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<NEW>次世代リーダー塾 第二期 全6講座パック


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2/6,2/10【新版】人を動かす影響力・リーダーシップ2/21,2/25カウンセリング技術を応用「聞き方」「伝え方」実習 2/7,2/11【新版】古典に学ぶリーダーのための人間力3/6,3/3アドラー心理学でつくる協力 […]

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<NEW>次世代リーダー塾 第二期 全10講座パック


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2/6,2/10【新版】人を動かす影響力・リーダーシップ2/21,2/25カウンセリング技術を応用「聞き方」「伝え方」実習 2/7,2/11【新版】古典に学ぶリーダーのための人間力3/6,3/3アドラー心理学でつくる協力 […]

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12月26日配信 小倉広メルマガvol.300 「顔で笑って心で泣いて、 武士は食わねど高楊枝」


vol.300「顔で笑って心で泣いて、 武士は食わねど高楊枝」
出典:任せてもらう技術


辛いときこそ笑うのが上司のつとめ

20代のころ、僕は上司に指摘されたことがある。
「小倉、ストレスが全部顔に出ているぞ」
よほど僕が仏頂面をしていたのだろう。
うまくいかないことやイライラすることがある度に、
何も考えず、そのまま顔に出していたのだと思う。
そんな僕が上司になってみてわかったのは、
「上司はいつも笑っていなくてはいけない」ということだった。

組織のリーダーが怖い顔をしたり、不安そうな表情をしていると、
部下はとても不安になる。
「大丈夫かな、何かあったんだろうか」
そんなことを考えていると落ち着かないし、目の前の仕事に集中できない。
上司が仏頂面をしているチームほど、マズいものはないのだ。

会社を立ち上げて社長になったとき、僕はそのことに気づいた。
そして、どんなに大変なこと辛いことがあっても、
いつも笑顔でいようと心に決めたのだ。

これを実践するのは想像以上に難しい。

特に、会社の資金繰りが悪化したり、
企業同士の業務提携でもめたりといった深刻な場面では、
笑ってなんていられないことも多かった。
ふと気づくと、眉間にしわを寄せて、
ものすごい目つきで考え込んでいる自分がいることもあった。

だから僕は、つくづく、お笑い芸人はすごいなと思う。

明石家さんまさんは、いつも楽しそうにゲラゲラ笑っているけれど、
人問なのだからしんどい日だってあるはずだ。
それでも彼は絶対に人前では顔に出さない。
あれこそがプロというものだろう。

会社の上司も、管理職としてのプロ意識が高い人ほど、
笑顔の裏で辛いことや大変なことを隠しているはずだ。

だけど、怒りも不安もストレスも顔には出さない。

たとえ「下手をしたら、うちの会社はつぶれるかもしれない……」
というときでさえ、平気な顔をしているのが上司のつとめだ。

それはまさに「武士は食わねど高楊枝」の精神といえるだろう。

◎自分の意思に反する決定ものみ込まなくてはいけない

それに、上司にだって上司がいることを忘れてはいけない。
部長や課長といった中間管理職は、
さらに上の人たちの意見に従わなくてはいけないこともしょっちゅうだ。

たとえ自分はA案がいいと思っても、経営会議でB案だと決まれば、
それをのむしかない。
だが、B案に決まったことを現場の部下たちに伝えるのは、
部長や課長の仕事だ。

自分の意見と異なる案でも、
それを会社の決定事項として話さなくてはいけない。

ここで、ダメな上司はつい、こういってしまう。
「俺は本当はB案には反対だったんだよ。
でも、会社が決めたことだから、仕方ないよね」

しかしそんなことをいったら、組織の統制はメチャクチャになる。
「そうか、課長も本当はやりたくないんだ……」、
そう思った部下たちは、B案の仕事を一生懸命やらなくなるだろう。

だからこの場合、たとえ本心ではA案がいいと思っても、
B案に決まった以上は、それを自分の意思として伝えるのが、
正しい上司のあり方だ。

不満そうな表情など一切見せず、
笑顔で「今回の選択はB案がベストだ」といい切るのが優秀な上司なのだ。

だが、想像してみてほしい。

これって、ものすごく辛いことだと思わないだろうか?

