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5月23日配信 アドラー100の言葉 vol.9「息子がコートを脱ぐのを手伝おうとしました」

  • 2017年05月23日


アドラーは小さな息子を本当に丁寧に、

息子が自分はとても大事にされていて

自分に能力があるのだと感じられるように扱ってくれました。

アドラーのオフィスで、わたしは、

息子がコートを脱ぐのを手伝おうとしました。

このときアドラー博士は、すぐに私を注意しました。

それでわたしは気がつきました。

小さなフランクは今や大きくなって、

自分で何でもできるようになっているのだ、と。

こうして自信をもった息子は、

内気なところがしだいに消えていきました。

そして、おそらく息子よりもわたしの方が、

学ばなければならないことがたくさんあるのだと

わかりました。 

フランク・バボット婦人
「アドラーの思い出」As We Remember Him 創元社
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(解説)

息子がコートを脱ぐのを手伝う。

一見すると母親の愛情あふれる正しい所作に思えます。

しかし、アドラー心理学では、もしも彼が一人でできるのに、

母親がそれを手伝おうとするのなら、

この行動を「勇気くじき」であると考えます。

世話焼きはすべて勇気くじきです。

もしも、相手が十分に能力があり、敬意を払うべき大人であったら、

コートを脱ぐのを手伝うことなどしないでしょう。

世話焼きをする、ということは

「どうせあなたは、一人ではできっこないでしょう」

「あなたには上手に素早くできるわけがない」

という言外の決めつけがあり、それが相手に伝わるのです。

すると相手は

「自分は一人ではできないんだ・・・・・・」

「自分には成し遂げる能力がないのだ・・・・・・」

と感じ、勇気をくじかれます。

そして、ためらいの姿を見せていれば、

きっと誰か力のある大人が

自分を助けてくれるに違いない、という

「してもらって当然」の姿勢ができあがります。

勇気づけの基本は「きっとできる」と信じて見守ることです。

もしも、それで失敗したとしても

「どうすれば、次はうまくいくかな?」と

一緒に考えることです。

その場をうまく収めることよりも、

将来、相手が勇気を持って生きていけるように

支援し、関わることなのです。

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