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3月23日配信 アドラー心理学書籍要約&解説 メルマガ  vol.25 「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー(アルテ)下巻(2)

  • 2017年03月23日


vol.25 「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー(アルテ)下巻(2)


「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー(アルテ)下巻(2)

【 思春期 】

◎思春期には多くの危険があるが、それが人の性格を変えうるというのは本当ではない。
思春期は、成長する子どもに、新しい状況と新しい試験を突きつける。
もはや子どもではないことを証明しなければならないということである。

◎自分が成熟したことを証明しなければならないと感じるのであれば、
必ず自分の主張を過度に強調することになるだろう。

◎もしも「大人になること」が制約が自由になるという意味であれば、
子どもはあらゆる制限に対して闘うだろう。子どもたちが、この段階で、
これを行うことはよくある。多くの思春期の男女がたばこを吸ったり、
乱暴な口をきいたり、より遅くまで出歩いたりし始める。

◎親に対して、思いがけない反発をすることがあり、親は、あんな従順な子どもが、
突然、いうことを聞かなくなった、とそのことに対してどうしていいかわからず
困惑するかもしれない。しかし、これは実際には態度が変わったということではない。
一見、従順だった子どもは、それまでも親に反対していたのだが、より多くの
自由と力を得た今になって初めて反対を公然と宣言できると感じたのである。

◎親はもはや子どもを監視し、守る権利はない、と感じる。
しかし、もしも親が監視を続ければ、子どもは、親のコントロールから逃れるために、
いよいよ努力する。親が、まだ子どもであると証明しようとすればするほど、
そうではないことを証明するためにますます闘うだろう。
この戦いから態度が発達する。そして、その時、われわれは、
典型的な「思春期の反抗」の像が与えられる。

(小倉による解説)

思春期は反抗期となって表面化することが多い理由がアドラーの論説により
明快に語られている。子どもにとって大人であることを証明するために、
大人=制約からの自由、という文脈で捉えられがちであり、それが
反抗となるのはその通りだと思う。
今から思えば、極めて幼稚で自分にとって都合のいい言い訳であることが
わかるが、もしこのことを両親がよく理解していたならば、下手に慌てる
必要もないだろう。また、日頃から監視や管理を不必要なほどに
行っていなければ急進的な葛藤も起きないだろう。

◎もしも子どもたちが恐れたり人生について悲観的であれば、もっとも
努力を必要としない方法を使って、人生の課題に取り組もうとするのは
当然である。しかし、これらの安直な方法は、役に立たず、このような子どもは、
命令されたり、勧告されたり、批判されればされるほど、奈落の淵に
立っているという印象を強くする。

◎少年が、人生の課題をどのように対処していいかわからないのに、
それでいて、外交的で積極的であり続け、犯罪者としての人生を歩み始める。
これは既に軽犯罪をしながら見つからなかったり、また見つかることを
避けることができるだけ賢いと考えている時に、特にありそうである。
犯罪は人生の課題から、とりわけ生計を立てるという課題からの安易な
逃避の一つである。そこで、十四歳から二十歳までの間に非行の発生数が増える。
ここでもまた、われわれは新しい発達に直面しているのではなく、より大きな
圧力が、すでに子どものライフスタイルにあった欠点を露わにしたのである。

◎あまり活動的で外向的ではない子どもの場合は、安直な逃避の方法は
神経症である。そして、多くの子どもたちが機能的疾患と神経の病気に
かかり始めるのは、思春期においてである。あらゆる神経症的聴講は、
人生の課題を解決することを拒否することを正当化することが意図されている。

◎人はこのような状況において、今は、私的にも他者との関係においても、
自分は病気のために責任を免れている、と見なし始める。
そして、神経症の構造は完成する。

◎多くの少女はいっそう自信を欠いており、他者に賞賛されることに、
自分の価値を証明する唯一の手段を観る。このような少女たちは、容易に
彼女たちをおだてる方法を知っている男の餌食になる。私は家では
賞賛されていないと感じ、セックスをし始める多くの少女に会ってきたそれは
自分が大人であることを証明するだけではなく、ついに、自分が賞賛され、
注目の中心になるという状況を達成できるという空しい希望からである。

(小倉による解説)

思春期に見られがちな非行行動の多くは、大人と同じメカニズムで発生する。
要は勇気の不足に伴う「ラクをして成果を得る」という間違った非建設的な方法の
選択である。思春期には、上記のメカニズムが大人と同じく働くが、非行行動が
多くなるのは、ライフタスクとして「大人であることを証明」しなければならない、
という大きな課題に直面するからである、というアドラーの主張は理解しやすい。

vol.25「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー(アルテ)下巻(2)【 思春期 】

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