自分の意見とは異なる決定をのみ込むには、心の整理が必要だ。
とことん議論して、意見をぶつけ合った末でなければ、とても納得などできない。
だが、毎回それをやるにはパワーも時間も必要だし、心身ともに消耗する。
だから、上司は会社の決定に100%納得ができないまま、
生煮えの状態で上の意見をのみ込んでいることもよくあるのだ。

上司は部下の見えないところで、
そんなバトルや葛藤を日々、繰り広げている。

キミの前でニコニコしている上司を、そっと観察してみてほしい。
もしかしたら今この瞬間も、心のなかで泣いているかもしれないのだから。

6月6日配信 小倉広メルマガ vol.266 『過去に起きたことはすべてラッキー』


vol.266「過去に起きたことはすべてラッキー」
出典:35歳からの生き方の教科書

過去にあった失敗を考えないようにすることができるようになったら、
もう一つ上の上級編にチャレンジしてみよう。過去を否定して
消し去るのではなく、再解釈し直して「良かった! ラッキー!」と
思い直すのである。

例えば、僕は腕を骨折してしまい、しばらくパソコンを使えなくなったことが
あった。普通であれば不運を嘆き悲嘆にくれるだろう。
しかし、そうではなく、僕は「ラッキー!」と考え直した。
「腕の骨折だけで済んで良かった!これからは周囲をよく見て気をつけよう。
今回のことは今後もっと大きな事故に遭わないように神様が注意してくれたんだ
と考えよう。早めに気づいて本当にラッキーだった!」

そして同時にこうも考えた。
「これでしばらくパソコンが使えなくなるな。ラッキーだ!
慌ただしい日常の仕事から離れて、日ごろは忙しくて考えられなかった大事なことを
じっくり考える良い機会ができた。本当に骨折して良かったな~!」

僕がサラリーマンを卒業してベンチャー企業の役員になったときのことだ。最も
驚いたのは知り合う経営者たちがみな一様に超ポジティブだったことだ。
たとえどんなに悪いことがあったとしても、反応は必ず一緒だった。

「小倉さん、良かったじゃないですか!」
僕は最初のころ、何を言われているのか理解できずにひたすらとまどったのを
覚えている。しかし、出会う経営者が一人残らず同じ反応をするので
やがては慣れてしまった。そして、僕自身もそのような考え方が
できるようになりたいと思った。

やってみるとこれはなかなか難しい。ついつい物事を悲観してマイナスに
考えてしまう癖が抜けなかった。

でも、辛抱強く繰り返しているといつの間にか自然にできるようになってくる。
35歳からの君ならば、今からでも十分に間に合う。過去に起きたことは
すべてラッキーと考える癖をつけてみてはどうだろうか。

6月3日配信 小倉広メルマガ vol.265 『やめたくてもやめられなかったお酒をやめた』


vol.265「やめたくてもやめられなかったお酒をやめた」

「365日中、365日飲んでいる」と豪語していた私がピタリとお酒をやめて
3週間が経つ。「よくガマンできますねぇ~」と言われるが、
ガマンなどしていない。やめよう。そう思い立って「決めた」ら
簡単にやめられたのだ。

お酒をやめようと思った理由は2つ。1つは睡眠の質を改善したいと思ったから。
も1つは「惰性で行動するのが嫌になった」ためだ。まずは前者から話そう。

酒を飲むとよく眠れる、というのは大いなる誤解だ。
寝付きはよくなるが睡眠の質は著しく低くなる。お酒を飲むと3時間くらいで
覚醒作用が起きる。アルコールが分解されることで、まるでカフェインを
摂取したかのように目が覚めていくのだ。私は早寝のため、夜10時〜11時には
眠りに就く。すると決まって夜中の1時〜2時に目が覚めてしまう。
しかも、その後眠れなくなってしまったのだ。
これでは快適な毎日など送れるはずもない。良質な睡眠は良質な人生の基礎となる。
私はお酒を減らす、もしくはやめる必要を強く感じた。

2つ目の理由は「惰性で生きるのが嫌になった」ためだ。
夕方、仕事が終わると何も考えずにビールの栓を開ける。1杯飲むと2杯目を。
そしてそのまま眠くなるまで延々と飲み続ける。「飲みたいのか?」と問われると、
えぇ、まぁ・・・・・・、という気分だ。では、飲むのをやめますか?と問われると
何だか淋しいような気がして、お茶やジュースに切り替えることができない。
そんな風にして、なんとなく惰性で一晩にビールを5本、10本と飲む。
そんな自分が嫌になったのだ。

「やめたいのにやめられない」アドラー心理学ではそれを人生の嘘だという。
単に「やめたくない」だけだ。そう喝破するのだ。私はまさに「やめたくなかった」。
でも、言い訳のように「本当はやめたいんだけどね・・・・・・」と
つぶやいていただけなのだ。ポーズを取っていたのだ。

