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6月1日配信 アドラー100の言葉 vol.12「他者のことを考えると個性を損なう、というのは間違いである」

  • 2017年06月01日


「でも個人はどうなるのだ。

もしも、いつも他者のことを考え、

他者の利益のために自分を捧げたら、

きっと自分の個性を損なうのではないか。

まず何よりも自分自身の利益を守ったり、

あるいは、自分自身の個性を強化することを

学ぶべき人もいるのではないか」

私はこのような見方は間違いであり、

それが提示する問題は虚偽の問題である、と思う。



アルフレッド・アドラー
Alfred Adler
「人生の意味の心理学」
What Life Should Mean to You
Little, Brown, 1931
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(解説)

日本人の素晴らしい特性の一つとして「協調性」があげられます。

しかし、一方で、それは弱点として指摘されることもあります。

「個性」がない、というわけです。

そこで、昨今は「個性を伸ばそう」という風潮が多く聞かれます。

では、どのようにすればいいのでしょうか?

一人一人が好き勝手、ワガママに振る舞えば、それが個性なのか?

どうも、それは違うような気がする。

「個性」か「協調」か?どっちなのだ?と。

アドラーは、そんな私たちに助言を与えてくれています。

他者の利益を大切にし、自分を捧げることが個性を損なうことはない、

というのです。それは両立できる、というわけです。

私たち日本人は、えてして「協調性」を重視し過ぎて

「個性」を押し殺しがちです。

その反動で、昨今は「自分らしく」「自由に」「ワガママに」という

言葉が蔓延しています。

これまでの「協調」一辺倒に対する

カウンター・カルチャーと言えるかも知れません。

しかし、行き過ぎも、また問題です。

アドラーは、他者の利益をまったく考えずに個性を伸ばそうとすると、

「支配的で我慢できないものになるだろう」というのです。

その反動は自分に返ってきます。

周囲から「我慢できない」と思われることで、

結局は自己肯定感が損なわれ、勇気がくじかれるのです。

そうではなく、他者の利益と自分の個性の両方を調和させるのだ。

それは不可能ではない。とアドラーは提唱しています。

自分の個性を活かして好きなことをやりながら、他者に貢献する。

その道を目ざすことが唯一の調和の道なのです。

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