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9月8日配信 アドラー100の言葉 vol.29「今、ゆううつならばゆううつな思い出が思い出される」

  • 2017年09月08日



もしも挫折し、

それによって勇気をくじかれた時は、


以前の挫折した時のことを思い出す。


憂うつであれば、


思い出すのは憂うつなことばかりである。


元気に満ちていれば、

まったく違った回想を選び出す。

思い出される出来事は愉快なものであり、


楽観主義をいよいよ強める。



アルフレッド・アドラー
Alfred Adler 
「人生の意味の心理学(上)」
What Life Should Mean to you
Little , Brown 1931


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(解説)

アドラー心理学は、従来の行動主義的モデル、

すなわち刺激—反応モデルへ対して、明確にNOを突きつけました。

外部環境(できごと)に対して、人が反応するのではない。

間に「認知」(とらえ方)がある、と述べたのです。

現代の心理学や後の自己啓発の根底とも言える、認知モデルを

100年前に提唱したのです。

叱られたから、落ち込んだのではありません。

叱られたと認知(捉え方)したから、

落ち込むという感情を創り出したのです。

同じできごとに出会っても「励まされた」「期待された」と

認知(捉え方)した人は、落ち込みません。

むしろ、元気になるかもしれません。

人は、その都度、「認知」により反応するわけですが、

すべての人は、幼少期に自ら決定した認知のパターンを持っています。

それは性格のようなものであり、

アドラー心理学ではライフスタイルと呼びます。

そのライフスタイルを知る手がかりが「早期回想分析」という

技術です。カウンセラーがクライアントに幼少期の回想を

いくつか語ってもらい、そこに共通するパターンを探すのです。

ある人は、楽しいハッピーエンドばかりを語るでしょう。

また、ある人は、辛く、苦しく、泣いて、

おびえていた思い出ばかりを語るかもしれません。

そこに、その人の認知のパターン、すなわち

ライフスタイルが隠れているのです。

それは、幼少期のパターンではありません。

クライアントの今現在。大人になった今のクライアントの

認知パターンが色濃く反映されるのです。

今、現在、ゆううつならば、ゆううつな思い出が語られる。

今、現在、元気ならば、元気な思い出が語られる。

そして、そこから見えてきた、ライフスタイルさえつかめれば、

クライアントが今後、どのような行動をしていくか、という

未来が見通せるようになるのです。

ゆううつな思い出も、元気な思い出も、

過去が規定しているのではありません。

私たちの現在の認知のパターンが、それを思い出させている。

私たちが認知のパターンを変えることができれば、

思い出さえも変わっていきます。

認知(捉え方)を変えることで、過去さえも変えることができるのです。



株式会社小倉広事務所 
代表取締役 小倉広 Hiroshi Ogura

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