そこで、私は私に問いかけることにした。「本当にやめたいの?ならやめればいい。
本当はやめたくないの?なら、自分に嘘をつくのをやめて、正々堂々と飲もうよ」と。
「本当はやめたいけど、やめられない・・・・・・」などと嘘をつき、自己嫌悪に陥り、
被害者のふりをするのをやめようよ、と。そして「よし、やめよう」と決意した。
それだけのことだ。

私は意思が弱いから、量を減らすことは苦手だ。だからピタリとやめる方がラク。
そう考え、それ以来まったく飲まないようにした。最初の一週間は離脱症状と
呼ばれる一種の禁断症状で苦しんだ。夜、飲んでいた時以上に眠れないのだ。
しかし、その地獄をくぐり抜けたある晩、私はここ数年経験したことのないほどの
深く快適な睡眠を手にし、それ以来、毎晩心地よくぐっすりと眠れるようになった。

それより何より。自己嫌悪に陥ることがなくなったのが大きいかもしれない。
「やめたいのにやめられない」「自分があたかも被害者であるかのような
言い訳を自分にする」毎日を手放すことができたのである。

一番の勝因は「自分で決めた」ことである。誰も私に「酒をやめなさい」
とは言っていない。やめたっていい。やめなくたっていい。飲み続けたっていい。
自分で決める事が出来るのだ。なのに、あたかも自分では決められないかのような
フリをして「やめたいのにやめられない・・・・・・」と言っていた自分を
哀れに思ったのだ。

そうではない。「自分で決める」「自分で決めている」そして
「自分で決めることができる」のだ。だから、やめたっていい。
やめなくたっていい。どうする?自分?そう問うたのだ。これが、
最大にして唯一の勝因だろう。

「人は自分の人生を描く画家である」とはアドラーの言葉だ。
私は私の人生を自分で描いている。そして、これからも自分で描いていきたい。
そう思う。私は今日もコカコーラゼロを飲みながら夕食をとるだろう。
そうしたいから、そうするのだ。それだけのことだ。

5月30日配信 小倉広メルマガ vol.264 『変わりたいと思うきっかけの種をまく』


vol.264「変わりたいと思うきっかけの種をまく」
出典:リーダーのための7つのステップ 49のコツ

-自分のコピーを作ろうとしてはいけない

北川さんは、私が勤めていた会社の先輩です。
彼は営業として全国トップの業績を出し続け、28歳の若さで営業所長に
抜擢されました。そして、着任の挨拶でこう言いました。
「俺のやり方を全部教えてやる。みんながそれを覚えれば、必ず
全国1位になれるぞ」

そんな彼が半年後、飲み会の席でメンバー全員を前にして、土下座して
謝っていました。「すまん。俺が悪かった!」

その営業所は、全国トップどころか最下位前後に低迷。 元気だった
メンバーの何名かは笑顔を失って退職。営業所は崩壊寸前になって
しまったのです。そこで初めて北川さんは気づきました。
「私はメンバー全員を無理やり自分のコピーにしようとしていた。
イチローに対して松井のやり方を強要した。
だから、うまくいかなかったんだ」と。

-無理やり水を飲ませることはできない

西洋のことわざに「喉が渇いていない馬に無理やり水を飲ませることはできない」
というものがあります。人間も同じこと。自ら「変わりたい」と思っていない
メンバーの考え方や仕事のやり方を、リーダーが無理やり変えることは
できないのです。それが「どんなに正しいこと」であったとしても、
「押しつけた」 瞬間に、メンバーはそれを受け容れなくなるのです。
皆さんは、子供の頃に親からこう言われた覚えはありませんか?

「テレビなんか見てないで勉強しなさい!」
親の教えは、間違いなく正しいはずです。しかし、そう言われた瞬間、
皆さんはこう反発したのではないでしょうか。「今やろうとしてたのに!
そんなふうに言われたら、もうやる気がなくなるよ!」どんなに
正しいことを言われても、押しつけられた瞬間に、人は受け容れを
拒絶するのです。リーダーが無理矢理メンバーを変えることは、できないのです。

-きっかけをつくる、変わろうとする人を助ける

しかし、チームが目標を達成するためには、メンバーに成長して
もらわなくてはなりません。その際に、スキルを覚えてもらうだけでは
足りません。自発性や協調性、やりきる力など、仕事への取り組み姿勢を
変えてもらわなくてはならないことが多いでしょう。それはすなわち、
メンバーに変わってもらうことに他なりません。しかし、リーダーは
メンバーを変えることはできない。さて、どうしたらいいのか?
八方ふさがりではありませんか。

