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12月14日配信 小倉広メルマガ vol.231『上司はキミの言葉を見ない。行動を見ているんだ』



vol.231「上司はキミの言葉を見ない。行動を見ているんだ」
出典:任せてもらう技術

-「口先だけ」の自覚がなかった

「自分に矢印を向けなさい」と偉そうなことをいったが、20代のころの僕は、
それこそ「相手に矢印を向けまくる」タイプだった。
新橋のガード下で同僚たちと酒を飲んでは、「課長は現場の意見に振りまわされすぎ
なんだよ」「上の人たちは保守的で頭がカタすぎる」などと、語気鋭く上司を批判
しまくったものだ。

それだけじゃない。会議や打ち合わせの席で、面と向かって上司に意見することも
多かった。転職情報誌のリニューアルの際も、「読者である女性求職者のためを
思うなら、職種別より時間別の掲載にするべきなんじゃないですか」と上司に
くってかかった。

いずれの場合も、僕は正論をいっているつもりだったし、実際、その通りだったと思う。
そして正論をいう人間というのは、同じ立場の人たちから見れば、意欲があって
責任感も強いように感じられるものだ。

だから僕が上司の批判をすると、同世代の同僚たちは拍手喝采して盛り上がってく
れた。「小倉のいうことは正しいよ!」、などといわれて、僕はすこぶるいい気になった。

だが、僕は完全に間違っていた。「組織で働く人間にとって、本当に求められる
責任の果たし方とは何か」を、完全に取り違えていたのだ。正しいと思ったことを
押し通すだけでは、責任感がある訳でも何でもない。

仕事をする上で本当に必要なのは、言葉ではなく行動で責任感を示すことだ。
本当に責任を持って情報誌のリニューアルを進めようと思うなら、僕はそのために
行動を起こすべきだった。

リニューアルに反対する営業部門の部長たちを1人ずつ訪ねてまわって説得する。
売上の低下を心配する上層部に、売上アップのためのシミュレーションデータを作成
して提示する。広告の出稿主であるクライアントからクレームが入るのではないかと
心配する営業の現場に対して、それに対処するためのトークマニュアルを用意する。

今思えば、僕が行動できることはいくらでもあった。

-「任される前から行動する人間」になれ

当時の僕は、口先で正論を並べるだけの評論家だった。
いざ営業部長たちを説得する役目を任されたら、そのつとめを果たすことができず、
上司に尻拭いをしてもらう結果になった。いくら口は達者でも、行動では何も示す
ことができなかったのだ。

数年がたち、上司の立場になってみると、口先だけの人聞がいかに信頼できないか
がよくわかるようになった。「頑張りますから、僕に任せてください」と威勢の
いいことばかりいう人聞に仕事を任せて、散々な自にあったことは数知れない。

これは上司の立場にいる人なら、誰もが経験しているはずだ。

だから上司は、行動する人聞に仕事を任せたいと思う。もっと正確にいえば、
「任せる前から行動している人間」に、仕事を任せようとするのだ。

課長になる人は、肩書きなどなくても、すでに課長レベルの仕事を
やっているものである。

逆に、「僕を課長にしてくれたら頑張ります」などという人を課長にしてはいけない。
「任せてくれたらやります」という人聞は、いざ任されてもやらないに決まって
いるからだ。

それを聞いたキミは、「そんなことをいっても、ある程度の権限や予算を任される
立場にならないと、できないことだってあるはずだ」と考えるかもしれない。
だが、阪急阪神東宝グループの創業者である小林一三氏は、こんなことをいっている。

「金がないから何もできないという人間は、金があっても何もできない人間である」
この言葉がすべてを物語っているのではないだろうか。

たとえ金や権限がなくても、行動する人は行動する。そして上司はそれを見て、
「すでにとのレベルの仕事をやっているなら、この仕事も任せて大丈夫だろう」と
判断する。つまり、権限、予算は後からついてくるものなのだ。

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