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6月12日配信 小倉広メルマガ vol.180 『 部下のストレス・サインを見逃すな』



vol.180「 部下のストレス・サインを見逃すな」
出典:課長のスキル

僕自身がプレッシャーの中で育ったからだろうか。部下を育てるためには
負荷をかけるしかない、と思っている。しかしこれがくせ者だ。
負荷をかけ過ぎれば部下は潰れてしまう。その加減が難しいのだ。

しかも、潰れた部下は心身ともに病むことが多い。さらにはそれが原因で
退職に至ることもある。つまりは部下の人生を大きく狂わせてしまうのだ。
だから気をつけなければいけない。負荷のコントロールは、部下を持つ課長にとって
一番大きなジレンマかもしれない。

わかってはいるのだが負荷をかけ過ぎる方に偏りがちだ。そして部下の
ストレスに気づかない。先日もある部下のおかしな様子を見て、
やってはいけない対応をしてしまった。

木村さんは次期課長のポストを期待される優秀なコンサルタントだった。
そこで僕は彼に大いなる期待を伝え、彼に負荷をかけた。
自分のクライアントだけでなく、後輩コンサルタントへのアドバイスや
管理を彼に何社か任せてみたのだ。

するとこれまでプレイヤーとして活きいき活躍していた彼の顔色が曇り始めた。
残業が深夜に及ぶ時間帯には、目に見えて言動が苛立ってきた。
そして発言も投げやりになってきたのだ。
こんな言動は彼じゃない。明らかに何かがおかしいのがわかった。

しかし僕は方針を変えるつもりはなかった。
「後輩の面倒なんて見てられるかってんだ」。
ふて腐れているように見える彼を懲らしめるかのように、彼の不足を指摘し、
ますます負荷をかけたのだ。やがて彼は黙って退職していった。

わずか1年前まではあんなにキラキラ輝いていたのに。僕が抜擢することで
彼をダメにしてしまったのだ。

部下への負荷をかけすぎてはいけない。そして部下のストレス・サインを
見逃してはいけない。

そのサインとは「闘争」か「逃走」か、と呼ばれる2種類に集約されるという。
「闘争」すなわち攻撃的になることで自分を守る行動に出る、というのが一つの
パターンだ。そしてもう一つは「逃走」。
何かにすがり現実逃避をする。アルコール依存症などはこの典型だ。

「闘争」か「逃走」か。

このどちらかが見えたなら、それは部下のストレスが限界に達しつつある
サインだと受け取るべきだろう。

部下を育てるには負荷をかけなければならない。しかし決してかけ過ぎても
いけない。そのために課長はストレス発見スキルを身につけなければならない。

自分のストレスを貯めこまないためにも、部下のストレス・サインを
見逃さないことが重要だろう。


【 編集後記 】

日本オリンピック委員会のお手伝いでナショナルトレーニングセンターに伺いました。
各種競技の選手たちが500室もあるホテル並の宿泊施設に泊まりながら強化合宿が
できる素晴らしい施設です。
そこで、日本代表選手に交じって晩ご飯をご馳走になりました。

さすがだな、と思ったのは廊下で出会う選手達がくちぐちに「こんにちは」と
挨拶されること。柔道女子の選手などは、廊下の途中できちんと立ち止まってから
挨拶をしていました。

さすがですね!とお伝えすると「以前は徹底できていなかった」とのこと。
社会人のあたりまえマナーなどの研修を企画し、選手とコーチとで共有することで
少しずつ文化ができてきたとのことでした。何ごとも自然発生はなく、リーダーの
意思から始まる。そんなことを思いました。

次回もお楽しみに!

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