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2月15日配信 アドラー心理学書籍要約&解説 メルマガ  vol.23 「人生の意味の心理学」上巻 アルフレッド・アドラー(5)

  • 2017年02月16日


vol.23 「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー (アルテ) 上巻(5)


「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー (アルテ) 上巻(5)
【 第六章 】  家族の影響

◎何ヶ月も、母親は、赤ちゃんの人生において、
もっとも重要な役割を演じる。
協力の能力が最初に発達するのは、この状況においてである。

◎母親は赤ちゃんに他の人間との最初の接触、
自分以外の誰かへの最初の関心を与える。
母親は赤ちゃんにとって、社会生活への最初の橋である。
この結びつきが、非常に親密で遠くまで及ぶという事実は、
後になっても、遺伝の影響のような
どんな特徴も突き止めることができないということを意味している。
遺伝されたかもしれないすべての傾向は、
母親によって、適応、訓練、教育、改造された。

◎子供たちと結びつくことに成功した後は、
母親の次の課題は、子どもの関心を父親を含めてまで拡げることである。
この課題は、母親が父親に関心を持っていなければ、
ほとんど不可能であることがわかるだろう。

◎母親は子どもの関心を社会環境、つまり、家族の中の他の子どもたち、
友人、親戚、仲間の人間全般へも向けなければならない。
母親は、子どもに信頼に値する仲間の人間の最初の経験を
子どもに与えなければならず、
それから、この信頼と友情を
それが人間社会の全体を含むところまで拡げる準備ができていなければならない。

◎もしも母親が子どもが自分だけに関心を持つようにさせていたければ、
子どもは、後に
他者に関心を持たせようとするあらゆる試みに腹を立てるだろう。
子どもは、常に母親からの支えを探し、
母親の注目を競っていると子どもが見なす人であれば
誰にも敵意を感じるだろう。

◎どんな母親も子どもが自分の一部であるという感情を誇張し、
子どもを自分の個人的な優越性の目標に利用しようとすることが
あるかもしれない。
母親は、子どもを自分に全面的に依存させ、
子どもの人生をコントロールしようと試みるかもしれない。
子どもがいつも母親に結びついたままでいるためにである。

◎もしも母親が子どもたちとの結びつきだけを考えるのなら、
子どもを甘やかしてだめにすることを避けることはできないだろう。
そのような母親は子供たちが自立心と他者と協力する能力を
発達させることを困難にするだろう。

(小倉による解説)

子どもの教育において母親が果たす役割は他の誰よりも重い。
その役割とは、母親が子どもと社会との最初の架け橋になることである。
まずは自分と子どもの間に信頼関係を築き、
それを、順に父親、社会全般へと拡げていくのだ。
決して、子どもの関心を母親が独占し、自分の優越感を追求してはいけない。
そうすれば、子どもの共同体感覚の育成は阻害され、
甘やかされた問題行動を取る子どもになる可能性が高い。

◎父親は、自分が妻と子どもと社会に対して優れた仲間であることを
証明しなければならない。
父親は、人生の三つの課題——仕事、交友、そして愛——に適切に
対処しなければならない。
そして、家族の世話と保護において
妻と対等の資格で、妻と協力しなければならない。

◎父親は自分が何もかもを与え、
他の家族は受け取るばかりであると見せることがあっては決してならない。
良き結婚においては、父親が稼ぐという事実は
家庭における分業の結果にすぎない。
多くの父親は、自分の経済的な立場を、
世帯を支配するための手段として使っている。
家庭に支配者はいるべきではない。

◎人が別の人に関心があるかを見ることは、非常に容易である。
もしも関心があれば、パートナーと同じことに関心があり、
パートナーの幸福を自分自身の自発的な目的にする。

◎夫は妻にとっての仲間でなければならない。
そして、妻を喜ばせることを喜びにしなければならない。
二人のパートナーが自分たちの共同の幸福を
自分だけの幸福よりも高く位置づける時にだけ、真の協力は生じる。
それぞれのパートナーは、
自分自身よりも相手により関心を持たなければならない。

(小倉による解説)

父親も母親と同様、
経済的な役割をあたかも自らの家族内における優越性のために
利用してしまうことがある。
そうではなく、夫婦間で真の対等なパートナーシップを築くことに
腐心しなければならない。


◎えこひいきの危険は、いくら強調してもしすぎることはない。
子ども時代のほとんどすべての勇気くじきは、
他の誰かがひいきされているという感覚から生じている。

◎子どもたちは非常に敏感で非常に優秀な子どもでも、
他の子どもがひいきされているという疑いから、
人生において誤った道を歩むこともありうる。

◎もしも一つの木が、太陽と土により恵まれて速く育てば、
その木の発達は、他のすべての木の生長に大きな影響をもたらす。
それは他の木に影を落とす。根は伸び、他の木の栄養を奪い取る。
他の木は、成長を妨げられ大きくならない。
同じ事は、きょうだいの中の一人だけが優秀である家庭にも当てはまる。


◎父親が非常に成功したか、あるいは、才能があれば、
子どもたちは、しばしば、父親の業績に匹敵することはできない、と感じる。
子どもたちは、勇気をくじかれる。
人生への関心は減る。
これが有名な男性、女性の子どもたちが、時に、
親や他の社会にとって失望であることの理由である。


◎もしも一人の子どもが特別によく成長すれば、その子どもが、
大いに注目されひいきされるということはありそうなことである。
それは、その子どもには喜ばしい状況だが、他の子どもたちは違いを感じ、
そのことに腹を立てる。
人が怒ったり、いらいらすることなしに、
他の誰かよりも低く評価されるという経験に耐えることはできない。
優秀な子どもは他のすべての子どもを損ないうる。
そして、他の子どもたちは皆、
精神的な刺激の欠如で苦しんで成長していくことになる。
彼らは優越性の追求を止めないだろう。
この追求には終わりがないからである。
しかし、それは非現実的、あるいは、
社会的に有用ではないような方へと向きを変えることもある。

(小倉による解説)

きょうだいのうちで、
親の愛情や関心を一手に集める優秀な子どもがいたとすると、
他の子どもは日影の存在に回らざるを得ない。
それは、ひいきされている、という感覚を強め、
勇気をくじかれ、妬み、そねみ、非建設的、
反社会的行動に出る可能性を育むかもしれない。
父親や母親が社会的名声を得ている場合も同様である。
つまり、家族間において、勇気のゼロサムゲームが発生してしまい、
優秀さや名声を獲得できな家族が勇気をくじかれる可能性があるのだ。
だからこそ、父親と母親はそうならないよう、えこひいきと誤解されぬよう、
配慮し、均等かつ十分な関心を子どもたちに与え、
しかし、甘やかしにならぬよう十分な準備が必要なのである。

以上

「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー (アルテ) 上巻(5)【 第六章 】家族の影響

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