作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

7月24日配信 小倉広メルマガ vol.195 『 得意を仕事にするのではなく、今の仕事に得意を組み込め 』



vol.195「得意を仕事にするのではなく、今の仕事に得意を組み込め 」
出典:人生を後悔しないために38歳までに決めておきたいこと

– 今の「そこそこ得意」な仕事で勝負しよう –

「得意を活かそう」と言うと、たいていの人は「私は花が好きだし詳しいから、
いずれは花屋になりたい」とか、「オレは英語が得意だから、語学を活かせる会社に
転職したい」と言います。今とは違う場所で、得意を活かそうと考えるのです。
得意を活かしたいから転職する。その考え方を僕は否定しません。

しかし、今の仕事を投げ出して40代で新しいことをゼロから始めるのが
本当にいいのでしょうか?それが現実的でないことは、皆さんもとっくに
わかっているはずです。

ではどうすればいいのか?
「今の仕事の中」で得意を活かしていけばいいのです。

たとえばあなたが営業マンであるならば、花が好きなら花の業界へ営業を
かければいい。語学が得意なら外資系企業を新規開拓してみる。

そうやって目の前の仕事を一所懸命やっていれば、「誰も君を下足番にしておかぬ」
と新しいチャンスがやってくるのです。
そもそも40歳にもなると、普通は皆、そこそこ得意な仕事をやっているはずです。

あまりにも向いていない仕事を会社はやらせるわけがない。たとえば数字が苦手で
おっちょこちょいな人に、経理をやらせる。そんなバカな経営者はいないでしょう。

それなのに、花が好きだから花屋に、語学が得意だから外資系に転職などと
言って目の前の仕事から逃げるのは、20代の甘っちょろいキャリア志向と
何ら変わりません。それではいつまでたってもチャンスが訪れることは
ないでしょう。

40代は、今やっているそれなりに得意な仕事で勝負していく年代です。
その中に、自分のやりたいことや得意なこと、自分の夢をまぶしていけばいいのです。

– 現実の中にこそ夢への扉がある –

前にも言いましたが、僕はずっと「書く仕事がしたい」と思っていました。
だから僕は、今のコンサルティングの仕事の中に、僕の得意なことであり、
やりたいことであった「書くこと」を活かそうと考えました。コンサルティングの
営業開拓をする上で、僕は飛び込み営業はやらず、商売用のメールマガジンを
書くことにしたのです。そのメールマガジンが、今こうして本を書くことに
つながっています。

通常、人が最も社会と探く関わるのは仕事です。もちろん、ときには趣味の音楽
が世界トップレベルになる人がいたり、マラソンでアマチュアの人が日本一になる
こともある。だけど普通は、仕事以上に社会と深く関わることをやっている人は
あまりいないはずです。

社会と深く関わる、今の仕事を一所懸命やると決める。自分の得意を取り入れな
がら愚直にやる。そうすると、いつの間にか自分がやりたいと思っていたことにた
どりついていたりするものです。「現実の中にこそ夢への扉がある」。
僕はそう思っています。

– 自の前の鉛を掘れば、金や銀が見えてくる –

僕は月に1回ずつ、東京・大阪・名古屋で「人間塾」という勉強会をやっていま
す。皆で本を読み議論をしながら、先人の知恵に人生を学ぼう、という試みです。
その第1回の課題図書に指定したのが、僕が敬愛する哲学者である森信三先生の
『修身教授録』(致知出版社) です。森信三先生は、たくさんの素晴らしい言葉を
残しています。ちょっと長いですが、その1つを要約して紹介します。

『仮に目の前に高い崖があったとしよう。その崖の下のほうには鉛や鉄などの
安い金属が埋まっていて、高いところには金、銀、銅など高価な金属が埋まって
いるとしよう。

たいていの人は、鉛は地味で安いから、もっと高級な金や銀を掘りたいと思い、
目の前の鉛を見ずに上ばかりを見る。そして上へ上へと登ろうとする。
しかし、掘ることもせず登っているうちは何も手にできない。上にばかり
登って結局、何も掘り出せなかった人は、何も手にすることはできない。

しかし、世の中には、あなたの目の前にある鉛を求めている人がたくさんいる。
金や銀ばかりを見ずに、地味でも目の前にある鉛を掘ろう。鉛を愚直に掘り進めて
いくと、不思議なものでそこには金や銀が混じっていたりするものなのです。』

なるほど。
僕は、感心して目から鱗が落ちました。

今、目の前にある仕事はつまらなく、地味で鉛に見えるかもしれない。
しかし、それを愚直にやり続ければ、新しい世界が見えてくるのだ。
反対に、「やりたいことをしたい」と上ばかりを見続けていると、手に入らない。

そうか。小林一三さんの言葉と同じじゃないか。
40歳を前にした僕たちは、まず目の前の仕事を頑張ると決意を固めよう。目の前
の鉛を愚直に掘り続けるのだ。そうすればきっと、金や銀が見えてくるに違いない
のだから。


【 編集後記 】

研修の仕事で横浜は桜木町に来ています。
勉強不足で知りませんでしたが、この街は三菱重工業の造船部門や関連会社、
協力会社が多く集まる、さながら三菱重工業村のようなエリアだとか。

そういえば、かつては浜辺だった東京駅近辺を再開発した丸の内は別名、三菱村、
同様に日本橋近辺は三井村と呼ばれています。

一企業が何もなかったところに街を作り産業を作り歴史を作る。企業の力、人の力って
すごいなぁとつくづく思います。

では、次回もお楽しみに!

Top