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2月3日配信 アドラー心理学書籍要約&解説 メルマガ  vol.22 「人生の意味の心理学」上巻 アルフレッド・アドラー(4)

  • 2017年02月04日


vol.22 「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー (アルテ) 上巻(4)


「人生の意味の心理学」アルフレッド・アドラー (アルテ) 上巻(4)
【 第4章 】  早期回想

◎優越した立場に到達する努力は、人のパーソナリティー全体への鍵なので、
精神的な発達のあらゆる点で見ることができる。
この事実を認識することは、ライフスタイルの理解に役立つ。
覚えておくべき2つの重要なポイントがある。
1つは、われわれはどこからでも始めることができるということである。
あらゆる表現が我々を同じ方向、
すなわち、1つの動機、1つのテーマへ導くだろう。
パーソナリティーはこれの周りに築かれる。
次に、素材の巨大な宝庫が、我々に与えられているということである。
すべての言葉、思考、感情、あるいは、振る舞いが、われわれの理解に役立つ。
パーソナリティーの1つの面や表現をあまりに性急に評価する際に
我々が犯すかもしれないどんな誤りも他の無数の面や表現を参照することで、
吟味し修正することができる。
しかし、すべての面は、同じことを言っているのであり、
我々を解決へと促すのである。

◎われわれは、常にストーリーの全体を聞かなければならない。
鍵が自明になるまでは懐疑的でなければならない。
多くの小さなサインからヒントを集めなければならない。
すなわち、人が部屋に入ってくる時の仕方、われわれに挨拶をし、
握手をする仕方、微笑み方、歩き方からである。
一つの点で迷うかもしれない。
しかし、われわれの印象をただしたり、確かめたりするために、
他の点を使うことができる。

(小倉による解説)
優越の目指す目的は人によりそれぞれである。
どのような究極目標を描き、どのような目的を設定するにせよ、
ひとたび設定されたら人のあらゆる行動や感情はその目的に沿って展開され、
一貫性を持つ。
その一貫性こそがライフスタイル(性格)であり、
その人の行動のすべてを司っている。
われわれカウンセラーは、クライアントの発するあらゆる行動、
表情、仕草、目線、声色からそれを読み取らなければならない。
ヒントは一貫性である。
矛盾しているように見えるすべてに一貫する
「優越の追求」もしくは「劣等の回避」の物語を読み取るのだ。
その材料としてアドラー派は早期回想を特徴的に用いる。

◎真に他者に関心があるときにだけ、治療には成功する。
われわれは、他の人の目で見て、
他の人の耳で聞くことができなければならない。

(小倉による解説)
アドラー心理学で大切にする勇気づけであり、
相互尊敬相互信頼の関係づくりはこの有名なフレーズにより実現される。
「他の人の目で見て、他の人の耳で聞くことができなければならない」

◎患者を甘やかしても、軽んじても、援助することができない。
一人の人間として他者(である患者)への関心を見せなければならない。
どんな関心も、この関心よりも真実あるいは客観的にはならないだろう。

◎すべての精神的な表現の中で、最も隠れたものを明らかにする表現は、
回想である。回想は自分自身の限界や出来事の意味を
それによって思い出せるものである。「偶然の回想」はない。
人が受ける無数の印象から、どれほどぼんやりしていても、
自分の問題と関係があるとみなす回想だけを選び出すのである。
これらの回想が「私の人生の物語」を表す。

◎もしも挫折し、それによって勇気をくじかれたときは、
以前の挫折した時のことを思い出す。
憂鬱であれば、思い出すのは憂鬱なことばかりである。
元気で勇気に満ちていれば、全く違った回想を選び出す。
思い出される出来事は愉快なものであり、楽観主義をいよいよ強める。
同様に、問題に直面していれば、
それに立ち向かう態度を形作ることを助ける回想を呼び出すだろう。

◎うつ状態の人は、回想と成功のことを長々と考えれば、
うつではいられないだろう。うつの人は自分に言う。
「私はこれまでの人生ずっと不幸だった」。
そして、不幸な運命の例と解釈できる出来事だけを選びだすのである。

(小倉による解説)
早期回想分析は幼少期の記憶をたどるが、
それは決して、幼少期の価値観ではない。
幼少期に形成された(いくつかある)価値観のうち、
「今現在」強く関心を持っている価値観を引っ張り出し、
それに合う記憶を思い出すのだ。
早期回想分析は過去の分析ではなく、今の分析である。

また、早期回想分析は「原因論」ではない。
そのような過去のできごとが「原因」となって
現在のライフスタイル(性格)が形成されたのではない。
今、語られる(真実かどうかは別にして)記憶をもとに、
現在のライフスタイルをあぶり出す材料とするだけだ。
語られるエピソードは原因ではなく目的である。

◎回想はライフスタイルと対立することはけっしてない。
優越性の目標が「他の人が私をいつも辱める」と感じることを要求すれば、
屈辱だと解釈できる出来事を回想することを選ぶだろう。

◎ライフスタイルが変わるにつれて、回想も変わるだろう。
別の出来事を思い出すかもしれないし、同じ回想を思い出しても、
それに異なった解釈をするだろう。

(小倉による解説)
早期回想分析は幼少期の記憶をたどるが、
それは決して、幼少期の価値観ではない。
幼少期に形成された(いくつかある)価値観のうち、
「今現在」強く関心を持っている価値観を引っ張り出し、
それに合う記憶を思い出すのだ。
早期回想分析は過去の分析ではなく、今の分析である。

また、早期回想分析は「原因論」ではない。
そのような過去のできごとが「原因」となって
現在のライフスタイル(性格)が形成されたのではない。
今、語られる(真実かどうかは別にして)記憶をもとに、
現在のライフスタイルをあぶり出す材料とするだけだ。
語られるエピソードは原因ではなく目的である。

◎これらの早期回想から、子どもが甘やかされたか、無視されたか、
どこまで他者と協力するために訓練されたか、誰と協力することを好んだか、
どんな問題に直面したか、どのようにそれに対処したかが判断できる。

◎子ども時代から回想される出来事は、
人の主要な関心に非常に近いに違いない。

「人生の意味の心理学」上巻 アルフレッド・アドラー(4) 第4章 早期回想 より

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