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3月28日配信 小倉広メルマガ vol.253 『 「なぜ愛してくれないの」ではなく、愛される努力をしよう 』



vol.253「なぜ愛してくれないの」ではなく、愛される努力をしよう 」
出典:任せてもらう技術

-悪いのは本当に上司だけ?
キミは付き合っている彼女や彼氏、あるいは夫や妻に、こんな不満を
ぶつけたことはないだろうか。

「どうして俺とのデートを断って、友だちと遊びに行ったんだ?」
「今日は結婚記念日なのに、どうして早く帰ってきてくれなかったの?」

口にしたことはなかったとしても、思いが頭をよぎったことはあると思う。
こうした不満を掘り下げると、その根底にあるのは「どうしてもっと俺(私)を
愛してくれないの?」という気持ちに突き当たるだろう。

要するに、多くの人は「自分を愛してくれない相手が悪い」と考えている訳だ。
実はこれ、上司と部下の関係にもそっくりそのまま当てはまる。

多くの人は、「自分を信頼してくれない上司が悪い」と思っている。
だから「どうしてもっと俺(私)を信頼してくれないのか?」といって相手を責める。
その構図は、男女間にあるものと何ら変わりがない、といえるだろう。

うまくいかないことがあると、人はつい相手を指差して、「お前が悪い」と
責めてしまうのだ。

だが、ちょっと待ってみてほしい。
「相手が自分を愛してくれない(信頼してくれない)のは、自分にも問題が
あるからではないか」と考えてみることはできないだろうか。

お互いが相手に責めの矢印を向け合っていたら、永遠に関係は改善しない。
ここで僕は、 一度思いきって「自分に矢印を向けてみる」ということを
提案したいと思う。

恋人が自分とのデートより友人と遊ぶのを優先するのなら、
「友だちの誘いを断ってでも会いたい」と思われるような自分になればいい。
同様に、上司に信頼されていないと感じるなら、信頼されるような
部下になればいい。

その努力を怠ってはいないか、自分を見つめ直してみるんだ。

-上司と部下は、どちらも悪者じゃない
ところが多くの部下は、上司を悪者にしたがる。
なぜなら 部下は、「上司は常にパーフェクトな存在であるべきだ」
と思っているからだ。「自分より高い地位にいて、自分より高い給料を
もらっているのだから、人間性も能力も完壁でいて当たり前。
そうでないと許せない!」という訳だ。

だから「部下の気持ちを尊重し、信頼して仕事を任せるのが上司の義務だ」
と理想の上司像を押し付けてしまう。そしてそれができない場合は、
「上司として失格だ」と烙印を押してしまうのだ。

だが、考えてもみてほしい。上司だって人間だ。
すべてにおいて完壁 な人間など、存在しない。上司にだってダメなところがある、
それはいたって普通のことなのだ。

だからといって、部下であるキミが悪いといっている訳ではない。
僕がいいたいのは、どちらが悪者か、白黒つける必要などないということだ。
これは裁判ではないのだから、上司と部下のどちらが被告で、どちらが
原告かなんて決めなくていい。

僕は企業の管理職を対象とした講演や研修の講師をつとめることも多い。
そこで、「部下がなかなか信頼してくれないんです」という人に対しては、
「自分に矢印を向けて、部下に信頼されるような上司になる努力を
してください」と話している。

一方、若手社員を対象とした研修でも、上司たちに伝えたのと同じことを
伝えている。「上司が信頼してくれないんです」ときたら、
「信頼してもらえる部下になるよう、努力をしてください」という訳だ。

上司と部下が揃って自らに矢印を向けることでしか、関係性を変えること
はできないのである。

そしてこの手の話題が出たとき、僕はよく、心理学者エリック・パーンの
言葉を引用する。
「過去と他人を変えることはできない。未来と自分を変えることはできる」
「愛されたい、信頼されたい、と思うなら、まずは自分を変えるしかない」
他人である上司を変えようとするのは、それこそ不毛な努力なのである。

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