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4月11日配信 小倉広メルマガ vol.256 『「作業」ではなく、「責任」を任せる』



vol.256「作業」ではなく、「責任」を任せる
出典:任せる技術

-上司が「責任」を負ったままでは任せたことにならない
早朝6時半。週1回、定例の役員会議が始まる30分前に出社してみると、
営業担当の丸山役員(仮名)が必死になって会議の資料をプリント製本していた。
僕は言った。「おいおい。それは役員さんの仕事じゃあないだろう。
丸山さんには本来やってほしい他の仕事がたくさんあるんだ。部下にできることは
部下に任せてくれないと困るな」すると、

「資料の印刷が役員の仕事でないことはわかっています。でも印刷や製本は
任せられても、数字の最終チェックや抜け漏れ確認は企画担当の佐藤さん(仮名)
には任せられないんです。彼に任せるとミスだらけで結局僕がやり直すはめになる」。
そんな反応が返ってきた。

周囲を見渡すと早朝だけあって営業部は丸山役員以外誰も出社してきていない。
僕はおかしいな、と思った。「丸山さん。もしかして佐藤さんに『作業』を
任せているんじゃないのかい?だからミスが起きる。そうではなく『責任』を
任せなくてはいけないよ。もし佐藤さんが正確な資料を完成させるという『責任』
を負っているとしたら、今この場に佐藤さんが出社していなくてはならないはずだ。
彼がここにいずに、丸山さんが資料を修正し印刷しているということは、
すなわち、彼は部分的な『作業』しかしていないことになる。
佐藤さんは『責任』を負っていないことになるんだよ」。
はい……。確かにその通りですね。丸山役員は言った。

管理職が部下に仕事を任せる時にやりがちな間違いは、「責任」を負わせずに
「作業」だけを任せる、ということだ。それは 、本当の意味で仕事を任せている
ことにはならない。「責任」は上司が負ったまま、指示された一部の「作業」
だけを部下に任せていることになるのだ。これでは部下は成長しない。
そのことに上司自身が気づいていないのだ。

人は「責任」を負い、「責任」を果たすことで成長する。果たしていった「責任」
の大きさに比例して成長するのだ。任せるとは、「作業」ではなく「責任」を
与えることにほかならないのだ。

-定例反復的な仕事は100%部下に任せる
先にあげた週1回の会議資料など、上司が抱える定例反復的な仕事はすべて
部下に任せるべき、と考えた方がいいだろう。もちろん「作業」ではなく「責任」
を任せるのだ。

先の例で言えば、面倒かもしれないが、上司が自分で数字を修正してはならない。
それでは任せたことにならない。あくまでも担当者に直させる。
そしてこう伝えるのだ。「いいかい。僕が間違いを3ヵ所見つけたよ。これは本来
佐藤さんが見つけなくてはならないものなんだぞ。僕が間違いを見つけたら
あなたは『恥ずかしい』と思わなくてはならない。だって、この資料を完壁に
仕上げるのは佐藤さんの『責任』なんだからね。 さあ、もう一度自分の目で
チェックした上で完壁な資料をあげてくれ。待っているからね」。

面倒なようでもこう伝えるべきなのだ。間違っても自分自身の手で修正し、
こっそりそのまま黙っていてはいけない。佐藤さんに「完成」を要望するのだ。
「責任 」 抜きに「作業」だけをさせても成長することはないのだから。

それでも、部下は一度でできるようにはならないだろう。何度も同じ失敗を
繰り返すに違いない。それでいい。それが当たり前なのだ。そこであきらめて
自分でやってしまわずに、辛抱強く部下に任せ、責任を負わせ続けるのだ。
それが部下育成というものだ。

そう考えれば、定例反復的な仕事は、すべて部下に任せるくらいでちょうどいい、
ということがわかる。そうでなくては、とてもじゃないがもっとレベルの高い
仕事を部下に任せることなど 一生涯できないことだろう。
あなたが持っている定例反復的な仕事は何だろうか?
まずはそれを洗い出し、すべてを部下に任せることから始めてみてはどうだろうか。

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