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1月25日配信 小倉広メルマガ vol.238 『担当者になるな 』



vol.238「担当者になるな 」
出典:33歳からのリーダーのルール

31歳、プレーイング・マネジャーとして現場を駆けずり回っていた時のことだ。
僕はお客様先でのミーティングが終わった後、メンバーにこんこんと説教をしていた。

「結局、田代さんはほとんど一言もしゃべらなかったね。あなたはこのお客様の
担当者として責任を負っているんじゃないのか?それを僕1人に任せてしまって。
このままじゃ、あなたは必要とされなくなってしまうぞ。もっと責任感をもって、
自分から発言してくれなくちゃ困るな」。
田代さんは下を向いて力なくハイ、ハイとうなずいていた。

そして次回。ミーティングが終わる帰り道、僕は前回とまったく同じ説教をしている
自分に気がついた。僕は不思議になって田代さんに尋ねた。
「なぜ自分から 話そうとしないのか?どうすれば田代さんが責任感を持って
『自分がこのお客様の担当だ』と主体性を持つことができるようになるのか?」と。

しばらく黙り込んだ後、田代さんは僕の目を見てこう答えた。
「私が話すよりも小倉さんが話した方、がお客様のためになるんです。
私、が話すよりもお客様は小倉さんの話を聞きたがっているんです。だから話せない。
私が話してもお客様は小倉さんの方ぱがりを見ているんです。分かってます。
これは全部言い訳だってこと。それを乗り越えて自分から話せるように
ならなくてはならないと、分かっているのですが…。

僕はハッとした。僕自身、田代さんとまったく同じ経験をしたことがあるのを
思い出したからだ。 その時、僕のかつての上司はどうしていただろうか。
僕は思いを巡らせた。

リーダーが担当者になってはいけない。部下に肩書きだけの担当者という
役割を与えながら、自分がその役割を奪ってはいけない。部下が担当者ならば
部下に話させる。たとえクオリティーが落ちてしまっても部下に責任を取らせるのだ。
そうしないかぎり部下が主体性を持つことはないだろう。

それはすなわち、決して部下が成長しないということを意昧する。
かつて、僕の上司は僕に任せて口出しをしなかった。たとえ僕がボロボロになって
失敗をしても、じっと我慢して無言でそれを見守っていてくれた。
上司が部下の仕事を奪ってはならない。それを徹底していたことを思い出したのだ。

33歳からの新米リーダーたちよ。 担当者になるな。君はリーダーなのだから。

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