなもの。
これでは、部下のやる気は起きません。
ますます報連相をしなくなるに決まっているからです。

「何かあったら言ってきて……」
このセリフを言っている上司は、部下が起こすトラブルの後始末から
永連に逃れることはできません。
そうではなく、上司の方から情報を取りにいくのです。
ただし、取り調べ尋問のスタイルではなく、部下を助け、支援する、
という視点で面談を行わなければなりません。
かつての私と同じ間違いを繰り返さないためにも。

11月7日配信 小倉広メルマガvol.293 「自分と、部下のためにストレスをコントロールする」


vol.293「自分と、部下のためにストレスをコントロールする」
出典:人生を後悔しないために38歳までに決めておきたいこと


◎ストレスで部下とチームに迷惑をかけるな

リーダーや経営者に近い存在となる40代は、自身でストレス・コントロールを
することが極めて重要です。部下のモチベーシヨン・アップに必要なのは、
上司の心遣いと気配りです。

心遣いと気配りは、心にゆとりがなければできません。
また、心にゆとりがないと、意思決定が狂ってきます。
つまり、ストレス・コントロールをしないと、
部下やチームに迷惑をかけるのです。

「うちの上司はいつもイライラしていて機嫌が悪いな」とか
「すぐに怒るよな」という言葉をよく聞きます。
おそらく僕も、かつては部下からそう言われていたことでしょう。
僕も昔は自分のストレスをコントロールできていなかった。
お客様からクレームがあったら過剰に反応して、
必要以上に商品を変えたり、人を変えたり。
感情的になって「何をやっているんだ!」と部下に怒りをぶつけたり。
自分を守ろうと、保守的な判断をしたり。ストレスフルだと判断基準が狂って、
行動が変わってしまう。それを実感しています。

40代はリーダーになったり、部下を持ったりと、
どんどんストレスフルな立場になります。
だからこそ、自分のため、部下やチームのためにも、ストレス・コントロールは
必須となってくるのです。

◎自分に一番合うストレス発散方法を見つけよう

では、どのようにしてストレスをコントロールすればいいのでしょうか。
ストレス発散方法は人それぞれあると思いますが、
有効な方法の1つに運動が挙げられます。また、趣味を見つけるのもいい。
料理やアートのような右脳を使うクリエイティブな趣味は、
特に左脳を使う仕事のストレス発散につながると言われています。

そのほかに僕は、人に会うこともお勧めします。
「この人と会うと元気になるな」、「この人、カッコイイな」、
「こんな人になりたいな」と思う人に会う。
すると非常にリフレッシュでき、
「よし、オレも頑張ろう!」と気持ちが変わっていく。
これもストレス・コントロールの1つになるのです。

ストレス・コントロールには、アファメーションや瞑想も効果的です。
アファメーションとは、自分で自分に暗示をかけること。
自分にポジティブな言葉で語りかける。
たとえば「自分ならばできる」、「自分は今エネルギーに満ちあふれている」
などと自分に語りかけ、心のあり方をポジティブに持っていくのです。

さらにもう1つ、ストレス・コントロールに大きな効果があるものを紹介します。
それは「リフレーミング」です。「リ」はリサイクルやリバイバルの“リ”、
「フレーム」はメガネなどのフレームのこと。フレームを作り直す、
つまり物事を捉える枠組みを変えていく、ということです。

たとえば、上司から叱られたとします。「イヤだな、ツライな」、
「いつも叱られてばっかりで苦しい」と考えると、ストレスが発生します。
だけど実は、「叱られることは悪いことじゃない」、
「叱られるのは愛の裏返しだよね」、「叱られないほうがまずいよ」、
「叱られるのは逆にチャンスじゃないか」と、叱られることに対する
フレームを変えていくのです。

ものごとを見る際に、1つの見方しか持っていないと、
イヤだな、とストレスになる。しかし、「よかったじゃないか、叱られて」と
リフレーミングができるようになると、ストレスにならない。
自分で行なう一種のマインドコントロールですが、
こんな風にしてストレスをコントロールするのもとても有効です。

◎ストレス・コントロールを予定化する

最初に、ストレス・コントロールをしないと部下やチームに迷惑がかかると
言いました。それだけでなく、誰もが知っているように、
ストレスは人生のすべてに影響します。
ストレスフルだと過食に走りダイエットに失敗することもある。
睡眠の質も悪くなる。体調を崩し病気になる。
ストレスはすべての根っこにあるもので、
だからこそコントロールがとても重要なのです。

「仕事のし過ぎは体に悪い」とよく言われます。
しかし、僕は、絶対的な仕事時間の長さや仕事量が問題だとは思いません。
そこにストレスがあるかどうかが重要ではないか、と思うのです。

自分にとってその仕事が、いいプレッシャーであり、
楽しくイキイキできるのであれば、長時間働いても体は壊さない。
逆に、イヤだな、ツライな、なぜオレだけがやらなくてはいけないんだ、
と思うと、ストレスが体と心をむしばんでいきます。
だから、くれぐれも、ストレス・コントロールを甘く見ないことです。

