作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

8月21日配信 小倉広メルマガ vol.205 『 「本当にオレがマネジャーでいいの?」と感じたら』



vol.205「 「本当にオレがマネジャーでいいの?」と感じたら」
出典:「マネジャー」の基本&実践力がイチから身に付く本

-「選ばれたこと」にもっと自信を持とう-

「なんで僕なんかがマネジャーに選ばれたんだろう?」
「私がマネジャーなんて、絶対に無理!」

初めてマネジャーになった人の中には、そう感じる人もいるでしょう。
自分より経験も成績も上の人がメンバーだったり、他のマネジャーが自分より
優秀そうに見えたりして、自信を持てない人もいるかもしれません。

けれど、マネジャーに選ばれたということは、ウエがあなたにマネジャーとしての
資質があると評価や期待をしたことにほかなりません。もっと自信を持っていいのです。
ここで「自分はマネジャーに向いてない」とネガティブに考えてしまうと、
うまくいくものもどんどんうまくいかなくなってしまいます。
私も29歳の頃、当時所属していたリクルートでマネジャーに抜擢されました。
そのとき私は、正直「えっ、なんで俺が?!」と思いました。
部下には日米の有名大学出身者が目白押し。年齢は私よりも高い人ばかりで、
10歳近く年上の人もいました。しかも半分くらいはその部署の先輩で、課長や
部長を経験したマネジメントの大先輩でした。

私はこの部署に入りたて29歳で、初めてのマネジャーです。
当時の私は「とてもできない。どうして俺なの?」と思いました。
プレイヤーで稼ぐことならメンバーたちに負けないという自信はありましたが、
「自分がマネジャーでいいのだろうか?」という疑いの気持ちを捨て去ることが
できなかったのです。
今でこそ、会社を代表して社員を束ねていく立場にある私も、このときばかりはうまく
いきませんでした。

「自分なんかがマネジャーでメンバーに申し訳ない」と感じ、前向きにマネジメントの
仕事に向き合えずに終わってしまったように思います。

– 誰だって優秀なマネジャーになれる –

今から思えば、「どうして私がマネジャーなのですか?」と率直に上司に尋ねるべき
でした。
マネジャーに選ばれたからには、何かポジティブな理由があったからに違いないので
すが、そこに気づかないまま自分のマイナスポイントばかり探して苦しんでいたように
思います。
そうした私の経験と反省から、ぜひ新任マネジャーの皆さんには、上司に「自分の
できているところ」「できていないところ」、そして「期待されているところ」を
聞くことをお勧めします。

これは、これから自信を持ってマネジャーの仕事に取り組んでいくために大切ですし、
今後のチーム作りのためにも大きなヒントにもなるのです。
誰でも強みや弱みを持っています。まずは、それを知ることです。そして
「弱みのある自分もOK 」と受け入れた上で、この弱みを埋めていくことを考えれば
それでいいのです。

30しかできないのに100 やろうとすると、誰だって苦しくなります。今30しか
できないなら、35やれればいいし、40やれるように努力していけばいいのです。
大事なことは、まずはマネジャーである自分自身の心にモチベーションの火を灯す
ことです。このモチベーションを保ちながら、これから紹介していくマネジメントの
セオリーという武器を身につければ、あなたは立派なプロのマネジャーになれるのです。

– 自分の足りないところは「人」で補えばいい –

さらにマネジャーにとって重要なことがもう一つあります。
それは、マネジャーは自分の足りないところをすべて自分一人で補おうとしては
いけない、ということです。
自己成長も大切ですが、「足りないところを埋めてくれる人を作る」という方法も
柔軟に取り入れていけばいいのです。これができるようになると、マネジャーは仕事も
心もとても楽になります。

名経営者には、必ず足りないところを補ってくれるパートナーがいました。
たとえば本田技研工業の創業者、本田宗一郎さんは、すばらしいビジョナリーメイカー
であり、技術者でした。夢を語る人でしたが、戦略や営業や財務といった経営の実務は
からっきしダメでした。そこを補ったのが藤沢武夫さんです。

それでいいのです。本田宗一郎さんは、「俺は藤沢みたいに実務ができない。俺は
ダメだ」なんて絶対に思わない。本田さんは、夢を語っていればいいのです。藤沢さんも
「俺は夢を語れない。なんてダメなんだ」なんて思いません。すばらしい実務家なのです。
それを一人で完壁にやろうとすると苦しくなります。
これは世界的な大企業のトップであっても、メンバー6 人のチームマネジャーであっ
ても同じです。自分を知り、人に動いてもらい、互いに補い合って最高の結果を出す、
という視点に立つことこそが、すべてのマネジャーに求められているのです。

Top