作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

7月31日配信 小倉広メルマガ vol.198 『 あきらめないと伝わる 』



vol.198「あきらめないと伝わる 」
出典:なぜ、上司の話の7割は伝わらないのか

- やり直すからこそ許せる -

多くの上司は部下に強制することをやめると「迎合」してしまいます。
「好きにしろ」と部下を放っておいたり、部下のいいなりになったり、
部下を甘やかします。つまり、あきらめてしまうのです。
しかし、あきらめたら上司の話はもちろん部下に伝わりません。

あきらめたら上司の負けが確定するのです。ではどうするか?
強制もせず、迎合もせず、あきらめもしない。

上司はあきらめずに部下に一万回でも言い続け、やり直してもらえばいいのです。
この時、上司のベクトルは、部下ではなく自分の信念に向かっています。
ここまで、受けとめる、共感する、責めない、強制しない、とお話ししてきましたが、
これは実は「やり直す」ことが前提にあるからできることなのです。
やり直すことができない、絶対に失敗できないような状況であれば、受けとめている
場合ではないので強制も必要です。

また、共感するよりも先に強制的な関わりになる時もあります。一方で、やり直せる
前提があれば、上司は部下の失敗を受け入れられます。やり直すことで上司は部下を許し、
部下を受け入れられるようになっていくのです。

やり直すためには、確認のスパンを短くする必要があります。たとえば半年間で
「売上を600万円上げる」が目標だとしたら、5 カ月目に「300万円でした。
足りませんでした」「じゃあやり直そう」では間に合いません。
そこで確認のスパンを短くして、「半年で600 万円であれば1カ月あたり100 万円だな。
では、1 カ月後に100 万円できたか確認しよう。できていなければやり直してもらおう」と
するのです。

さらに、2週間でやり直す、1 週間でやり直す、1日でやり直す。
やり直しのサイクルをどんどん短くし、一つ一つ確認していくことで、上司には部下の
失敗を許容する余裕が生まれ、部下の失敗を許すことができるようになります。

- PDCA を何度も回す -

やり直しながら改善していくサイクルを、PDCA (Plan,Do,Check,Action〉と言います。
計画を立てて実行し、「何が悪かったのだろう」「どうすればいいのだろう」と
振り返り、「では、もう1 回やり直しをしてみよう」と再度やり直す。
このPDCA は行う頻度が高ければ高いほど振り返りを多くすることになるので、人は
成長していきます。成長が早い優れた組織は、PDCA を素早くたくさん回しています。

また、「C」、チェックの時は、目標を達成できていなかったとしても上司は部下を
責めたりはしません。部下を許して、受け入れて、もう1 回委ねる。これを繰り返すことで
部下は学び、成長することができ、上司は部下を許し、受け入れることができます。
そして両者の聞に信頼関係ができあがっていくのです。
これは確認のスパンが短いからこそできることなのです。

- 共に悩む -
上司が部下にやり直してもらう際に気をつけなければならないのが、

「答えを知っている優れた上司と、答えを知らない劣った部下」

という関係にならない、ということです。
上司は答えを知っているので、「ここがダメだから、ここをやり直せ」と、どうしても
上から目線で部下に関わりがちです。しかし、問題を解決するのは部下の責任であり
部下の課題なので、上司はそこに踏み込んではいけません。

では、上司が上から目線で関わらないためにはどうすればいいか?

それは「どうしたらいいだろうね?」と、上司が部下と共に悩むスタイルです。
共に悩む時は、上司は部下と同じ目線、同じ立場です。もしそこで部下から手助けを
求められれば、「オレだったらこうするかな」とヒントを出しますが、求められるまで
答えは言いません。仮に上司が答えを持っていたとしてもそれは部下の答えではないので、
上司は答えを投げてはいけないのです。部下から求められてもいないのに上司が答えを
投げるのは、上司が、部下には能力がないと思い、部下を信じていないことと
イコールになるからです。

上司が部下に答えを投げ続けると、「僕はダメなんだ」「上司はできるけど、僕は
できない」といったマイナスの思いが部下の意識に刷り込まれます。
上司がよかれと思ってやっていることが、部下の自己重要感をどんどん低くして
いくのです。

そうならないよう、上司は部下と同じ目線、同じ立場で一緒に悩みます。
部下の感情を感じ、部下に共感し、「君なら解決できる。オレはそれを信じている」
と期待します。そして応援し、部下が必要とするなら支援する。しかし、余計な
手出しや口出しはしない。問題を解決することは部下の責任なのですから。

このスタンスが、部下の自己重要感を高め信頼関係を築き、部下に話を伝えていく
ためには必要なのです。

Top