運動、趣味、人に会う、アファメーション、リフレーミング。
これらの手法を使いながら、
自分にとって一番いいストレス・コントロールを身につけて下さい。
そして、それらをめんどうくさがらず後回しにせず、
きちんと予定化してやっていくこと。それが何より重要なのです。

10月31日配信 小倉広メルマガvol.292 「バスに乗るか乗らないかを確かめよう」


vol.292「バスに乗るか乗らないかを確かめよう」
出典:チームのルール

「ます始めに適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、
その後に行き先を決める」。

大ベストセラーとなったビジネス書
『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』(日経BP社)で指摘された、
卓越した優良企業に共通する組織の運宮方法です。
ここでいう「バスに乗る人」とはすなわち、ビジョンに共感し一緒にがんばる、
と決意した人のことを指します。

我々リーダーは、勝てるチームを作るために「バスに乗せるか、降ろすか」を
先に定めなくてはなりません。
最初から「バスに乗る気のない人=リビジョンを実現するつもりのない人」の
意見を尊重しても、それは周囲の人にとって迷惑なこと。
行き先すなわち戦略やゴールを定める顔ぶれは、
あくまでもビジョンに共感した仲間だけに限られるべきなのです。

しかしえてしてありがちなのが、「バスに乗る気がない人」の雑音に
チームが惑わされてしまうこと。はなから同じバスに乗る気がないならば、
チームに対して意見をする資格はありません。
我々リーダーはまずそこを間違うことのないように注意しなければなりません。

では、実際に「バスに乗らない人」をどうすればよいでしょうか。

もしもあなたが会社のトップであるならば、
会社を辞めてもらう方法を具体的に検討することができるかもしれませんが、
そうではなくチームのリーダーである場合、そうはできません。
「バスに乗らない人」を辞めさせないままに
バスから降ろす方法を考えなければならないのです。

一つの方法は、要職から外し、アシスタント的業務へと役割転換すること。
チームにマイナスの影響を及ぼす人を
強い影響力のある要職につけたままにしておいてはいけません。
できる範囲で「バスから降ろす」ことをすべきなのです。

ビジョンが明らかになったときにリーダーがなすべきことはたくさんあります。
明確な基準で揺るぎない判断を行っていかなければならないのです。

10月24日配信 小倉広メルマガvol.291 「メンバー間の人間関係を修復するのも君の仕事だ」


vol.291「メンバー間の人間関係を修復するのも君の仕事だ」
出典:33歳からのリーダーのルール

「部下同士の間で人間関係がうまくいっていないようなんです」。
リーダーシップ研修の会場でお客様の新任課長から相談を受けた。
それで君はどうするつもり?僕は尋ねた。
すると、「そこまで立ち入るつもりはありません。
人間関係を改善するのは彼らメンバー同士の自己責任です。
そんなところにまで上司の僕が介入してはいられません」。彼は言った。

それを聞いて僕は思った。おそらくこの職場はうまくいかないだろう、と。
人間関係の修復を当事者同士だけで行うのは極めて難しいことだからだ。
そこには第三者の関与が欠かせない。
その役割はリーダーである33歳からの君が果たすべきことなのだ。

経営学の古典であるホーソン実験やPM理論を引用するまでもなく、
職場の人間関係が業績に大きな影響を与えることは自明の理だ。
である以上、業績達成に最も重要な人間関係にリーダーが目をつぶることは許されない。
リーダーが果たすべき重要な役割の一つに職場の人間関係調整があるのだ。
そこから逃げてはいけない。

もちろん、それは部下同士の人間関係にかぎらない。
リーダーたる君自身とメンバー間の人間関係や、君自身と君の上司との関係においても
同じことが言えるのだ。
つまり、リーダーは自分自身を含めあらゆる人間関係から目をそらしてはいけない、
ということが言えるだろう。
修復の方法は人それぞれ。
個性や過去の歴史の積み重ねに応じてあるにせよ、そこを放ったらかしにすることは
まかりならぬのだ。

人間関係の修復に万能な薬はない。しかし、ただ一つ言えることがある。
それは、お互いが心の底から相手の立場に立つことができたなら、必ずや修復は可能だ、
ということだ。
多くの人間関係のトラブルは、相手の気持ちを無視して
独善的な主張を繰り広げることに起因する。
つまりは、「相手のために言ってやっているんだよ」と言い訳をしながら、
相手を傷つける。そんなやりとりの応酬が多いのだ。

だからこそ、33歳からのリーダーたる君が、間に入ることが必要だ。
そしてお互いの気持ちを明らかにする。
「そうか、相手はそう感じていたのか……」とお互いに気づかせるのだ。

人間関係の谷は深い。しかしそこから逃げずに立ち向かうリーダーは強い。
チームの目標達成のために、僕たちは目をそらさずにきちんと向き合うことが必要なのだ。

Top