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5月9日配信 小倉広メルマガ vol.260 『愚直に目の前のことをやろう。さすれば道はひらかれる』



vol.260「愚直に目の前のことをやろう。さすれば道はひらかれる」
出典:人生を後悔しないために38歳までに決めておきたいこと

-文句を言って手を抜いている人にはチャンスは訪れない

「そんなこと言ったって、どうやったら天命なんて見つかるんだ」、
「探して簡単に見つかるなら苦労しないよ」。そう言う人は、まず
目の前の仕事を愚直にやってみてはどうでしょうか。
僕がよく引用させてもらう、現阪急阪神東宝グループ創始者の小林一三さんの
言葉があります。「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」

なぜ日本一の下足番になれと言うのか?与えられた仕事を愚直に一所懸命に
やっている人は、それを見ている周囲の人の魂を揺さぶります。そして、
「この人にはもっとレベルの高い仕事をやらせたい」と思わせ、
自分のもとに新しいチャンスがやってくるのです。

ところが多くの人は、「こんな雑用やってられるか」とブツブツ文句を
言いながら手を抜いてしまいます。文句を言って手を抜いている人に、
誰がチャンスを与えるでしょうか。

今の仕事を120%、150%一所懸命やる。そうすれば、必ずチャンスが訪れます。
そのチャンスは今の仕事の延長線上にあるのかもしれないし、今の仕事とは
違うかもしれない。それはわからない。ただ、下足番の仕事を、手を抜いて
やっている人には、絶対にチャンスは訪れないのです。

前項で、僕は書くために生まれてきたと言いました。もともと文章を書くのが
好きで、大卒でリクルートに入社したのも、コピーライターになりたいと
思ったからです。でも、最初は会社や社会を俯瞰して勉強したいと、
自ら営業職を希望しました。そして2年目からコピーライターの仕事を
やるつもりでしたが、会社の人事はそんなに思い通りにはいきません。
結局その後は事業企画室で企画をやったり、編集部で編集をやったり、
コンサル タントになったりと、どんどん書く仕事から離れていっている
ような気がしました。

しかし結局、今はこうやって本を書いています。そして、書いている内容は、
一見遠回りに見えた企画室時代、コンサルタント時代に身につけたことばかり。
まさにそれは遠回りでも何でもなかったのです。当時はこんな風になるとは
思ってもいませんでした。目の前の仕事を1つひとつ一所懸命やっていったら、
流れ流れて天命にたどりついた。小林一三さんの言葉の通りだった。
そう思っています。

-後付けのつじつま合わせが再発見になる

僕は経営者に向け、社内に経営理念を浸透させるためのコンサルティングを
行なっています。

一般的に言って、経営理念には、ミッション・ビジョン・バリューの3つが
あります。ミッションは永遠に続く会社の存在意義、使命。ビジョンは
目指すべき、もしくは目指したい近未来像。バリューは行動指針です。

ミッションは会社にとっての天命で、経営理念の中で一番大切なものです。
明確なミッションがあるとトップも社員もすごく頑張れるようになります。
会社の存在意義を人に説明でき、社員に夢を語れるからです。そしてそれは、
会社トップの個人的な天命であることが多いのです。

たとえば、長野県に中央タクシーという会社があります。大ベストセラーで
『日本でいちばん大切にしたい会社3』(坂本光司著 あさ出版)に出てくる
有名な会社です。そこの宇都宮会長は、普通のタクシー会社を、お客様に満足と
感動を与えられるタクシー会社へと大変革させたのです。

しかし、宇都宮会長は、タクシー会社を天命だと思って始めたわけではありませ
ん。たまたま親がタクシー会社をやっていた。それがきっかけだ、と言うのです。

宇都宮会長のように熱く夢を語る経営者を僕はたくさん知っていますが、
そのほとんどが、親から継いだとか、大学のときに教授の推薦でたまたま
入った会社の仕事で独立した、とか、そんな人ばかり。これが自分の天命だ!
と思ってその仕事を始めた人なんてほとんどいないのです。

しかし、たまたま出会った仕事を、文句を言わず、愚直にやっているうちに、
自分の天命を見つけます。それは言葉を変えれば「つじつま合わせ」と
言えるかもしれません。立派な経営理念も、多くの場合、自分がやってきた仕事に
ムリヤリ理屈をつけたら「こういうことになる」といったものがほとんどで、
それを後付けで「経営理念」と呼ぶ。そんなものです。

では、なぜそういうことをするのか。人は目の前のことを一所懸命やっていると、
どうしても理由が必要になるものなのです。そして、自己のアイデンティティーを
再発見するわけです。「オレはやっぱりこの仕事をやっていて、よかったんだ」と。
その後付けの説明があるおかげで、迷ったり悩んだりすることが少なくなるのです。

天命を見つけるということは、メーテルリンクの『青い鳥』のようなもの。
チルチルとミチルは幸福の青い鳥を探し回るけれど、結局、家の中の鳥かごに
いた鳥が青い鳥でした。

青い鳥は、すでにあなたの中にいるのかもしれません。「40歳近くにもなって、
今さらそんなことできるか」などと、目の前の仕事を、文句を言わずに、
愚直にやると決める。

そうすれば、今やっている仕事が天命だと再発見できるかもしれません。

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