1つだけ方法があります。それは、メンバー が自ら「変わりたい」
と思うきっかけをつくること。 押しつけではなく、気づきを与えるのです。
一番よい方法は、メンバーに「同僚の成功事例」を語ること。難しい仕事を
乗り越えて顧客に感謝され、抜群の成績を上げた仲間の体験談を伝えるのです。
これは、上から叱られるよりも、はるかに効果的です。「自分だって!」の
気持ちを引き起こすのです。

5月23日配信 小倉広メルマガ vol.263 『コンテキストで語ると伝わる』


vol.263「コンテキストで語ると伝わる」
出典:なぜ、上司の話の7割は伝わらないのか

-コンテンツとコンテキスト

たとえば上司がよく遅刻をする部下に、「遅刻をしないで来てほしい」と伝えたいと
しましょう。この時、「話が伝わらない」上司は部下にこう言います。
「遅刻してくるなよ」これでは部下は、「はいはい、わかっていますよ」
「うるさいなあ」と思うだけです。
上司がなぜ「遅刻してくるなよ」と言うのか、その真意を部下は理解できません。

一方、コンテキストを交えて話す上司は、たとえばこんなふうに部下に話をします。
「高橋 (仮名)、昔はオレも高橋みたいによく遅刻していたんだ」
「ある時、大きなプロジェクトがあって、オレはどうしてもやりたいと思い、
そのリーダーに立候補した」
「その時に上司から 『おまえは能力があるし、この仕事は向いていると思う 』
『だけどおまえはよく遅刻をしてくる。そんな人間には申し訳ないけれどリーダーは
任せられない 」と 言われて、自分のやりたい仕事ができなかったんだ」
「遅刻はそれくらい仕事に重大な影響を与えるんだよ」と。

上司が部下に伝えたい話の内容、中身が「コンテンツ」です。コンテンツを部下に
伝えるためには、上司はその背景や文脈、目的も交えて部下に語りましょう。
コンテキストを交えて話すと、話のひだが幾重にも重なり、話の厚みが増します。
そのため上司の言いたいことを部下が理解しやすくなるのです。

-コンテキストにはドラマがある

ナラティブストラクチャーとは、コンテキストそのものです。「言いたいこと」を、
コンテンツ=ナラティブストラクチャーの5つのステップで語るからこそ、そこに
背景や文脈「コンテキスト」が浮かび上がり、ドラマが生まれます。そこにドラマが
生まれるからこそ、人の心が動くのです。

私はお客様の経営理念を作るお手伝いをしていますが、経営理念はまさに
コンテンツ=「結論」です。経営理念には経営者の熱い思いが詰まっています。
経営者は、その熱い思いをぜひ社員に伝えたいと思っています。社員に理解してもらい、
経営理念に沿って社員に動いてもらいたいと考えるのです。しかし、
「お客様を大切にします」「我が社の商品を通じて社会に貢献します」と経営理念を
そのまま社員に伝えても、社員にはその背景にある経営者の熱い思いまでは伝わりません。
結果、社員の心は動かず、社員は行動に移さない、というわけです。

そこで、経営理念を社員に浸透させる際は、「必ずストーリーとセットで伝えてください」
と私はお願いしています。たとえば、創業時の苦労話や事件、お客様からの重大な
クレームや経営の危機などの「障害」と「葛藤」の話を交え、さらにそれらを乗り越え
「達成」した物語を語るのです。そして、それを経営理念につなげます。そうすることで
そこにドラマが生まれ、その話は社員の心を強く惹き付けるのです。

これは経営理念に限った話ではありません。日頃、上司が部下に話を伝える時は
どんな話題であれ、コンテンツだけでなく、その背景や文脈を交えてコンテキストで
伝えることが大切なのです。

-行間をイメージさせよ

コンテキストには、「背景」や「文脈」の他に「行間」という意味もあります。
「行間を読む」という言葉がありますが、これは「文章内に言葉では書かれていない
筆者の真意などを感じ取ること」です。言葉にしづらいけれど伝えたい。
そういう時はコンテキストをたっぷり語ると、そこに「立体的な何か」が見えてきます。

