作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

7月18日配信 アドラー100の言葉 vol.24「誰もわたしに頼まなかったじゃないか」

  • 2017年07月18日


すぐに、その孫娘は甘やかされた一人っ子

であることがわかりました。

その子は注目の真ん中にいようとわがままを通しました。

アドラーの身体中によじ登ったり、会話を邪魔したり、

その他ずうっといたずらをし続けました。

ところがアドラーは、まるで

おじいちゃんのように微笑んでいるだけでした。

子どものこと、親子関係のこと、

そして、このような場面で親はどうしたらいいかについて、

何でも知っている、あの偉大で有名なアドラーがです。
(中略)わたしは驚きました。

アドラーは、どうして何もしないで

微笑んでいられるのでしょうか?

本に書かれているルールがすべて、

その子の両親と祖父母とその子によって破られているそのときに。

後になって、家へ帰る道すがら、わたしはアドラー博士に尋ねました。

「どうして何も言わず何もしなかったのですか?」

アドラーの答えはこうでした。

「ああ、シドニー。誰もわたしに頼まなかったじゃないか」



シドニー・マーティン・ロス
「アドラーの思い出」
Alfred Adler: As We Remember Him 1977

——————————————————————————


(解説)

アドラー心理学では、相談的枠組を大切にします。

相談的枠組とは、相談される人と相談する人との間に
〇目的の一致 
〇相互尊敬 
〇相互信頼 
〇協力 
〇関係の合意(先生と生徒、治療者と被治療者の関係)

があることです。

もし、上記のうちの一つでも合意が取れなければ、

相談的枠組ができていない、と考えます。

もし、相談的枠組ができていない、とすれば、

アドラー心理学は、解決に役立ちません。

上記のエピソードは、アドラー自らがそれを実践し

教えてくれているのです。

ニーズ(需要)なきところにサプライ(提供)なし。

「相談されれば、お手伝いする」

「相談されなければ、お手伝い(余計な御世話)はしない」

それは、効果を期待できないことに対して、

無責任に口を挟まない、という意味で善意であり、

なおかつプロフェッショナルである、と私は思います。

アドラー心理学のカウンセリング体系や

教育的フレーム、スキルなどは、

上記の枠組抜きでは無価値です。

私たち、教育者、指導者、カウンセラーは

それをよく肝に銘じておく必要があるのです。



株式会社小倉広事務所 
代表取締役 小倉広 Hiroshi Ogura

Top