作家、講演家、心理カウンセラー

小倉広オフィシャルWebサイト

小倉広事務所 HOME

10月26日配信 小倉広メルマガ vol.221 『 いかなる時も部下の相談を断るな』



vol.221「いかなる時も部下の相談を断るな」
出典:33歳からのリーダーのルール

「あのー、ちょっといいでしょうか……。」
2つ年下のメンバーが遠慮がちに僕に声をかけてきた。30歳、課長になりたての僕は資料作り
に追われていた。1時間後にはお客様にメールしなければならない。パニックに近い状況
の僕はパソコンの画面から目を離さず、彼の顔も見ずにこう言った。
「ごめん、今はムリ。後で。」

あっ、すみませんでした。彼は申し訳なさそうにそう言って席に戻った。
その翌日、彼はまた遠慮がちに僕に声をかけてきた。しかしその時も僕は役員会に提出する
資料作りを急いでいた。そこで昨日とまったく同じ会話が交わされた。

そしてそれ以来、彼は僕に相談することはなくなった。あきらめてしまったのだ。
僕はリーダーとしてやってはいけないことをやってしまった。上司の仕事は、第一に部下
を支援することである。自分の仕事は常に後回し。すべては部下優先でなければなうないのだ。
自分自身の事務仕事を優先して部下の相談を断る、などということがあってはならない。
それではチーム運営はうまくいかない。自分の首を絞めることになるからだ。

部下は上司の都合などお構いなしに声をかけてくる。そして信じられないような自分勝手な
お願いをしてくるものだ。「資料ができたので今すぐチェックして下さい。1時間以内に
お願いします」なんてのは序の口だ。100ページにもおよぶ原稿を夕方に持ち込んで「明日
の朝一番までにお願いします」なんてこともある。しかしそれでも上司は受けなければなら
ない。そうしなければ業務が回らないのだ。

とは言っても、常識外れの部下の行動は、後できちんとたしなめなければならない。他人
に迷惑をかける仕事の仕方を野放しにしてはいけない。部下自身のためにならないからだ。
しかし、育成と実務とは別だ。きちんと指導しながらも実務としてはそれを受け容れる。
自分の仕事は常に部下の後にする、を徹底しなければならない。

33歳からのプレーイング・マネジャーであることが多い僕たちにとって、この考えは受け
容れがたい。しかしそれが現実だ。部下を変えるのはなく上司である僕たちがまずは変わ
らなければならないのだ。部下をしつけ、変えていくのはその後だ。

Top