私はお客様の会社の問題や課題を洗い出すためにコンサルタントとして必ず「組織診断」
を行っています。その際は、若手からベテランまで30人程の従業員を選んでもらい、
私が1対1で、1人1時間ずつお話を聞くわけです。その際は、「この会社に入って
どうですか?」とか「どうすればこの会社はもっといい会社になると思いますか?」
といった抽象的な質問をわざとぶつけます。そこで彼らが発言した内容を、 一つ一つ
エクセルの一覧表に全部書き起こしていきます。1人あたり50項目、多ければ
100項目ほどになるので、それが30人分ですから膨大な量となるわけです。
そして、それを「経営理念について」とか「上司・部下のコミュニケーションについて」
などとグループ分けをして、内容は加工せずにそのまま経営者に渡します。

すると、パーッとそれを読んだ経営者は一言、「わかったよ、小倉さん 。 問題は1つだね」
と、すぐに自分の会社の課題を理解してくれます。こちらが「ここが問題なので
こうしましょう」と「結論」すなわちコンテンツを話すより、社員の発言内容を
読んでもらい、その「行間」すなわちコンテキストを感じてもらうほうが
より伝わるのです。

たとえば、上司が部下に困難な仕事を依頼する時も、部下に行間を感じて
もらうように話すことが大切です。
「なぜ今、私たちがこの仕事にチャレンジしなければいけないのか」
「なぜ、あなたにこんなに難しいことをお願いするのか」
「なぜ、これを 1 カ月後ではなく 1 週間後までにやる必要があるのか」
「これをすることにより、あなたにはどんなメリットがあるのか」。
このように上司がたくさんのコンテキストを部下に伝えると、部下は一個一個の言葉を
理解するだけでなく、トータルでそこに浮かび上がってくるものを感じてくれます。
「上司は面倒だからこの仕事を僕に頼んでいるのではなくて、僕の成長を考えてくれて
いるんだな」とか「上司はこのプロジェクトを成功させようと必死に頑張っているんだな」
という、言わば結論=コンテンツが、 口で言わなくても部下に伝わるのです。

多くの上司は、コンテキストで語ることを面倒に思ったり、そんなことはせずに
コンテンツだけをスパッと言えばよいと考えます。しかしそれでは、何度もお話し
しているように、部下の感情を揺さぶることはできず、上司の話は伝わりません。
部下の感情を揺さぶり、部下に伝えていくには、上司はコンテキストを交えて語ることを
さぼってはなりません。そして、部下に行間をイメージさせる大切さを理解し、
それを上司が実践していかなければならないのです。

5月20日配信 小倉広メルマガ vol.262 『思考ばかりを使っていると、逆に感情に振り回される』


vol.262「思考ばかりを使っていると、逆に感情に振り回される」

人間塾の課題図書として、2冊のユング入門書を読んだ。
「ユング心理学入門」河合隼雄著 岩波現代文庫
→ http://amzn.to/1oUhq2i
「分析心理学」カール・グスタフ・ユング著
→ http://amzn.to/1oUhq2i

いちばん、心に残っているのはユングによる次の言葉だ。
「思考優位の人が感情的かどうか、大学教授の妻に聞いてみるといい」

ユングによれば、思考優位な人は、思考を分化 Differentiation、
統合できており、つまり、使いこなせている。逆に論理ばかりで考え、
感情を使っていない人は、感情が分化、統合できておらず、
つまり、使いこなせない。そういう人は逆に、感情に振り回される。
論理優位な大学教授はたいがい家庭では感情的だ、というのだ。

思考優位な人は意外に涙もろい。思考優位な人は意外に突発的な言動をする。
周囲の人を見た私の記憶に照らしてもそうだな、と思った。まさに分化、統合
できていないのだろう。

私は、コーチング、カウンセリングでお手伝いしているクライアントとの
会話を思い出した。
私「今、どんな気分ですか?」
クライアント「気分?気分は・・・・・・何も感じません」
私「感情は?」
クライアント「感情?うーん。わかりません・・・・・・。自分がどんな感情や
気分かなんて考えたこともありません」

感情を使わないと感情に支配される。そのクライアントさんも
そのように見受けられた。

かくいう私も、最近まで自分の心の声や感情に対してとても鈍感であった。
いや、まだまだ鈍感かもしれない。でも、少しずつ自分の気持ちや感情に
気づくようになってきたように思う。

「あ、今、腹がたっているな・・・・・・」
「そうか。悔しいんだ」
「すごく空しい・・・・・・」
「ワクワクしている!」
「落ち着いて静かな気持ちだ・・・・・・」

私自身が、特に鈍感だったのは陰性感情だ。怒り、悲しみ、落込み、寂しさ・・・・・・。
下手に自己啓発書など書いているものだから、ネガティブな感情を封印しようと
するクセがついているようだ。だから、陰性感情ほど感じないように、
考えないように、抑圧し、押し殺すクセがついていた。

