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10月5日配信 小倉広メルマガ vol.217 『 理不尽に遭遇してもありのままを受け入れよ』



vol.217「理不尽に遭遇してもありのままを受け入れよ」
出典:折れない自分のつくり方

-リーダーの周りは理不尽だらけ
リーダーには失敗がつきものである。そのミッションは艱難辛苦に満ちていて、
必ず壁にぶつかる。でもそれでいいじゃないか。できない自分を許そうよ。
前項までにそういった話をした。がんばってもうまくいかないことは、誰にでもあるのだから。

だが、リーダーの困難は、自分に原因がない場合も往々にしてある。いや、しょっちゅう
起こるくらいの覚悟をしておくほうがいいだろう。

会社が急に方針を変えたり、上司が理不尽な決定を下したり、部下が約束を守ら
なかったり、取引先が無理難題を押しつけてきたり……。

想定できる範囲で備えるのは当たり前。想定外の事態が起こったときにも揺れないで
いられるのが真のリーダーである。社会情勢の変化や自然災害の影響を受けるような場合もある。
もっと理不尽な、何かのとばっちりを受けたような場合や、明らかに自分が被害者のときもある。
客観的に見ても納得できないと思われるようなケースだ。

そうしたときにもすべてを受け留めて、折れない自分になりたいと私は思ってきた。
そのために、おおいに役に立った考え方がある。それが「諸法実相」と「最善観」だ。

-すべてはありのままでいい諸法実相
仏教用語で 「法」は自然の法則のこと。「諸法実相」とは諸法、すなわち自然の
あらゆる法則は、そのままで正しい。すべてありのままでいいという考え方だ。
良寛和尚の言葉に次のようなものがある。

「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候」
「死ぬ時節には死ぬがよく候」
「これはこれ災難をのかるる(逃れる)妙法にて候」

文政11(1828)年、越後三条大地震に遭った良寛和尚が、見舞ってくれた人に送ったとされる
手紙の一節だ。災害も死も、避けようのない運命であり、自然の思し召しである。
無為に抗うことはやめましょう。何があってもありのままを受け入れましょう。
それが救いに至る道なのだ、と良寛和尚は言っている。諸法実相である。

だが私たちは、ついつい抗ってしまう。病気になれば治りたいと思うし、災害に
遭えばやり切れないし、死に直面したら助かりたいと思うだろう。

それはそれでOK。現実を受け入れられず、抗う自分がそこにいたら、それも含めて、
すべてをありのまま受け入れよというのが諸法実相だ。

災厄が自分に降り掛かる場合はともかく、家族や親しい友人が病気になったり、
事故に遭ったり、不慮の死を遂げたりすることをすんなりと受け入れられる人はいないだろう。
そんなとき、諸法実相は、受け入れられない自分をも、ありのまま受け入れよと言う。
その一方で、起きたこと自体が避けようのない運命ならば、それをありのまま受け入れよとも言う。

大事なのは受け入れ方の問題ではない。 起きたことが正しいか何が間違っているかの答え探しでもない。
それが 自分にとってどんな意味を持ち、そこから何を学べるのか、未来へはどう
進んでいけるのかをつかんでいくことにある。

たとえば病気の自分を省みることで、食生活を改めようと思うかもしれない。
日頃の不摂生を反省するきっかけになるかも しれない。それによってもっと大きな病
気にならずにすむのかも しれない。神様がそれを教えてくれたのかもしれない。
そんなふうに考えることができたなら、目の前の不幸にも意味が見いだせるようになるだろう。

-起きたことはすべて正しい-最善観
「最善観」とは、哲学からきている言葉だ。
ドイツの哲学者ライプニッツが唱えた最善説が原典で、オプティミズム (楽天主義)に
相通じる考え方だ。根底にあるのは「神のつくった世界は善である」という思想。
そこから発展した次のような概念がベースになっている。

-「起きたことはすべて正しく意味がある 」
一見不幸な災厄や理不尽な出来事も起こるべくして起こっていて、それは本人にとって正しく、
ちゃんと意味があるという考え方だ。どんなネガティブな要素にも、プラスの対極があり、
そこから未来のメッセージを読み解いていこうというものである。

その点では、諸法実相と同じである。また、頭では理解できても、実際に不幸が
己の身に起きたとき、すんなりと実践できる人は少ないだろう。その点も同じだ。

だが、どんなものにでも意味を見いだすことができたなら、それに合点がいくはずだ。
理由を見つけられたなら、それが納得できるはずだ。そうなると、心が軽くなる。
苦しみから解放される。未来に向かって歩を進められる。

諸法実相、最善観。すべてを理解して実践していくには難しいかもしれないが、
「そのまま」「ありのまま」「起きたことは正しく意味がある」というおおらかな考えを、
ぜひとも頭の片隅に置いてほしい。

リーダーには理不尽な壁が立ちはだかる。
予期せぬ未来が待ち構えている。
そのとき、諸法実相と最善観が、必ずや救いとなり、
現実の問題解決に役立つに違いないと私は思っている。

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