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6月20日配信 小倉広メルマガvol.270「全員を育ててはいけない」



vol.270「全員を育ててはいけない」

-「広く薄く」ではなく「狭く濃く」が鉄則

「稼げる社員」をつくるためには、「達成トレンドに乗せるまでは夏休みをとらない」
くらいの「やり切る」厳しさが必須であることは先に述べた通りです。
それは「昔」も「今」も変わらない。プロフェッショナルは結果にこだわる。
時代に関係なく当たり前のことです。

なおかつ、それは鬼軍曹による「指示命令」ではなく
社員たちの「自主性」によらなければならない。
そのためには、「組織文化」づくりが大切。それをつくるのは先輩社員たちである。
そうお伝えしてきました。では、いったい、その先輩社員たちをどうつくるのか?
その答えは「広く薄く」ではなく「狭く濃く」。

つまり全員を育てるのではなく、一部の可能性ある社員をセレクトし、
上司が「狭く濃く」関わるのです。僕はこれを「えこひいき」と呼んでいます。
ここで言う「えこひいき」とは、決して甘やかすことではなく、
他メンバーの10倍厳しく求めること。

そして厳しさに対する見返りは「期待」と「愛情」です。
つまり「厳しさ」も「優しさ」も10倍にする。
まさに「狭く濃く」関わることでリーダーの「分身」を育て上げるのです。
真の人材育成とはスキルの伝授のことではありません。

そうではなく人間力を高める、仕事へのプロ意識を高める、
お客様や部下後輩への「利他」の心を高める、のが育成です。
それは一朝一夕にできることではない。
だからこそ、「えこひいき」で「狭く濃く」関わる必要がある。
広く薄くでは絶対に無理なのです。

-成功のモデルケースを拡げるのが鉄則

リーダーシップの権威であるジョン・P・コッター が述べている通り、
組織変革の常道は「小さな成功例」をつくり、それを拡げること。
例えばチェーン店であれば、まずは1店舗で改革を行い、成功事例をつくる。
そして、それを全店舗に拡げる。これが変革の常道です。
決して、最初から全店舗を変革しようとしてはいけません。

組織文化づくりもこれと同じ。
まずは、「狭く濃く」リーダーの「分身」を「えこひいき」して育てます。
そして彼らに「達成トレンドに乗せるまでは夏休みをとらない」といった
プロフェッショナルの厳しさを刷り込んでいく。
そして、彼らの考え方、行動パターンを職場全体へと広めていくのです。

(1)まずはリーダーが「やり切る」厳しさの規範を決める
(2)リーダーと同じ厳しい規範を持つ「分身」を「えこひいき」で育てる
(3)「分身」の厳しさを職場の「当たり前」として広め、職場の「組織文化」にする

このようなステップをたどることで、ようやく職場に
プロフェッショナルの「厳しさ」が根付く。
「稼げる社員」づくりの必要最低限の土台がようやくできるのです。

-組織文化が人を育てる

全員を育ててはいけない。
人材を見極め、可能性ある一部の社員をセレクトし、
「狭く深く」関わり厳しさを持った「分身」を育てる。
次に、「分身」が厳しさを広めて組織文化をつくる。これまで、そう述べてきました。
では、「分身」として選ばれた一部の社員以外のその他大勢社員はダメなままでいいのか?

そんな疑問がわいてくることでしょう。いいえ。そんなことはありません。
「分身」以外のメンバーも大切なチームの一員です。
彼らだって「稼げる社員」にすることはできる。ほったらかしにしていてはいけません。
では、彼らに対しては、誰が「やり切る」厳しさを植えつけるのか。
答えは、リーダーの「分身」であり、「組織文化」であります。

リーダーが社員に直接厳しさを植えつけるのではなく、
リーダーの「分身」が中心になって代わりに植えつける。
そして、リーダーの「分身」たちがつくり上げた職場の「組織文化」が
残りの人たちに厳しさを植えつけていくのです。

もちろん、リーダーも直接その他の社員に「やり切る」厳しさを求めます。
しかし、リーダーがすべての社員に目配りをするのは現実的には不可能です。
リーダーの知らないところ、目の届かないところで仕事はまわっていく。
そんな時に大切なのはリーダーの「分身」がリーダーのいないところでも
同じレベルの厳しさを求め続けること。

それによって、ようやく、「やり切る」厳しさが組織の隅々へ届くようになるのです。
「分身」の言動と「組織文化」が組織に厳しさを植えつける。
それ抜きで「稼げる社員」をつくることは、とうてい不可能なのです。

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