「いやいや、マイナスなことを考えてはいけない。
もっとポジティブにならなくては・・・・・・」そんなことを繰り返すうちに
自分の心の声が聞こえなくなっていたようなのだ。

しかし、人は自分の心の声を「否認 denial」「歪曲 distortion」することこそが、
もっとも心の不健康な状況だ。本コラムでも繰り返し取り上げてきた
心の健康な状態である「自己一致 self-congruence」と対極にある状況だ。
そうではなく、心の声をそのままに聞く。陰性感情を感じるのだ。

ただ、ありのままに自分の感情を感じる。「ああ、今、腹がたっているな・・・・・・」
「すごく空しい・・・・・・」。その感情をむりに変える必要はない。
そして、その原因となっている事象を解決する必要もない。ただ、「ある」ことを
そのまま感じることが心の健康にとっても大切だと思う。
それこそが自己受容である。自己受容は自己肯定とは違うのだ。

最近は、鎌倉の自宅で、ただ鳥の声を聞いたり、森のざわめきを何十分間も
ぼんやり聞くことができるようになってきた。かつての私であれば、森を眺めながらも、
忙しくアイフォンでネットをチェックしたり、BGMを頻繁に変えたり、時間を
有効に使おうと本や雑誌を読んでいたことだろう。

しかし、今の私は違う。ただ、本当にぼーっと森のざわめきを眺め聞く。
ようやくそれができるようになってきた。すると、小学生の頃の記憶が
ひんぱんに甦るようになってきた。ああ。私はこんな感情をかつて毎日のように
味わっていたんだな、と懐かしく、私は私自身を愛おしく思うようになった。

大前研一さんの有名な言葉がある。人生を変えるには、住むところを変えるか、
逢う人を変えるか、時間の使い方を変えるしかない。私はここ数年、いや数十年かけて
ずっとその3つを大きく変えてきた。そして、今、さらにそれを推し進めようと
しているように思う。

そんな私が、たどり着く先は・・・・・・。

それは、私が子どものころであるように思う。

私が私に還りつつある。

私は他人には決してなれない。私は私だ。
51歳の誕生日を過ぎて、ようやくそんなことに気づきつつあるように思う。

さて。
あなたは今、あなたですか?

5月16日配信 小倉広メルマガ vol.261 『仕事の優先順位を杓子定規に守る人は仕事を効率よく処理できない』


vol.261「仕事の優先順位を杓子定規に守る人は仕事を効率よく処理できない」
出典:成長する人は知っている28の小さなきっかけ

いかにも今どきの若者らしいなぁ。谷田部さん(仮名)とともに和定食のランチを
食べていたときのことです。私は、彼の独特な食事の摂り方に強く興味を惹かれました。
谷田部さんは、味噌汁をのむときには昧噌汁だけを最後まで。 サラダを食べるときは、
サラダを最初から最後まで、それぞれ一気に食べ進めていったのです。
そして最後に残った白いご飯と焼き魚とを、これだけは交互に食べ進めていきました。
私はほっと胸をなで下ろしました。

もしも彼がしょっぱい焼き魚だけを食べ、最後に白いご飯だけを食べていたら、
私はさすがに注意をしたかもしれません。ようやく交互に食べるようになった
谷田部さんを見て、よしよし、それでよし、と心の中でつぶやいてしまいました。

「ヒロシ、おかずとご飯、昧噌汁は交互に食べるんだよ」
私は子どもの頃にそう、母から躾けられて育ちました。自分の好きなおかず、
たとえばハンバーグやエピフライとご飯ばかりを食べていると、母に必ず
注意されたものです。「ちゃんとお野菜も一緒に食べなさい。ハンバーグと一緒に
キャベツの千切りも食べるのよ!」

「給食食い」という言葉があるそうです。別名、ばっかり食べ、かたづけ食い。
一皿に手を付けたら最後、他の皿に手を付けずに一気にその皿だけを食べる食べ方。
それが「給食食い」というらしいのです。谷田部さんの食べ方はまさに「給食食い」。
現代っ子ならではの食べ方を見て、私は彼に強く興味を惹かれました。

いったい仕事の進め方はどうなんだろう。そんな目で彼の仕事を追っていると、
彼の仕事の進め方もまた、「給食食い」と同じであることを発見したのです。
そのとき谷田部さんは、2日越しで、取りかかっている大がかりなプロジェクトの
書類作成に没頭していました。そこへ、隣の席に座っている松永さんから
回覧書類が回ってきました。

「谷田部さん、新聞クリッピングです」

当社では業界に関連する新聞記事をキーワード検索したものを取り寄せて、社員に
回覧をしていました 。 まずは 一斉にメール配信するのですが、なかなか読んで
もらえないために、2度手間ではあるものの、プリントしたものを机の島ごとに
回覧するようにしているのです。書類作りに没頭している谷田部さんはクリッピングに
見向きもせずに一言「サンキュー!」と言ったまま、書類を作り続けていました。

ふと、彼のデスクを見ると、新聞クリッピングのコピー用紙が5~6枚、彼の
机の上に重なっていました。どうやら、回覧のクリッピングは1週間分、すべて
彼の机の上にたまっているようなのです。これでは、彼より後の順番の人に
回覧が行き渡らず、情報がせき止められてしまいます。私は「仕事も給食食い」
になってしまっている彼に注意をしようかどうか、迷いました。
なぜならば、彼の仕事のスタイルは、かつての若かりし頃の私にそっくり
だったからです。

仕事にきちんと優先順位を付け、重要なものに一心不乱に取り組んでいく。
これは仕事をする上で大切なやり方です。集中力を高め持続させるためには、
途中で余計な作業を挟まない方が効果的。その意味で谷田部さんの仕事の進め方は
合理的であり正しいように思えます。しかし…。

現在の私が谷田部さんの立場だったならば、クリッピングが回ってきた時点で
書類作成の作業を中断。クリッピングを読んですぐに次の人に回すはずです。
それにより、書類作成作業に対する集中力が途切れ、効率が落ちる、ということは
わかっていても、わざとそうするのです。

私が大切にしている習慣の1つに「3分以内で終わる仕事は、気づいたそのときにする」
というものがあります。たとえば、メールを開いたときに、返信が3分以内で終わる
ならばその場で必ず返信するようにしています。同様にクリッピングの回覧を読むのに
3分以上はかからないはず。それならば、もらったその場でその瞬間に読んでしまう。
そちらの方が長い目で見たら効率的だと思うのです。

かつての私は谷田部さんのように、 クリッピングを平気で1週間分ためておくタイプ
でした。なぜならば、クリッピングを読む以上に重要かつ緊急の仕事を常に優先して
片付けていたからです。「暇ができたらクリッピングを読もう」と、優先順位リストの
一番最後にクリッピングを読む作業を置いていたのです。その結果、どうなったかといえば
ご存知の通り。クリッピングは1週間分たまる一方で、隣の机に座っている人に迷惑を
かけ、かつ、古くなった情報は役立たずになってしまったのです。これのどこが効率的と
言えるでしょうか。

またメンタル的なマイナスも見逃せません。たかがクリッピングとはいえ、机の上、
目の前に、いつも1週間分のクリッピングが目につきます。「ああ、悪いなぁ。
迷惑かけているなぁ。やるべきことができていないなぁ」。1日中、このように
自分の心にマイナスのイメージを発生させ続けているわけです。これがボディーブロー
のように自分にマイナスを与え続けます。その分、仕事の効率にもマイナスの影響を
知らず知らずに及ぼしているのです。

「給食食い」のように重要な仕事が終わるまで他のお皿の仕事に手を付けない。
これは 一見効率がいいように見えて、実は効率が悪い仕事の仕方です。
私は以前のような「給食食い」スタイルに戻るつもりはありません。母から
教わったように、ハンバーグとキャベツの千切りを交互に食べるスタイルで
仕事をしていくつもりです。

5月9日配信 小倉広メルマガ vol.260 『愚直に目の前のことをやろう。さすれば道はひらかれる』


vol.260「愚直に目の前のことをやろう。さすれば道はひらかれる」
出典:人生を後悔しないために38歳までに決めておきたいこと

-文句を言って手を抜いている人にはチャンスは訪れない

「そんなこと言ったって、どうやったら天命なんて見つかるんだ」、
「探して簡単に見つかるなら苦労しないよ」。そう言う人は、まず
目の前の仕事を愚直にやってみてはどうでしょうか。
僕がよく引用させてもらう、現阪急阪神東宝グループ創始者の小林一三さんの
言葉があります。「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」

なぜ日本一の下足番になれと言うのか?与えられた仕事を愚直に一所懸命に
やっている人は、それを見ている周囲の人の魂を揺さぶります。そして、
「この人にはもっとレベルの高い仕事をやらせたい」と思わせ、
自分のもとに新しいチャンスがやってくるのです。

ところが多くの人は、「こんな雑用やってられるか」とブツブツ文句を
言いながら手を抜いてしまいます。文句を言って手を抜いている人に、
誰がチャンスを与えるでしょうか。

今の仕事を120%、150%一所懸命やる。そうすれば、必ずチャンスが訪れます。
そのチャンスは今の仕事の延長線上にあるのかもしれないし、今の仕事とは
違うかもしれない。それはわからない。ただ、下足番の仕事を、手を抜いて
やっている人には、絶対にチャンスは訪れないのです。

前項で、僕は書くために生まれてきたと言いました。もともと文章を書くのが
好きで、大卒でリクルートに入社したのも、コピーライターになりたいと
思ったからです。でも、最初は会社や社会を俯瞰して勉強したいと、
自ら営業職を希望しました。そして2年目からコピーライターの仕事を
やるつもりでしたが、会社の人事はそんなに思い通りにはいきません。
結局その後は事業企画室で企画をやったり、編集部で編集をやったり、
コンサル タントになったりと、どんどん書く仕事から離れていっている
ような気がしました。

しかし結局、今はこうやって本を書いています。そして、書いている内容は、
一見遠回りに見えた企画室時代、コンサルタント時代に身につけたことばかり。
まさにそれは遠回りでも何でもなかったのです。当時はこんな風になるとは
思ってもいませんでした。目の前の仕事を1つひとつ一所懸命やっていったら、
流れ流れて天命にたどりついた。小林一三さんの言葉の通りだった。
そう思っています。

-後付けのつじつま合わせが再発見になる

僕は経営者に向け、社内に経営理念を浸透させるためのコンサルティングを
行なっています。

一般的に言って、経営理念には、ミッション・ビジョン・バリューの3つが
あります。ミッションは永遠に続く会社の存在意義、使命。ビジョンは
目指すべき、もしくは目指したい近未来像。バリューは行動指針です。

ミッションは会社にとっての天命で、経営理念の中で一番大切なものです。
明確なミッションがあるとトップも社員もすごく頑張れるようになります。
会社の存在意義を人に説明でき、社員に夢を語れるからです。そしてそれは、
会社トップの個人的な天命であることが多いのです。

たとえば、長野県に中央タクシーという会社があります。大ベストセラーで
『日本でいちばん大切にしたい会社3』(坂本光司著 あさ出版)に出てくる
有名な会社です。そこの宇都宮会長は、普通のタクシー会社を、お客様に満足と
感動を与えられるタクシー会社へと大変革させたのです。

しかし、宇都宮会長は、タクシー会社を天命だと思って始めたわけではありませ
ん。たまたま親がタクシー会社をやっていた。それがきっかけだ、と言うのです。

宇都宮会長のように熱く夢を語る経営者を僕はたくさん知っていますが、
そのほとんどが、親から継いだとか、大学のときに教授の推薦でたまたま
入った会社の仕事で独立した、とか、そんな人ばかり。これが自分の天命だ!
と思ってその仕事を始めた人なんてほとんどいないのです。

しかし、たまたま出会った仕事を、文句を言わず、愚直にやっているうちに、
自分の天命を見つけます。それは言葉を変えれば「つじつま合わせ」と
言えるかもしれません。立派な経営理念も、多くの場合、自分がやってきた仕事に
ムリヤリ理屈をつけたら「こういうことになる」といったものがほとんどで、
それを後付けで「経営理念」と呼ぶ。そんなものです。

では、なぜそういうことをするのか。人は目の前のことを一所懸命やっていると、
どうしても理由が必要になるものなのです。そして、自己のアイデンティティーを
再発見するわけです。「オレはやっぱりこの仕事をやっていて、よかったんだ」と。
その後付けの説明があるおかげで、迷ったり悩んだりすることが少なくなるのです。

天命を見つけるということは、メーテルリンクの『青い鳥』のようなもの。
チルチルとミチルは幸福の青い鳥を探し回るけれど、結局、家の中の鳥かごに
いた鳥が青い鳥でした。

青い鳥は、すでにあなたの中にいるのかもしれません。「40歳近くにもなって、
今さらそんなことできるか」などと、目の前の仕事を、文句を言わずに、
愚直にやると決める。

そうすれば、今やっている仕事が天命だと再発見できるかもしれません。

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